243. 弱視における視運動性のスキル:システマティックレビューとメタ分析

Fine visuomotor skills in amblyopia: a systematic review and meta-analysis

Rakshit A, Schmid KL, Webber AL. Br J Ophthalmol. 2023 Sep 5:bjo-2022-322624. doi: 10.1136/bjo-2022-322624. Epub ahead of print. PMID: 37669851.


背景:弱視は、視力の低下、感覚性融像の不良、立体視の障害または欠如を特徴とする。弱視が日常的な作業遂行能力にどの程度影響を及ぼすかを理解することは、弱視の疾病負担を定量化する上で重要であり、臨床医が患者の機能的能力を理解するのに役立つ。

方法:システマティックな文献検索により、弱視の小児または成人と、正常な両眼視を持つ小児または成人において、細かい視運動能力を比較した発表済みの研究を同定した。対象となった研究(弱視者835名と対照者561名を含む22の研究)は、自己認知による患者報告アウトカム測定、運動習熟度テスト、ビデオ録画によるリーチングとgrasping (把時)の結果を報告している。17の研究の結果は4つのメタ解析にまとめられ、プールされた結果は標準化平均差(SMD)とそれに対応する95%信頼区間として報告された。

結果:弱視の原因(不同視、斜視、混合、形態覚)にかかわらず、身体能力および運動能力の自己認知の有意な低下(SMD=-0.74、95%CI -1.23~-0.25、p=0.003);微細運動技能の得点(SMD=-0.86、95%CI -1.27~-0.45、p<0.0001);視覚誘導による到達および把時運動の速度(SMD=0.86、95%CI 0.65~1.08、p<0.00001);視覚誘導による到達・把持運動の速度(SMD=0.86、95%CI 0.65~1.08、p<0.00001)、時間的目と手の協調の正確さ(SMD=0.75、95%CI 0.26~1.25、p=0.003)の低下が、正常な視覚発達の人と比べて弱視者にみられた。

結論:弱視が運動能力の成績に及ぼす影響に関する報告では、弱視の参加者では正常な視覚発達の参加者に比べて成績が悪いことが示されている。弱視の機能的影響を評価するために使用される結果指標に一貫性を持たせることは、今後の研究にとって有益であろう。

※コメント
弱視の視運動に関するシステマティックレビューです。参考文献の一部としてぜひ。


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