〜ので」と「〜で」の使い分け
今週からコトハジメ編集部に新しいメンバーが加わりました。みなさま、どうぞ宜しくお願いします!さてさて、記念すべき第1回目、Ms.Tozawaの文法コラムは「で」と「ので」の使い分けです。
この会話文、いかがですか。学習者から出る誤文としてよく見られるものです。うーん、意味はわかるけど、おかしいですね。この場合は「事故で大怪我した」でOKです。
「〜で」も「〜ので」もどちらも原因や理由を表すことができる表現ですが、入れ替えて使えるわけではありません。ということで、今回は「〜で」「〜ので」の違いを探っていきましょう。
1. 「〜ので」の特徴って?
「〜ので」も「〜から」も理由の表現ですが、「〜ので」は「〜から」よりも丁寧で、状況に配慮した柔らかい表現です。
また、解説書などを見ると、「〜ので」は客観性が高いので、因果関係を叙述したり説明したりするときによく使われると書かれています。「叙述する」ということは、つまり、その成り行きの原因や理由を詳しく説明する時に使う。そんな感じでしょうか。
<例文>
電車が遅れたので、仕事に遅刻してしまいました。
国から家族が来るので、1週間有給を取ろうと思っています。
床が濡れているので、お気をつけください。
女優Aの演技は評価されているので、ドラマや映画に出演が絶えない。
それでは、次の会話文、みなさんはどう感じますか?
この文の場合、仕事がどうだったのか、「忙しかった」「予定が変わった」「トラブルがあった」などを加えて詳しく説明することで、聞き手に状況を丁寧にわかりやすく伝えることができるのではないでしょうか。相手への配慮が感じられます。
「仕事で休んだ」でもいいですが、受け取る相手や状況によってはそっけなく、または、ちょっと言い訳っぽく聞こえるかもしれません。例えば、なかなか連絡できない彼が彼女に「仕事で忙しくて…」なんて言ったら、「仕事が忙しいのはみんな一緒でしょ!」なんて言われてしまいそうです。
2. 「〜で」の特徴って?
簡潔に理由や原因を伝えることができる。
後件の文には意思や働きかけの文を使うことができない。(つまり、外的要因や事実のみを表す)
前件で「〜なくて」を伴う文を使う時、後ろには感情を表すことばがよく使われる。
これが「〜で」の特徴です。今回は1の「簡潔に伝える」にポイントに絞って、「〜ので」との比較します。
<例文>
事故で、1週間入院することになりました…。
祝日で、銀行は休みです。
大雪で、新幹線が止まってしまいました…。
熱で、出勤できなくなりまして…。
アレルギーで牛乳が飲めないんです。
「事故」「大雪」など出来事やアクシデントなど外的な事実が原因・理由の場合、「祝日」「アレルギー」など様態や状態および属性を表す名詞も「〜で」を使うことが多いです。
「事故に遭った」「大雪が降った」「熱がある」「アレルギーがある」と言わなくても、言葉一つで状況を汲み取ることができるので、長々と丁寧に説明する必要はありません。
じゃあ、「で」でも「ので」でもいけるケースって?言い換えられてもニュアンスは異なりますね。つづきはコトハジメのブログ記事をご覧ください。