おすすめの一冊『「発達障害」と間違われる子どもたち』
こんにちは。紀藤です。私事ですが、約4年前に息子が生まれてから、生活が大きく変わりました。
子どもは面白く、性格も違い、穏やか、気が強い、周りに合わせるタイプ、我が強いなど、それぞれあるようです。
友人や周りに話を聞くと「子どもを育てづらいと感じたことはない」という人もいれば、「癇癪を起こして大変だった」という人もいて、比べようもないのですが、みんな色々あるようにも思えます。
そんな大変さと喜びがあるのが、子育てなのかもしれませんが、そんな中で近頃、「発達障害」というキーワードが気になっております。
本日はそんなテーマに関連して、医学博士であり35年の小児科医が書かれた、こちらのヒット本についてご紹介させていただきたいと思います。それでは、早速まいりましょう!
「発達障害」とはなにか
本書の冒頭に、「発達障害とされる子どもが、13年間で10倍になった」という衝撃の事実が書かれています。どうやら調査のたびに「発達障害の可能性があるとされる人」が増え続けているようすです。
そもそも、発達障害とは何かというと、”脳の発達に関わる生まれ持った機能障害”とされます。代表的に知られているのが、以下の3つです。
これは、『DSM-5 精神疾患の分離と診断の手引)というものに従って診断されます。
「発達障害もどき」とは
しかし、この「発達障害」という言葉が教育現場に降りてきたことから、「もしかすると、この子は発達障害なのかもしれない」という疑問を持つ人が増えてきました。それが本書でいう「発達障害もどき」です。
厳密に診断されるわけではないけれども、それに似た症状を表す子どもです。その「発達障害もどき」は以下の3つの類型があるようです。
「発達障害もどき」から抜け出す方法
しかし、医学博士であり、35年以上の小児科医である著者は、「発達障害もどきの症状を改善するための対策」を伝えています。
子どもの脳は発達途中であり、変わる可能性(=脳の可塑性)があるものです。よって、発達障害と診断された、発達障害もどきと思われるかも、と思っても前を向くことができる、と述べています。
まず重要なのが、脳が発達する順番は、以下の3つのステップであるということです。
そして、「育つ順番は1→2→3である」こと、ここが重要であると強調しています。そして、「1、からだの脳」をまずは育てることが、発達障害もどきの症状を改善するきっかけになると述べます。
脳を作り直す方法
では、具体的に「1、からだの脳」を作り直すためには何が最も重要なのでしょうか。それは『生活の改善』です。
生活の改善に欠かせない3つのポイントとして、以下の3つが紹介されています、
これにより、「からだの脳の立て直しができ、脳のバランスが整う」「セロトニン神経(幸せホルモンと呼ばれ、情動の制御、記憶・認知など様々なプラスの影響がある)を育てる」「睡眠が安定する」という効果があると述べます。
まとめと感想
本書の中で、「発達障害もどき」と診断されている多くの子どもが、「大人の生活リズムに合わせてしまっているケース」が多いことに驚きと反省の念を覚えました。
大人でも眠たいと頭が働きませんが、子どもならばなおさらのことです。
そして、子どもはより多くの睡眠を必要とします。
しかし、親が夜遅くに帰ってくる、仕事が遅いなどで子どもが興奮すると、夜寝る時間が遅くなる。あるいは、それにより親も起きる時間が遅いと、子どもも遅くなる。よって、まずは「親が規則正しい生活をすること(7時には起きること)」が提案されていたことも、納得でした。
まずは、からだを整える。
そのことの大切さを、考えさせられた一冊でした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!