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「パッドマン 5億人の女性を救った男」〜私が体験したインドの○○事情〜

友人からDVDを借りたものの、テーマが重そうなため1年半放置していました。先日、やっと見たところ、私の中でのベストオブインド映画となりました!

この映画のテーマは、インドではタブー視されている「インド女性の生理事情」について。実話に基づいたストーリーです。

主人公を演じるのは、インドの国民的人気俳優(男優)のアクシャイ・クマール

生理に悩む愛する妻のため、周囲から変人扱いされ村から追放されても諦めず、安価で清潔なナプキンを開発し、結果、ナプキン使用率が1割程だったインド女性社会に大きく貢献します。

主人公の男性が、品質改良のため実際に生理を体験してみる…というシーンには、国民的スターの潔い演技に度肝を抜かれました!
また、フィナーレの国連でのスピーチは圧巻です。

この映画がきっかけとなり、私がインドで体験した赤裸々体験について書いてみる気になり、エピソードをまとめてみました。

薬局の端に追いやられた、女子の必需品


近所のマーケットにある薬局へ、はじめて生理用品を買いに行った時のこと。
店内を見回すも、どこに置いてあるか全くわからず、仕方なく店員(男性)に聞いてみると、無言で、店の端っこの床を指されました。愛想悪いぞ(怒)

どこどこ??と、思い視線を下げたところ、しゃがまなければ分からないくらいの低い棚に、ナプキン達が無造作に置かれているじゃありませんか。

種類は、昼用、夜用、とそろっているものの、薄かったり分厚かったり。これはいつの時代のものだろう?と思うくらい、クオリティはどれもいまいち。
しばらく使ってみましたが、不安要素が多く、結局、日本の母にお願いし、大量に送ってもらうことにしました。

赤ちゃんのオムツは目立つところに置いてあるのに、生理用品はひっそりと置かれている光景。
携帯電話はどんどん改良されているのに、今だロークオリティの生理用品。

このギャップにとても違和感を感じました。

レジ後ろの棚にある、あれがほしい


タンポンが欲しい。。。と思い、近所の薬局に駆け込んだときのことです。
隅までみても、らしきものはありません。
仕方ない、店員(男性)に聞いてみるか〜と思い、「タンポンがほしいと」言ってみましたが伝わりません。
英語では何と言うんだっけ?
えっと、「sanitary stick for lady」 と、ジェスチャー付きで説明すると、あーこれね〜と、店のおやじが笑ってレジ後ろの棚から取り出してくれました。

さすがに、この時はジェスチャーまでした自分に恥ずかしくなり、受け取ってさっさと店を後にしました。

日本でも、男性店員に声かけるのは遠慮してしまうのに、インドの薬局はほとんどの店員が男性。せめて、声かけなくていいように、わかりやすいところに置いておいて欲しいものです。

インド女子にサンプルを渡すも…


衛生用品を製造する日系企業より、新商品のナプキンを大量に頂きました。
会社の同僚インド人女子にも配ろうと思い、10個セットのパッケージを一つずつ紙袋で包装して会社へ持って行きました。
日本のものとほぼ同じクオリティのため、これは喜ばれるに違いない!

翌日、「新商品のsanitary padもらったから、よかったら使ってみて!」と、一人一人に手渡しで配りにいったところ、
「必要なときに、声をかけるから今は要らない」と、恥ずかしがって誰も受け取ってくれません。

お手洗いに置いておくスペースもなかったので、
とりあえず女性スタッフへ一斉メールで、
「私のデスクの下の引き出しに置いておくので、必要だったら勝手に取って使ってください」と、伝えておきました。

そうすると、「padもらってもいい?」と、
その後、度々内線がかかってくるようになり、
私のデスク引き出しは、女子達のちょっとした救急箱的な存在となったのでした。

インド人、特に中高年は新しいものには慎重なところがあります。

食事に関して言えば、宗教上何が使われているか分からないようなファーストフードや、お土産は、口にするのが怖いという理由で、好まれないケースもあります。

そして、衛生用品、特に生理用品については、母が使っていたものを娘へ勧める、、、という習慣があり、新製品はなかなか受け入れられないそうです。

空港で見知らぬインド女子に助けられた


田舎に旅行へ行くと、周りにはスーパーや薬局もなく、いざという時、買いたくても買えない危機的状況に陥ります。
さすがに、空港であれば売っているだろうと思っても、なかったり。。。


一泊2日の旅行中、その突然の事態が最終日に訪れました。

幸いにも旅の常備品で2−3個はナプキンを所持していたので、
家路までなんとかもって〜と思いながら、空港内を歩いていました。

すると、インド人女子二人組に肩を叩かれ、「すみません、ちょっといいですか?」と、端の方に連れて行かれます。

何事か!!と思ったところ、

「これ使ってください」と、かわいい紙に包まれたナプキンを手渡されました。

そして、私のワンピースの後ろを指さすので、見てみると、
赤い染みが、、、(泣)
持っていたストールを腰にぐるぐる巻いて、なんとか家までたどりつきました。

彼女達の助けがなければ、飛行機の中でとんでもない事態になっていたでしょう。
本当に救われました。
見知らぬ外国人に声をかけずらかっただろうに。。。
有り難くて泣けます。




この映画が公開されて早2年。
インドの女性達が、健康的に生理ライフを過ごしていることを心から願います。

物語は前半はスローリーな展開ですが、中盤以降はさくさくと話が進みますので、興味がある方はぜひ見てください♪

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