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価値観を変えた、10分間。
一生に一度しか会わないだろう人の 一言
ある日、"困っている人"に道端で遭遇しました。
詳細はぼかしますが、
私がその方を初めて見た時はガタガタと震え
うずくまったまま動けなくなっていました。
![](https://assets.st-note.com/img/1651819286211-te6Jmvuxqt.jpg?width=800)
その日は春風に喜びを感られる見事な晴天。ただ日陰は冬風そのもの。
街はTシャツもダウンコートも入り混じる春らしい気候でした。
そばに行くと、その方は日陰から動けないまま懸命に寒さに耐えていました。今はすでにご家族へ連絡済みで、迎えを待っているとのこと。
「寒い」と小さな声がこぼれていたので、私は巻いていたショールを外し、その方の首元に巻きました。
"温かな飲み物と小さな椅子を駆け込んだ店舗にお願いする"という偉業を成し遂げた第一発見者の女性は、厚めのカーディガンを「使ってください!」と差し出し、「あなたがヘルプマークつけてたから気づけてよかった!」とその方を明るく励ましていました。
最後には私含め3名の女性がその方を囲み、そのうちにご家族が自転車でお迎えに来られ解散となりました。
ただ私はうまく立ち去れず、ゆっくり後ずさりしていたその時。
その方が椅子に座ったまま
パッとこちらを振り向いて、
目を見て、
小さい叫びに似た声を絞り出し、
お礼を伝えてくれました。
「心からありがとう!」
![](https://assets.st-note.com/img/1651819286402-d1ph6JSSed.jpg?width=800)
びっくりした私は、「やや、気にせず、気にせず…!」とアホな顔で手を横に振りながら、その場を去りました。
10文字の、言葉の威力
「心からありがとう」。
人生で初めて言われた気がします。
この方の言葉は、
自分自身の実体験は
第三者に当てはめたところで貢献には値しない
という私の価値観から、
自分自身の実体験も
少しは第三者の役に立つのかもしれない
へと変えてくれました。
自分の実体験は自分に貢献してくれる時がありますが、経験も経歴も価値観も異なる第三者にとって それは意味を持たない____。
これは仕事だけではなく日常的に長年心掛けていることだったので、この価値観が揺らぐのは自分の中ではなかなか大きな出来事です。
その方のそばにいた時、何を望んでいるかわかった気がしていました。後から振り返って考えると、この時活きていた実体験が4つ頭に浮かびました。
極度の寒がり
私は「早くね?」と言われるほど誰よりも早くマフラーを巻き、誰よりも長く冬用アンダーウェアを仕込み続ける人です。
これは長年に渡る寒さ対策への数々の失敗と、「これ以上ない!」と思えるほどの試行錯誤の末の結果。
そのため、寒さにやられてしまう原因や症状を想像しやすい気がしています。
パーソナルスペースに気を配る
「もうちょっと離れてほしい」なんて、なかなか言いづらいものです。
大昔の職場で、パーソナルスペースがとても狭い男性上司がいました。瞬時に顔を自分の顔の真横(ほんとに真横)に寄せて進捗や感想を聞いてくる人で、身体が凍る感覚は今もトラウマが残っています。
そのため、人に近づくだけでなく まして自分から触れる時は、たとえ相手が同性であろうが赤ちゃんであろうが同意を得てから接触するようにしています。
ヘルプマーク
初めてみた時、とても良いデザインとして記憶に残りました。
「外見からは把握しづらいけれど、援助やご配慮が必要なんです」と知らせる赤い縦型のマークで、バッグにつけている方が多いようです。
初対面の人に対する思いやりは勇気が要りますが、「(困っているようだったら)堂々と声かけして良いんだ」と背中を押してくれるアイテムです。
傾聴
特に福祉やカウンセリングなどの支援を受けた経験がある方にとって、傾聴の姿勢は安心感を与えてくれます。
傾聴は、目の前の人の話に興味を持ち、その方の物語を共に追体験するように”聴く”技術です。
人の役に立ちたい時 ついお節介になりがちですが、自分が聞いてほしい話を興味を持ってじっくり聴いてもらえると、安心し、大きな喜びを感じます。
どれも私が仕事に就いていなかったら出会えていないだろう知識ですが、まさかこれらがこんな機会に役に立つなんて。
これまで仕事や生活で得た経験は自分の仕事と生活に取り入れてきましたが、仕事で得た経験を"誰かの生活のため"に取り入れる提案は、これまで とても少なかったと気づきました。
「仕事で得た知識を、これからは誰かの生活のためにも活かせたら」。
そう思うと、今回の出来事が何かのギフトのように思えてなりません。
今後のnoteのテーマ
この出来事を機に、noteを始めてみようかなと思いました。
テーマは仕事で得た知識の解放。
と言っても、デザインについては取り上げず、
デザインという「本業」に注力するために試行錯誤してきた末 辿り着いた
「本業以外の負荷をいかにゼロに近づけるかの工夫」を、
綴っていけたらと思っています。
当面は、もっとも書きやすそうな
「本業を激烈に後押ししてくれる、なくてはならないアイテム」の予定です。
![](https://assets.st-note.com/img/1651830740108-dTfQVHfWb5.jpg?width=800)
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