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社会人クリエイターの為の目標設定の方法

目標設定は、SMARTの法則「状態目標」「結果目標」「行動目標」の3つを使い分けて評価者とゴール設定を行いその合意形成ができれば、大体なんとかなります。今回は、そのうちのSMARTの法則についてクリエイティブ業界の視点を加味した説明をまとめてみました。

SMART法則は効果的な目標設定のための方法です。

Sは具体的(Specific)目標を明確に定義します。
Mは測定可能(Measurable)目標の達成度を数値で示せるようにします。
Aは達成可能(Achievable)現実的な目標を設定します。
Rは関連性(Relevant)自分や組織の目標や価値観に沿った目標を選びます。
Tは期限付き(Time-bound)で、目標達成の期限を設定します。

聞いたことぐらいはあると思いますが、特にクリエイティブ業務においてはアセットの良し悪しの判断などは定量化が難しいですよね。若手の方との目標設定面談でも、SMARTは知ってるけど…で話が止まる場合が多いです。

結論から言えば、大抵の場合、これらの項目の合意形成が評価者とできていれば問題ないです。この場合の評価者とは、会社勤めの社員であれば上司、派遣やフリーランスであれば指揮命令者や現場監督的な立場の方などです。
直接お客様と接している方は、お客様との合意形成になります。

経験上、どういう業種であれ、評価者の方も合格ラインの設定は難しくて困っている場合が多いのです。例えば、1年で10点のモデリングをする!と宣言されて、むりやり目標達成をする為に質の低下をまねかれても困りますよね。設定する側も結構ドキドキするものです。

ただ、それでも目標をスモールステップ化して設定することが可能です。大切なのは合意形成をしてからシッカリ設定することと、環境の変化が入った際や定点で、評価者の方との見直しサイクルを仕組み化することです。

比較的SMART法則への落とし込みが比較的に容易な例

例えば
目標設定者が広告に関わるグラフィックデザイナーだとして、以下のような制作業務はSMART法則への落とし込みが比較的に容易です。

Specific(具体的)
「新しいウェブサイトのデザインを完成させる」や、「3つの広告バナーを制作する」など、具体的な成果物を明示します。

Measurable(測定可能)
「ウェブサイトのデザインがユーザビリティテストで80%以上の評価を得る」や、「広告バナーのクリック率が10%以上向上する」など、数値で表すことができる基準を設定します。

Achievable(達成可能)
現実的に達成できる目標を立てます。過去の実績やケーススタディを参考に、自分やチームの能力に応じた目標を設定します。

Relevant(関連性)
目標がビジネスや組織の目的に沿ったものであることを確認します。
例えば、「ウェブサイトのデザイン改善により、コンバージョン率の向上を目指す」など、ビジネス上の重要なKPIと関連づけます。

Time-bound(期限付き)
目標に期限を設定し、進捗管理を行います。「1か月後までにウェブサイトデザインを完成させる」や、「2週間以内に広告バナーを制作する」など、期限を明確に設定します。

SMART法則への落とし込みが難しくて、つまずく例

難しい例として、
新規開発で3Dモデルのシェーダー制作や検証から開発を行ったり、そもそもの開発期間が長く、1点のアセットを完成させるのに半年や1年など評価期間を余裕で超える場合です。

こういう場合は、制作工程をある程度の区切りで分割してスモールステップ化を行います。

長期的な目標をSMART法則を加味して明確にする方法

Step 1: 長期的な目標を明確にする
長期的な目標を具体的(Specific)に定めて、それが達成可能(Achievable)であることを評価者やチームと合意形成します。また、その目標が自分や組織にとって関連性(Relevant)があることを確認し、期限(Time-bound)を設定します。だいたいは開発マイルストーンの定義を把握して、その定義と噛み合っていれば問題はないはずです。

Step 2: 目標を分割する 長期的な目標を達成する
スモールステップに分割します。進捗を測定可能(Measurable)にして、途中での調整が容易な状態にしておきます。

長期開発の場合、多くが途中でスケジュールの変更や外的要因で企画仕様の大幅な変更が発生します。…必ずと言っていいほど発生します。私がいつもうなされるところです。名称は何でも良いのですが、そのアセットでの制作の区切りで定義を明確にしてください。例えば【仮仕様制作】【本仕様制作】【実装完了】のよう区切りです。

Step 3: 短期的な目標を立てる
長期的な目標に向けた短期的な目標を立てます。これらの目標もSMART法則に沿って設定し、進捗を把握しやすくします。例えば、【仮仕様制作】のアセットを全て定義した要件で揃える、というような目標になります。先に述べたような長期に渡った制作が必要な業務でも、定義が明確になりますよ。

Step 4: 定期的に進捗を評価する
短期的な目標の達成状況を定期的に評価し、必要に応じて目標を調整します。長期的な目標達成に向けた道のりを最適化を行います。これは、プロジェクトの規模によって変わりますが、定期的に行うと良いです。定期的に行うことで、実測値として情報の精度が高くなり、その蓄積は自分や組織の将来の目標設定に活かすことが出来ます。また、外的要因で変更を余儀なくされた場合は、すぐに最適化を行い評価者やチームと合意形成を行う必要があります。注意点となりますが、迅速に行わないと評価者とのすれ違いが生まれることが多く、長期的な目標の特に気をつけるべきポイントです。

Step 5: 短期的な目標を達成する度に、成果や振り返りや喜びを共有する
長期目標をスモールステップ化した際の重要なポイントとしては、短期目標が達成される度に、その成功を他者に共有して、次の目標に向けたモチベーションにつなげることです。この際、ふり返りの反省や喜びを共有すると、合意形成も行いやすくなるので「ふり返り会」「成果発表」などを簡単にでも行うと、個人のアピールとしてもチームの信頼形成の上でもとても成果が上がります。

長くなりそうなので3〜4回に分けて社会人クリエイターの目標設定についてまとめて行く予定です。

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