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そもそもカントリーミュージックとはなんぞやという話

地元の友人にnoteを始めてカントリーミュージックについて書いていると話したところ、

「したっけさぁ、カントリーミュージックったら、なんだベぇ?」と質問された。

私は、その質問に対しすぐに解答できずにうろたえた。そういえば、こうして毎日のようにカントリーミュージックについて書いているけれど、カントリーミュージックの定義って何なんだろう?定義以前に、カントリーミュージックって簡単に説明すると、どういう音楽のことなんだろう?

カントリーミュージックと言ったって、Jimmie RodgersやHank Williams、Ernest TubbやらPatsy Cline、近年に至ってはLeAnn RimesからBrad Paisley、その他色々なミュージシャンがカントリーミュージックと呼ばれている。
上記の名前は一人もわからん、という方々も多いと思うので邦楽やJ-Popに例えると、東海林太郎、大橋節夫、淡谷のり子、加山雄三、さだまさし、テレサテン、欧陽菲菲、堀内孝雄から氷川きよし、松田聖子、光GENJI、あと最近の方はわからないけれど、そういった幅広い音楽がカントリーミュージックと呼ばれているようなものだと思う。我ながら、もっと分かりづらくなってしまった喩えだった。

けれども、本当にそのぐらいヴァリエーションに富んでいるのがカントリーミュージックだ。

よく、「カントリーミュージックって、要するにアメリカの演歌でしょ?」と言われることがあるのだが、どうもそれもしっくりこない。演歌って、アジア圏ではかなりどこにでもある音楽で、あの独特の世界観がある。けれどもカントリーミュージックは演歌の世界観ともちょっと違っている気もするのだ。

アメリカで、演歌に近い音楽といえば、無理にひねり出すとブルースとかリズムアンドブルース(最近の呼び方でいうとR&Bね)が近い気もする。近い気もするが、それもあんまり納得いっていない。

まず、ブルースは黒人音楽だ、という方もいらっしゃるかと思うのだが、確かにそういう一面もあるので否定はしないが、優れたブルースミュージシャンは黒人に限ったわけでもないし、アメリカ人に限った話でもない。日本人にもジャンプブルースの名人の吾妻光良さんや、巨匠木村充揮さんもいらっしゃる。エリック・クラプトンは色々な音楽をやっていながら根はブルースミュージシャンだと思っている(少なくとも私は)、彼はイギリス人だ。

ブルースが人種・国籍にとらわれずに世界の音楽になっている今日、カントリーミュージックはどうなのだろう?やっぱりアメリカだけの音楽、白人だけの音楽なのだろうか?

先日紹介させていただいた偉大なるカントリーギタリストのJerry Donahueや、Albert Leeはイギリス人であるし、日本国内にも優れたカントリーミュージシャンは多いのだが、それは例外的なことでやっぱりアメリカの白人がやっている音楽というのが大まかなくくりなのだろうか。音楽を国籍・人種で分けるのはあまり好きではないが。(だって、カントリーのミュージシャンにはネイティブ・アメリカン系、アフリカン・アメリカン系の方だって多いのだから)

やはり、人種・国籍でカントリーミュージックをくくるのには少し無理がある。邦楽(J-Popと呼ばれる音楽も)だって国籍でくくるのはそもそも意味のないことなのだから。

それでは、何なのか?

先日、ペダル・スティールギターがバンドに加わると一気にカントリーミュージックの雰囲気が出るという話を書いたが、やはりその辺りなのだろうか。

例えば、広義のカントリーミュージックの一つであるブルーグラス(いや〜こう書いてしまうとブルーグラスの人に怒られるな)はバンジョー、フラット・マンドリン、フィドル、ギター、ドブロ、ウッドベースによって演奏されることによってアイデンティティを保っている。
もちろん上記の中から2〜3個の楽器が抜けても(極端な話バンジョーだけでも)ブルーグラスはブルーグラスなのだが、上記の楽器が加わると、一気にブルーグラスの雰囲気が出てくる。

それと同じように、カントリーミュージックはクリーントーンでペケペケしたギターと、ペダルスティールギター、時々フィドル、ハーモニカが加わればカントリーミュージックのテイストになるのだ。

しかし、カントリーミュージックの1ジャンルであるTex-Mexミュージック(いやー、これもファンの方々に怒られるなぁ、シティーポップをJ-Popに分類しているみたいなもんだからな)ではペダルスティールは使われないことも多い。
ジョン・デンバーのバンドにはペダルスティールギターがいたかしら?

行き詰まってしまった。

もうこの際、ジーパン履いて、テンガロンハットかぶっていたら、カントリーミュージックに認定してしまうというのはどうだろう?
世間の方がぴんと来るカントリーミュージックのイメージに一番近いのがジーパン、テンガロンハット、ウェスタンブーツにギターのスタイルだ。これも、100%アタリでは無いけれど、カントリーミュージックが好きで、テンガロンハットは嫌い、という人はそんなに多くは無い気がする。

音楽の定義っていうのは必要十分条件で定義できるようなものではなくて、もっとふわふわとして、ぬるぬるとしたとらえどころがないものなので仕方ない。極端な話、レコード会社がカントリーミュージックの取り扱いでリリースしたら福山雅治だってカントリーミュージック扱いになるのだ。だから、その辺は日本の演歌とも共通しているのだけれど。

もう収拾がつかなそうなので、とりあえず、このnoteの場で私がカントリーミュージックと呼んでいるものは、私という音楽ファンが「これはカントリーミュージックだなぁ」と思ったもの全てです!カントリーの香りがする音楽は、Pocoもイーグルスもカーペンターズもビートルズも容赦無くカントリーミュージック扱いで語ります!

その中から、ひょっとしてカントリーミュージックの全容が明らかになってくるかもしれないので、お付き合いいただければ幸いです。

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