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お友達と一緒に♪となり同士の区画で野菜づくり

写真左:石川さん 藤沢市在住 50代
写真右:坂本さん 小田原市在住 50代

人が再生する畑。仕事で疲れ切って畑に来たら、なぜか疲れが癒えた

石川さん:もともと畑をやってみたいとはずっと思っていて、家にもちょこっとした庭はあるんだけど、誰かに教わりたいと思っていました。コロナ禍一年目の時に、小島さんが取材されている新聞の記事を読んだんです。体験農園の話とか、農スクールの話とかですね。引きこもっていた人が農に関わることによって、生き返るじゃないけど再生していくようなお話を聞いた事が一番のきっかけです。

農スクールの方も興味があったんだけど、まずは自分で野菜を作ってみようと。それでコトモファームの見学に来た時に、ふと友人の姿が浮かんで。たまたま電話した時に、私一緒に畑をやってる気がするんだよねって言ったら、彼女はすごい興味があって、自分でもいろいろ調べてたところだって言うので。彼女の方が先に私ここでやるって言って。私は一日考えたんだけど、お隣同士区画が空いてたこともあって二人で一緒に始めたんです。

坂本さん:私は友人から薦められて、去年の6月に初めて来ました。当時仕事がすごく残業続きで週末も働いていて、本当に疲れ切っていた状態だったんですよ。それで初めて来たとき、小島さんがどういう趣旨で農園をやられているのかっていうのを聞いて。ジャガイモ、ピーマン、ナス、ミニトマト、バジルとか収穫がいっぱいあったんです。すごいなあって思って、それがきっかけですね。ストレス解消というか、疲れが癒えて、すごい元気になって帰って来たんです。

自然栽培で育てられているスイカ


畑を通じて引き出される自分の中の感性

石川さん:最初、有機農法の第5農園と自然農法の第3農園とですごい迷って。有機農法の方が実の成りがいいとか大きくなりやすいとか言われた時に、やっぱり欲が出てそっちがいいなって一瞬思ったんだけど。でも始めてみると刈敷きだけで循環させていくというのがものすごく良くて。草刈ってる時に無になれるのがすごくいいんです。
大袈裟かもしれないけど、大地に触れているときは、地球の命の循環を感じながら、その中に自分も溶け込んでいくような気持ちになりますね。アスファルトとコンクリートに囲まれて、スーパーで野菜を買う生活では絶対味わえなかったことだなって思います。疲れてきても、ここで元気を頂いて帰っていくみたいな。夏はさすがにへとへとなんですけど。

あとは季節の巡りの中で生きてるんだなっていうのを畑にいるとよりリアルに感じます。例えば今年の夏は去年と全然違うなって思うんですけど、新聞記事やニュースで地球温暖化がどうって言われるよりも遥かに肌で感じることが出来ました。一つトマトが取れるのにも、ここまで丹精込められているんだなって。一番びっくりしたのが、ズッキーニがスーパーでは普通に並んでいるけど、作ってみるとすごく繊細で、中々成らないんですよ。これ100円で売ってて申し訳ないなって思って、お百姓さん凄いなあって改めて思いました。ちっちゃい頃にご飯を一粒残すと、お百姓さんに申し訳ないんだから、罰が当たるよって育ててもらったのはこういうことだったのかって。そういう色々なありがたみですね。

本当はこうだったんだなって思いだしていくというか。人との関わりだったり、作物を育てたり大地や風を感じたりすることで、自分の中の自然を引き出してもらっているような感じがします。

坂本さん:単純なんですけど、土を踏むという事がまずすごく新鮮で。ふわふわするんですね。都会で育っていたから気付かなかった経験かなって。それにこんなに暑いのに、水やりもせずにちゃんと育ってるじゃないですか。刈敷きの威力はすごいなって、自然の力はすごいなって恐れ入りました。あとここで採れた野菜を料理するのが醍醐味ですね。美味しく頂いて、採れたものを実家に送ったり友達にあげたりとか。自分が丹精込めたものを食べてもらうのがいいなって思いますね。

このコロナ禍で在宅勤務で人とも会わない中で、畑に来出したら一週間に一回お友達とも会って、野外でぺちゃくちゃしゃべりながら作業できて。それが良かったのかなって思いますね。あと畑のご近所さんともお話ししたりとか、「これあげるよ」って野菜を頂いたりして。人の気持ちがありがたいというか、優しくなれるというか、じゃあ自分も他の人に何かしてあげたいなって思うようになりましたね。

とても丁寧に刈敷されています


民話「イワンの馬鹿」が由来の「イワン農園」として人の輪を広げる

石川さん:ちょっとずつ始まってるんですけど、身近な人にちょっと遊びにおいでよって言って、畑の中で繋がりを広げていきたいです。イワンの馬鹿から採って私たちはイワン農園って言ってるんですが、興味がある人には畑に来てもらって遊んでもらって、遊びながら畑仕事を体験してもらって。ちょっと興味はあるんだけど、中々敷居が高くて一人じゃ始められないなっていう人や、全然興味ないけど畑でご飯食べてみたいから行ってみる人とか、なんでもいいんですけどまずは来てもらって。何かのきっかけになって、それでゆくゆくは自分で借りちゃおうかなって。

何か抱えていて弱っている人とか、少しのきっかけでコトモファームに来てくれるようになって、私たちがいないときでも自由に遊んでくれたらいいですね。皆が気軽に自分で作ることを覚えられる、体験できる。自分の物は自分で作れるように私もなりたいし、それで十分ですよね。
そうやって土と作物に身近に触れてもらう事で、それぞれが畑の恵みを味わって、皆でシェアできたら良いかなって。大地と触れる豊かさや喜びってお金じゃ買えなくて、でも本当はすごく大事なもので。忙しい中でも、私たちなりにこの畑をそんな場所にできたらなって、いつも話してますね。

坂本さん:やっぱり今、日本の食料自給が四割とかずっと前から言われていて、前までは他人事のように思っていたけど、これって大事な事なんだなって思うようになって。みんなが自分で自分の食べるものを作れるような、興味を持って作物を育てていくという事が広がればいいなと思いますね。
畑では言葉を話すわけではないけど、どうしたら元気が出てくるのかなって作物と会話してるんです。ありのままで良いっていう自然の姿にすごく学びがあって。自分自身を見つめ直すことが出来るってことなんで。だからたくさんの人に来てもらって、それぞれ何かを気付いてもらいつつ、楽しみが増えていったらいいなと思います。

お一人しか来園できない時は、相手の区画まで手入れすることも有り、
お互いに協力して野菜づくりを楽しまれているそうです

(2022年7月23日)

体験農園コトモファームのHPはこちらからご覧になれます。

https://www.eto-na-en.com/cotomo-farm/

お問合せ先  TEL:070-6556-5300
      メール:cotomofarm@eto-na-en.com

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