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メタ認知と発達障害

メタ認知って難しくないですか。自分が何を認知しているかに気づいている状態をメタ認知と呼ぶそうです。
この言葉は昔から知っていましたが、どうも自分の認識を客観的に見るって、すごい大変だなと思います。
私が20代の時に、はじめて知った時、「鳥の視点で空から見るように自分を観察するんだ」みたいな説明が印象的でした。早速やってみようと思いまして、歩いているとき、家で掃除しているとき等、自分は今歩いているんだ、掃除をしているんだと気づいていくようにしました。
しかし、長続きはしないですね。なんか、考え事の方が楽しかったり、メタ的に自分を見ても何も楽しくない。ADHDの私は、外の世界に意識を向けるのが得意ではなく、全然、長続きしないんです。

でも、最近は、徐々に慣れてきた気がします。これは、年齢もあると思うんです。内側の本能的な欲求が衰えてきて、自分を突き動かすエネルギーが減ってきたので、自分を客観視しやすくなりました。

ただし、年齢に依らずとも、段階的に訓練すればいいのだと思います。いきなり、全ての自分の行為を認知しようとすると大変で、辛いです。ですから手始めに、自分の気持ちの観察から始めるのがいいと思うんですよね。自分の気持ちや思考を紙に書いてみる。毎日の日記とか、なんか嫌なことがあったり、嬉しかったり、心が動いた時に、それをメモして何で心が動いたかも書いてみる。そうすると、自分の感情の変化に敏感になれますし、感情から湧き上がる思考・妄想にも気づけるようになる。そんな感じで、少しずつ自分に気づく訓練をしておくと、人とのコミュニケーションの最中にも自分の心が変化していることに、話しながら気づけるようになってくる。そうすると、思考が外に向きやすくなりますね。
精神分析の祖であるフロイトのお弟子さんで、精神分析家のテオドール・ライクという人がいたようですが、その人は「第三の耳で聞く」という著書の中で、患者への治療中、自分の個人的な内面の問題が邪魔をしないようにと、自分の心が感じた数千もの微細な影響を記録に残し、自分の情緒のメタ化に努めたようです。
特に、発達障害傾向の人にとっては、このメタ認知の訓練はとても有効に働くと思います。すぐに出来なくとも徐々に自分について気づいていけるように、日々邁進したいと思います。

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