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実技科目<イラストレーション課題2>

課題:「いまの”わたし”に至るまで」:これまでの自分について、振り返って、イラストレーションにする。描いた感想など、レポートを一緒に提出する。子供の頃からの、絵を描くこととのかかわりについて記録した。(画像は一枚目のみ)

以下、添付レポート。

今のわたしに至るまで

 美術を目指す、というような大きな目標はいつも無かったと思い返す。単に好きで手に取りやすかったことが「絵を描く」だった。それを教えてくれた、人生で出会った絵画の恩師たちのおかげで、なんとなく今の私まで続いているように感じたので、まず、3歳の頃から通った、初めての教室の中村先生とのことをまず第一のきっかけとして一枚目に描いた。とはいえ、中村先生をそんなに大きく描いたわけでもない。中村先生の教室で小学生の頃のある日の静物画のモチーフは「三時のおやつは文明堂」の白クマの大きな人形だった。これを描いたことは覚えているがどんなふうに描いたか忘れてしまったし、絵ももちろん残っていない。水彩だったがいつもは厳しい先生が、「うん、いいよー」と、朗らかに言ってくれたことが印象に残っていたので、それを白クマを描く自分を描くことによって再現できないかと考えてこのレイアウトにした。

一枚目の絵 

 高校に入ると、また怖い先生との出会いがあり、これはおそらく美術への決定的な方向づけになったので、その思い出を二枚目に描くことにした。私の通っていた高校を出て美大に行った山田先生は教育実習で戻って来たのだった。一般学科ではなく工業高校の産業デザイン学科に進んだ私はそこで先生にデッサンを習うことになる。クラスメイトの女の子が、「美大受験しようよ」と私に言い、「え、そんなこと出来るのか?」と驚いた。そのころはただ漫画が描きたかったし、漫画だけにのめり込んでいた。山田先生の鄙びたアトリエに通うことになったが、デッサンは苦しみだったので、その時の気持ちを漫画のコマにして描くことにした。そして、武蔵美の短大に通うことになった時によく歩いた玉川上水の緑道を歩いている情景と木々を擬人化してみることにした。グリーン系でまとめることにして、緑系のシールをコラージュ的に張ってみた。

 三枚目に何を描くかは迷ったが、今回は「わたし」について、だったため、これまでに自分を描くことはあまり無かったのだが自画像をもう一度描いてみることにした。とりあえず、「いまのわたし」である。似ているかどうかはよくわからない。小学生、高校、大学と描いて、ずいぶんとんでその何十年後の自分がいる。好きで溜めていた切り抜きやカードを貼ることにしたのは、今までに影響を受けた絵画、漫画、フランス語、旅の切符、愛鳥の影絵、などである。自画像はまず、水面を表現した青緑の中に描き、白い絵の具を散らしたのは、宇宙へとこれから還っていくようなイメージを出したかったのだが、成功したのかどうかはよくわからない。

 課題1の三枚と課題2の三枚を経て、全体を通した感想は、何かを表現するというのは自分の人生の記録作りなのだということである。通学生を経て通信で再度学ぶことになったのは以前から考えて予定していたことではなかった。しかし、どこかでずっとやり残したことがあるとは感じていたため、昨年から通信で学生になり、今回の課題を体験できたことはどこか身を正す感じがした。(本文1232字)

課題を終えて:評価はまずまずだった。気になっていたことがはっきりしたような気がしたのが、この課題を体験してみてよかったことだった。ただ、送る時に余白を残し、サイズを間違えてしまったので、一度返却された。余白をカットして、再度提出した。

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