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65.共産主義と独裁

18世紀後半、産業革命が起こり、さまざまな場面で人々の生活が効率化された。

しかし、一方で資本家と労働者の間で大きな格差が生まれ、その劣悪な労働環境に不満を抱く労働者が後を絶たなかった。

そのような状況をどうにか解決する方法がないか、一人の哲学者が考えた結果、「全員が平等な社会を作るために国がすべてを管理する」といった考え方が生まれた。

これがマルクスが「資本論」という本で唱えた「共産主義」の考え方の始まりである。

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労働環境に不満を抱いていたロシア帝国の国民たちがこの考え方を支持し、ロシアの皇帝を処刑にし、新たにソビエト連邦という国が誕生した。

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そして、この始まりこそが、のちに資本主義陣営と共産主義陣営の対立を生むことになり、現在のロシアとウクライナの問題にまで尾を引くことになる。




共産主義国であるソビエト連邦が国家として成り立たなくなり崩壊したのは、有名な話である。


共産主義が成り立たなくなったその理由として多くの人が認知している理由は

「頑張っても頑張らなくても全員が平等で、頑張る必要がないと言う考えが労働者のモチベーションを下げ、国力が下がった」

という考え方である。


もちろんそれは大きな原因の一つであるが、それ以外にどのような問題点があるかご存じだろうか。


それは国のトップが、国民の生産や収益を管理するという最も重要な指示を出す指導者になるため、国のトップがあまりに大きすぎる責任と力を持ってしまうということである。


そして、国のトップは決めた目標を達成するために、政府のやり方に不平、不満をいうものは国家反逆者として取り締まられ、言論の自由が奪われてきたという背景がある。

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また、自分たちが政治を行いやすいルールをつくったりすることで、より自分たちの地位を確固たるものにしてきたため、独裁政権が生まれてしまうということが起こってきた。




これまでの共産主義の過ちを見ていこう。

ソ連のスターリンは70万人を死刑にし、60万人を収容所へおくった 。

(飢餓などを含めると合計の死者数は最低5000万人)

中国の毛沢東は500万人の処刑した。(飢餓などを含めると死者数は最低4500万人)

カンボジアのポルポトは国の3分の1を処刑したといわれている。



これらの共産主義国の過ちは、国のトップが力を持ったがゆえに、自分たちにとって都合の悪い国民を処刑してきたという歴史である。



近年、世界を騒がせている国のトップといえばだれが思い浮かぶだろうか。


プーチン、習近平、金正恩。


これらのリーダーを思い浮かべる人が多いだろう。


彼らは共通して共産主義国のリーダーである。(プーチンは元共産主義出身であり、その昔の政府の独裁体制を利用して国のトップに君臨し続けている。)


共産主義国家が独裁体制を作りやすいことがこのことからもイメージができるだろう。


そして、独裁政権は、言論の自由を往々にして奪ってきた。


共産主義国である北朝鮮は金一族の言論統制は厳しく、国民で密告する制度が整っていることは有名な話である。


中国共産党の一党独裁体制であり、言論統制を行っており、密告制度も整っていることもご存じだろうか。

ツイッターやFacebookなどのSNSもすべて禁止されており、中国のみで使えるSNSを使っている。

そして政府の反乱分子がいないか常に監視しており、見つかれば即逮捕になっている。


また、現在、ロシアでも大統領であるプーチンが自分の好きなように法律を作ることができるようになり、プーチンはメディアを買収して、自分に都合の良いようにコントロールしている。


それだけに留まらず、選挙直前には野党議員を不当に逮捕したりするなどして民主主義から逸脱した独裁体制を確固たるものにし、言論の自由を次第に奪っている。


実際にロシア国内で起こる反戦デモによる逮捕者が後を絶たない。


また、今回ウクライナ侵攻に関しても、誤った情報を流した場合、懲役15年となる法律が成立した。


これを誤った情報かどうか判断するのはプーチンであり、自分にとって不利な情報は虚偽の情報として扱い、不当な逮捕をする可能性が非常に高い。





共産主義という全員が平等でハッピーな世の中を作るという考え方自体は非常に魅力的である。

しかし、その理想を実現することは非常に難しい。

また、その響きの良さを利用して、独裁政治体制を作り、言論統制をしてきたという歴史がある。


現在の中国を見ていると、貧富の差が広がっている様子を見ると本当に共産主義を目指しているわけではないのは明白だろう。


共産主義的思想を目指すのではなく、共産主義という名前を借りることで独裁体制を正当化しているように私は思う。


中国のみならず、共産主義で独裁体制を敷いている国に対しては例外なく私はそう感じる。






今、ウクライナ国民が国を守るために国民が心を一つにして戦っている。

彼らはなぜ、大切な命を懸けてまで祖国を守ろうとしているのか。

様々な要因が考えられるが、そのうちの大きな理由の一つが共産主義、独裁からの解放であり、表現の自由や民主主義を守ろうとしているのではないだろうか。




共産主義と資本主義。


これらの対立はまだまだ続きそうだ。








専門知識のない国のトップが課す、モチベーションの上がらない中での無理のある目標設定と、大規模な粛清。

これらにより、全員が平等なパラダイスのような国を作るといった理想が地獄と化した。





資本主義と共産主義。


資本主義とは自由競争の中で国力を上げていこうという考え方で、共産主義とは

近年、世界を頻繁ににぎわせている国のトップを聞かれたときに誰を想像するだろうか。


私がイメージするのはプーチン、習近平、金正恩である。

これらの三人には共通点がある。

それは共産主義国



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