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"Good Night Out" - The Futureheads; 夏の夜の楽しいお出掛け【和訳】

イギリスのインディーズロックバンド・The Futureheadsを聴いている。
10年以上前に、ワーナーミュージックのイベントでたまたま知ったバンドだ。

イングランド北部サンダーランド出身の4人組。
フロントマンはギターヴォーカルのバリー・ハイド。
その他のメンバーは、ギターのロス・ミラード。
ベーシストはジャフ・クレイグ。
ドラマーのデイヴ・ハイドはバリーの実弟だ。

アルバムは取り敢えず揃えているが、どっぷりハマるわけではなく、気に入った曲を思い出したときに聴いている。

過去に来日したこともあったので、実はライブも行ったことがある。残念ながら記憶がほぼないのだが。(mixi掘り返せば何か書いているかも)


ジャンルとしては、ポストパンク・オルタナ・ニューウェーブあたりと言われている。
シンプルな構成のギターロックが多いが、特徴的なコーラスワークも耳に残って離れない。このコーラスこそがこのバンドの最大の個性と言ってもいいかもしれない。2012年には全曲アカペラのアルバムを出しているくらい、彼らは声のハーモニーにこだわっているようだ。

初期の音は割とシンプルでストレートだが、近年はプログレ感も強く出てきた。変拍子や不協和音がこれまた耳に残る要素になっている。


さて、今回は、2019年7月にリリースされた彼らのアルバム『Powers』から「Good Night Out」を。
このアルバムにはポストパンクやプログレ特有の不穏な響きの曲も多いが、この曲は明るく楽しい雰囲気。タイトルが「楽しい夜のお出掛け」だし。夜の散歩中に聴きたい感じだ。
MVは真夏の明るいビーチや色鮮やかな食べ物の映像で心が踊る。

……と見せかけて、ただ楽しいお出かけの曲というわけでもない。
歌詞の解釈は思っていた以上に難解だった。
労働者の目線であったり、イギリスのEU離脱といった社会的・政治的問題に関心を寄せた歌詞になっている。

※解釈が難しかったので、こちらのレビューサイトを参考にさせていただいた。


彼らの曲は、何らかの現実的な問題に言及したものが多いように感じる。
しかし熱く主張するわけでもなければ、真面目で固すぎるわけでもない。だからと言っておちょくるわけでもない。
そのあたりの上手なバランス感覚が、彼らの音楽の気持ちよさに繋がっていると、個人的には思う。

まぁでもそんな難しいことは考えずに、聴いていて楽しい曲には違いないので。肩の力を抜いて、夜風に吹かれながら散歩のおともに聴きたいと思う。


ちなみにThe Futureheadsのメインヴォーカルはバリー・ハイドだが、この曲はバッキングヴォーカルのロス・ミラードがメインを取っている。
各アルバムに1曲くらい、ロスがメインの曲がある。個人的に低く安定したロスの声がだいぶ好みなので、ロスヴォーカルの曲はお気に入りだったりする。

Good Night Out

Summertime's for everyone, you came here to enjoy
Getting the people on the streets, even the old boys
Dogs in the back lane making fun with someone they like
I'm three floors up and I can hear them over the riverside

夏はみんなのもの 君も楽しみにしてやってきた
通りには人々が集う お年寄りさえも
裏通りの犬たちは好きな人たちとじゃれあっている
僕は4階にいて 川の向こうからそれを聞いている

I can see what you're trying to do
Asking who's not in the room
At the end of the day
It depends on the pay

君が何をしようとしているのかわかるよ
誰が部屋にいないか尋ねるんだろう
結局のところ
給料次第だね

You'd swap it all in a second for a good night out
Oh-oh-oh, oh-oh-oh-oh
Oh-oh-oh-oh-oh, oh-oh-oh-oh
Talk to the river at the end of a good night out
Oh-oh-oh, oh-oh-oh-oh
Oh-oh-oh-oh-oh, oh-oh-oh-oh

君はすぐにすべてを楽しい夜の外出と交換するだろう
楽しい夜の外出の終わりには川に向かって話しかけて

I need someone I can recognize, I want to see your face
Two boys looking like zombies sitting in my parking space
Caught in the middle of a dream, in the middle of a daring act
Caught selling off our history in a black-market pact

認識できる人が必要だ 君の顔が見たい
僕の駐車スペースに座っているゾンビみたいな2人の少年
夢の中で 大胆な行動の最中で 捕えられた
闇市場協定で僕らの歴史を売り飛ばして捕まったんだ

I can see what you're trying to do
Asking who's not in the room
At the end of the day
It depends on the pay

君が何をしようとしているのかわかるよ
誰が部屋にいないか尋ねるんだろう
結局のところ
給料次第だね

You'd swap it all in a second for a good night out
Talk to the river at the end of a good night out

君はすぐにすべてを楽しい夜の外出と交換するだろう
楽しい夜の外出の終わりには川に向かって話しかけて

You said I want to be popular
I want to be relevant
I want to be politically engaged

君は僕が人気者になりたいんだろうと言ったけど
僕は関わりたいんだ
僕は政治に携わりたい

‘Cause you'd swap it all in a second for a good night out
Oh-oh-oh, oh-oh-oh-oh
Oh-oh-oh-oh-oh, oh-oh-oh-oh
You'd swap it all in a second for a good night out
Oh-oh-oh, oh-oh-oh-oh
Oh-oh-oh-oh-oh, oh-oh-oh-oh

だって君はすぐにすべてを楽しい夜の外出と交換するだろう

Talk to the river at the end of a good night out

楽しい夜の外出の終わりには川に向かって話しかけるんだ

© The Futureheads, 2019


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