Hatsune

名古屋在住のアラフィフです。

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最近の記事

キャベツ

ザク切りでも千切りでもない、「太め」に切ったキャベツが苦手だった。よく、給食の揚げ物に茹でて添えられていた。衛生面の配慮で火を通していたと後から聞いたが、口に近づけると独特のにおいが鼻に入ってきた。残せないので、顔をしかめながら噛んでいた。             生のままでも、中濃ではないウスターソースをかけたものは好きではなかった。ウスターソースでは、あのにおいがなぜか引き立つように感じられたのだ。ウスターソースは、アジフライには最高なのに。実家の常備はウスターソースだ

    • 柚子湯

      一日遅れの柚子湯であった。 柚子をくれた人は、「台所にずっと置いてあったから、香りが飛んじゃってるかもね」と笑っていたが、実際、鼻に近づけると乾いた植物のにおいがした。 ぽちゃん、ぽちゃんと湯船に入れる。     人並みに、柚子湯を。けれども不安になった。 実は柚子湯に限らず、風呂の楽しみ方がわからない。風呂や温泉につかってゆっくりするという感覚が、この年齢になってもつかめない。露天風呂でならまだ、体はあついが頭は涼しい状態を気持ち良いと感じられるけれど、室内にある風呂

      • 飲める人

        私は「結構飲める人」だと周囲に思われている。ボトルを空けるとか、ジョッキを何杯もおかわりするほどの「本当に飲める人」ではないけれど、外へ食事に出れば一杯目はビールかハイボールを注文するし、次に日本酒か、料理によってはグラスワインを飲み、酔いが回ってきたなあとか言いながら最後にカシスオレンジを手にしている。 瓶ビールをみんなで飲んでいるときも、すすめられたら無理強いでなければ断らずにグラスを差し出す。                   アルコールに強くはない。一杯目で顔が真っ

        • 冷やし中華

          子どものころ、夏、家のお昼に冷やし中華がよく出てきました。市場(いちば)で売っていたものです。簡素な透明パックに、ゆでた麺、細切りの薄焼き卵ときゅうり。小袋に入った、酢醤油のたれとマヨネーズ。 当時、市場はまだ、街のあちこちに残っていました。家からバスで10分ほど乗っていくと、スーパーや映画館や飲食店の集まった賑やかな地域があり、その一角にあった市場に、冷やし中華を売る店はありました。 市場は、表通りから少し西に入った2階建ての建物の1階でした。建物の2階は成人映画を上映

        キャベツ

          東京の地下鉄のホームにて

          出張に行ったときのことです。 電車を降りて改札口に向かって歩いていたら、笑顔で手を振る若い女性が。 私に手を振ってるの?知り合いだっけ?どこで会った?焦りを微笑で隠して会釈。誰? 女性の傍らにはキャリーバッグ。親しげに話しかけてきました。もう、次の電車の案内が流れてきます。 「この電車は、羽田空港に行きますか?」 彼女、まるで知り合いを偶然見つけたかのような表情だと、私には見えたのですが。 世の中には「道きかれ顔」があると、新聞のコラムで読んだことがあります。

          東京の地下鉄のホームにて

          はじめまして

          こんにちは。Hatsuneです。 活字が好きで、始めてみたいと思いました。 よろしくお願いします。

          はじめまして