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勝手書評:広告会社の人間が最近読んだマーケティングの書籍を紹介します。

コロナ禍で在宅勤務になり、読書に相当な時間を割くことが出来ています。普段であれば会社から帰ってくるもしくは、宴席から帰ってくるので所謂「自由時間」は23時以降になってしまい、翌日のパフォーマンスを考えると読書に時間を充てるのは厳しいです。そういった意味ではコロナで無理矢理生活を変えられて、時間のアロケーションを変更できたのは大変有難いことでした。

さて、最近読んだマーケティング関連の書籍をランダムで紹介していこうと思います。

※中には関係ないのもありますが、ご容赦ください。

※楽しそうな書籍のところだけ見てもらうでいいかと思います。

「PR思考」

「データドリブン・マーケティング」

「アイデアの発見」

「Google流 資料作成術」

「マーケティングプロフェッショナルの視点」

「フリーランスになっちゃいましたが、税金で損しない方法を教えてください」

「ハック思考」

「戦略コンサルティングファームの面接試験」

「ヒットの法則」

「顧客視点マーケティング」


それでは順に解説していこうと思います。

電通の子会社である電通PRの方が書いた書籍になります。カンタンにPRに関するtipsがまとめられており、初級~中級にぴったりのイメージです。また総合広告会社の人間でもすこしPRから遠い職種にいるような方は、ぜひ一読する価値はあるかと思います。1冊読んでいるのと、読んでいないのでは差がありますし、「あぁ、その話ならあの本に書いてありそうだな…」と思えるかどうかで現場のトークは変わってくると思います。実際の過去事例や、「情報の流通経路」の整理、PRリリースに書くような最低限の知識など幅広く扱っています。1600円程度でセミナー2時間分くらいのパフォーマンスはあります。


次は一時期ものすごいはやりましたが、以下です。

アマゾン社員の教科書という帯はマーケターには気になりますね。

意思決定をデータを基に行うというのが基本線ですが、NPV(現在価値)の話やIRR(内部収益率)、投資回収の話もあってマーケ×経営の近くでお仕事をしている方は納得のある説明が理解できるかと思います。

「アイデアの発見」に関しては、広告表現によった本です。電通出身で来パブの社長をやったり、黎明期のデジタルでCR制作したりしたキャリアをお持ちです。50選された各国の事例が挙げられているのですが、その視点の柔らかさ、鋭さ、そして巧みな文章やベースにある知性は、現代のアドマンからは想像できないほどの「文化人」たるものを感じます。必読です。


基本的には「マッキンゼー流」「IBMの…」「元電通マンが…」的な本は怪しいものばかりですが、こちらは有意義な書籍です。2000円少し払ってGoogleのトッププレゼンテーションスキルが学べます。しかも資料作成(主にグラフ)の作成手順も記載してあるので、リアルに「明日から」使えるものです。不要な情報を削いで、伝えたい情報をコントロールしていくのは、コロナ禍で物理的な距離が遠いコミュニケーションにおいては非常に重要なスキルになっていきそうです。


一大ブームを起こしたカスタマージャーニーから、次は「パーセプションフローモデル」の到来です。19年には本当によく話を聞きまして、大きめのピッチ(代理店競合)にはこの考え方が採用されているケースが多くあったような気がします。このモデルに則って提案してくださいね!というもので、そもそも理解していないとスタートにも立てない…という状況でした。それなりの企業が導入しているモデルでもあるので、マーケターとして理解しておいて損はないかなと思います。図だけ見るとすごいカンタンそうに見えますが、実際に自社の商品や、担当している商材のパーセプションフローを図示していこうと思うと結構躓きました。ぜひお試しください。


特にフリーランスでもないんですけど…と思われるかと思いますが、そんな心配は不要です。敏腕税理士の先生がフリーランスになった方をサポートしていくというストーリーですが、背景には日本の複雑な税制の解説があります。むしろサラリーマンで税を意識するのは年末調整くらいですが、良識のある社会人であれば、どこかに「税に対する知識不足」への後ろめたさは抱えていると思います。ぜひ、時間のある今、出費であり、自国の富の再配分に目を向けてみてはいかがでしょうか。


Twitter上で軽くバズっていたので、読んでみました。「ハック思考」とは「人とは異なる視点で法則性を見つけ」「そのシステムを構成する隙間に介入していく」考え方。うーん、わかりませんね。ただ本を読み進めていくとさすが元リクルートのトップセールスであり、カイゼンプラットフォームのファウンダーだけあるので、実際の事例をベースに丁寧に解説してくれています。読んで思ったのは広告会社のインターンや就職面接で問われるような課題、そしてその課題へのアプローチだなと思いました。実装できる能力がagencyにはやや乏しいですが、基本線は同じことかなと。


ちょっと毛色が違いますが、戦コンの面接にいかに通るかという「傾向と対策」的な本です。その世界では「バイブル」のようです。戦略コンサルの人ともお仕事する機会が増えてきている昨今ですが、彼らの考え方の根本にあるものを捉えるというようなマーケターとして重要なのかなと思いました。特に難しいことを考えているわけではなく、彼らの世界にある「定石」を実は尤もらしく説いているのだなということが、この本で理解できます。あと試験問題を普通に解いていくと「頭の体操」にちょうどいいです笑


少し前の本になりますが名著です。音楽界のヒットチャートを分析し、社会情勢や各アーティストの系譜から紐解いていく感じです。いわゆる業界のビジネスにおいて、その歴史を一つに、しかも丁寧にまとめてあるので、非常に読んでいて参考になります。あまり業界と関係のない人でも、だれもが知るヒットの裏側にある背景、理由、歴史がわかるのは興味深いかなと思います


PGマフィアと呼ばれる人たちがいますが、その中でも有名な一人なのではないかなと思います。スマニューの執行役員やら、ロート製薬、ロクシタンと華麗にキャリアップしている著者のマーケティング理論です。顧客ピラミッド、9セグマップ、N1分析という理論です。再現性があるという意味では理論があって一定のフォーマットがあることは非常に意味があると思いますが、内容的には理論優先というようなイメージを受けました。概念の話が多かったように思えますので、そういう話が好きな方は読んでいると面白いかもしれません。スマニューのDL数がリフトアップしていく様を時系列でまとめてあったりするので、そのあたりは興味深かったです。


以上、雑多でありますが最近読み漁った本のご紹介でした。時間は以前の日常よりもあるので、自分の中にナレッジを貯めていくにはいい時間ですね。

最後までありがとうございます。



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