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デザインを学ぶ

転職先は正反対の会社

転職先は第二次通信事業者で、今は移転したそうですが、当時は明治通り沿いにありました。最寄り駅は明治神宮前。この場所に惹かれたことも転職先に選んだ理由の一つでした。

仕事終わりにちょっと買い物に行くのも楽しい。お昼はお弁当を作っていく事が多かったのですが、たまの外食もオサレ。何より美容院がどこも上手!私の女子力はこの時がピークでした(笑)
ハイファッションブランドやラフォーレやキディランドを覗くのも、デザインセンスの勉強になりました。

仕事の方はマーケティング部門のデザインチームに配属され、インハウスデザイナーとしてHPコンテンツやサービスカタログを制作しました。一社目ではやらなかった印刷物についての知識やスキルを学びつつ、当時はFlashが出始めた頃で、通信の原理を分かりやすくアニメーションで説明するのに重宝しました。
歴史ある会社でご年配のお偉いおじさま達も多く、女性社員はパンツ禁止。会議ではお茶くみ。一社目のゲーム会社とは正反対の環境でしたが、社会人としての研修も受けられてラッキーでした。

何よりも転職して良かったのは、デザインディレクターの上司に出会えたことです。
外資系化粧品メーカーから来たと言う上司は、デザイナーには多いのかもしれませんが口下手で、「ここをもっとザーッと」「バシッとこんな風に」等、アバウトな物言いでしたが、作る物は間違いなく相手の要求に応えるもので、社長も一目置いていました。
日産のTVCMにデザイナーの中村さんが出演されていた頃。会社としてもデザインチームに力を入れていた頃だったと思います。
ゲーム会社ではツールの使い方を体に叩き込みましたが、いわばオペレーター止まり。この方にデザインの何たるかを教えて頂きました。

デザインとは何かが分かった瞬間

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あるとき「食器棚に食器がキレイにしまわれているでしょう。そこに一枚お皿を足すとしたら、空いているところに置くんじゃなくて、全体のレイアウトを考え直すのがデザインなんだよ。」と上司が話すのを聞いて、急に「そういう事か!」と腑に落ちました。
私自身がデザインを理解できるタイミングでこの言葉があったので、ほかにもっと話してくださっていたのだと思います。
フリーになって15年経っても覚えているのはこの食器棚の例えです。

デザイン事務所や制作会社に勤めた経験もない私がフリーでやって行けているのは、この恩師のお陰です。Flashが廃れてCSSやWPの出現、技術が新しくなっていっても、お客様の要求を理解して応えるものを作るデザイン力をこの時期に養えたからだと感謝しています。

その後結婚し、出産を機に退職するのですが、とても恵まれた幸せな期間でした。

続く予定!

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