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二十歳前後の失恋について

映画『花束みたいな恋をした』

公開後すぐに女友達と二人、劇場で鑑賞しました。
リアルすぎて恋人と一緒に観ると別れる
みたいな前評判を聞いていたので
壮絶な大恋愛とその終わり、みたいな
悲しい恋のお話なのかなと思っていましたが
観終わった後には

あぁ、なるほどな。
これはカップルの前向きな別れを
後押ししてしまう作品だなぁ。

と、当初の想像とは違った角度の感想でした。

また同時に、二十歳前後の恋愛の終わりって、
なんであんなに、この世の終わりかってくらい
辛くて悲しかったんだろうと思い出し、
麦くん絹ちゃんの恋愛と、
自分の過去の”大恋愛”とを重ねました。

大学4年、21歳の秋、
2年半付き合った彼との別れを経験しました。
大好きだったけど、
2年半でお互いに成長し身に着けた価値観が
もうどうしても噛み合わなくなってきて、
一緒にいられなくなって、
別々になることを決めました。

21歳の私にとって、2年半は相当長い時間で
彼の両親も大好きで、
この人と家族になるんだろうなと
純粋に、本気で思っていました。
こんなに長い時間を過ごした相手を失った時、
もう二度とこんなに人を好きになることはできない
こんなに私を好きでいてくれる人は現れない。
そんな絶望的な気持ちになっていました。

だけど、ここからが人間のおかしくて愛おしい所。
結局、また恋をするのが人間なんです。
私もちゃんと別の人を好きになれたし、
好きになってくれる人もいてくれたんです。
劇中の麦くんと絹ちゃんの隣にも、
数年後には別の人がちゃんと居てくれましたしね。

二十歳前後の女の子は、2,3年もあれば
価値観はどんどん変わるし
容姿もどんどん綺麗になっていきます。
そんな、人生における最も貴重で重要な時期に
一生分の感情を使って本気で恋をするんだから
1つのありふれた恋でも、
人生最大の大恋愛であり
そして最悪の失恋だと考えるのが
当然かもしれません。

自分が変われば見える景色もみるみる変わって
隣に変わらずいてくれる彼のことが大好きなのに、
この人とはもういられないと悟ってしまう。

数年経って、
この自分なりの"大恋愛"を思い返した時
若かったなぁ、あの頃も楽しかったなぁと、
過去の自分を愛おしく感じ
ちゃんと新しい幸せに向かって
歩き出せているものです。

20代半ばに差し掛かる今の私の悩みは、
あのころと比べてやっかいなことに
かなり価値観が形成されてしまったが故に
恋愛においても理性的な選択ばかりしてしまうこと。

あの頃のような”大恋愛”には
まだまだ巡り合えそうにありません…




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