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63. ウクライナ情勢から学ぶメディアとの向き合い方


今、ウクライナでは悲惨な状況が続いている。

世界中で多くの人がこの問題に関心を持っており、ロシアのプーチン政権を非難する声が相次いでいる。

戦争を始めた国、武力行使をした国、ウクライナの罪のない民間人を巻き込んで死者を多数出している国。

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全て事実である。

この状況は非難せざるを得ない。

もちろん、私自身も戦争も武力行使も大反対であり、これらの行動は断じて許すことのできない行動であると思っている。



しかし、周りを見ていると、この状況で短絡的に、反射的に、それらの行動を批判しており、本質的な会話に至っていないことが多いように感じる。


それらの反射的な言動はメディアの情報操作の一面のみを盲目的に信じ込んでしまっているところからきているように思う。


先日、ウクライナ情勢について書かれているインスタのアカウントを見た。それはロシアの取っている残虐な行動を羅列しており、終始、ロシアへのヘイトを煽るような書き方をしていた。


もちろん、いま世界で起こっている事実を伝えることが間違えているわけではないが、片側の意見だけを聞き、その情報だけをもとに過激な非難をすることは危険であると感じた。





メディアとの向き合い方について考えさせられる一つの事件がある。


2018年、滋賀県で31歳の看護師が母親を惨殺をした事件があった。

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しかし、この事件は娘を医者にしたいという母親からのは何十年にもわたる行き過ぎたスパルタ教育に耐えられなくなった娘が精神的苦痛から過ちを犯してしまった殺人事件であった。


幼少期から母親が決めた特定の国立の医学部にいれるために、朝から夜まで常に監視をされ、常に勉強をさせ続けられる日々。

しかし、娘は医者になることに対して強いモチベーションがなかった。

そのようなモチベーションで国立大学医学部を受かるわけもなく、地獄の浪人生活が始まる。

20歳を超えても、携帯電話を持つことも許されず、入浴中まで監視され、耐えきれなくなって家出をしたが、探偵を雇って家に連れ戻された。

そんな地獄のような浪人生活がなんと9年間も続き、ようやくあきらめた母親は将来助産師になるという誓約書を書かされ、看護学校に進学。

娘は大学在学中も母の管理下に置かれ、30歳の時にスマホを隠し持っていたことが発覚した際には、破壊され、土下座までさせられた。

そして、娘が助産師学校の試験に落ちた際に、大声で一晩中罵声を浴びせられ続けたことに精神的にも体力的にも我慢の限界を迎え、母親を惨殺した。

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もちろん、殺人という行動が許されるわけではない。

しかし、この事件を詳細を知らない第三者が「母親を殺した出来損ないの娘」としてその最終的に起こした「殺人」という行動だけを切り取って、激しく非難をするのはあまりに短絡的すぎるのではないだろうか。





今、ロシアが軍事侵攻を行っている。

その一つの行動だけを見て短絡的に、善悪を判断をしていないだろうか。


少し極端な例ではあるが、本質的には同じであると思う。



先日、今回のウクライナ侵攻に関する記事を「62. 今、ウクライナでは何が起こっているのか。」に書いた。

この記事はできる限り中立的な立場で事実を伝えられるように努めた。

しかし、この情報も私が調べた、正しいと信じる真実をもとに書いたものなので、本当の意味での真実であるかはわからない。

もしかしたら、意図せず偏っているかもしれないし、間違っているかもしれない。

だからこそ、全ての情報をそのまま鵜呑みにしてほしいとは思わず、懐疑的な姿勢でその情報と向き合ってほしい。




片側だけの意見を盲目的に信じ、反対側に攻撃的な態度を示すことは賢明ではない。

そして、反射的に相手側を非難したくなった時、一度立ち止まって、反対側の主張に耳を傾けてほしい。

その両側の意見を十分知ったうえで、どちらの意見を信じ、自分の中の価値観に当てはめ、何をサポートしていくのかを判断していくことがあるべき姿なのではないだろうか。




そして、今、日本は資本主義国であり、日本で得られる情報は資本主義陣営であるアメリカ側の視点での報道が多いことに注意する必要がある。

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アメリカ側は自分たちの都合の良いように情報操作をしていないだろうか。

その情報に踊らされて思うように洗脳されていないだろうか。

我々はメディアが扱う情報が自分たちに都合のいいように伝えようとしてるかもしれないという懐疑的な目で情報と向き合えているだろうか。



この状況であえて両側の主張を知る情報を集め、精査し、自分自身の意見を固めていってほしい。

その上でロシアの今の行動に対して非難をするのであれば、私は大賛成である。



私はロシアの軍事行動を否定する態度であるが、周りを見て少し危機感を持ったので、あえて、このような記事を書かせていただいた。


少しでも早く、ウクライナに安心できる日が戻ることを心から祈る。





















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