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新しいコーヒーを飲んだ朝に

今朝は霜が降りた白い世界が広がり、今期最後、冬の景色を見せてくれたと思う。そう思いたい。昇る陽が放射冷却したのもつかの間、暖かさが身体に伝わってきた。よしよし。いい天気。未来はまだ続いていく。

いまある世界をちゃんと受け入れられるように

新しいコーヒー豆を購入しました。

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"丸山珈琲 ワーグナーブレンド ~トリスタンとイゾルデ"
東京春祭のシールで『あれだ!』とわかっちゃう。
公演は中止になってしまって残念だけれど、このワーグナーの大曲を聴きながら書いてみるのも新しい風が吹く気がしていい。

不倫愛を題材に男女の内面世界を革新的な手法で深く掘り下げた《トリスタンとイゾルテ》は、観客・聴衆を〝別世界〟へと誘う不思議な力を持った作品
という解説を読んでも、いまひとつピンとこない。
でも演奏から伝播する熱量の高さが胸をうつ。
このオーケストラの一人一人がアスリートのような面持ちで、偉大な楽曲を統べようとしている。それだけで涙がこぼれそうになる。いま聴いている音楽に携わってきたすべての歴史が詰まっていることを映像からも伝わる。
トリスタン和音や、ライトモチーフの手法、ワーグナーという作曲家のすったもんだもエッセンスとして興味深いけれど、この音ひとつひとつ、間の一瞬一瞬に魂が込められているのだと思うたび、その理解度が深まるたび、人類が導きだした音楽という人間賛歌は喜びの象徴だと思うし、絶えることはないと確信する。

けれど、いまは。

キーボードを打つ手が止まる。
YouTubeで聴けるオーケストラも佳境に差し迫っている。
大迫力のうねる音のあとにくる、流麗なメロディを聴き終えようとしている。
最後のトニックに落ち着くとき、さみしいような、うれしいような、心が安らぐような、心残りがあるような気持ちになる。
この"トリスタンとイゾルデ"の最後は、"愛の死"を歌い、幕を閉じるらしい。

人類は、同じことを繰り返してしまうのかな。
過ちから学び、未来に生かせるのかな。

まだ、幕は下りちゃいないだろう。
また、音楽を肌で感じられるように、やるべきことを考えていこう。

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serialization days: 74
sleeping time: 22:31-5:51 / score: 84
coffee: MARUYAMA COFFEE "Wagner blend ~Tristan and Isolde"

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