270. 小児弱視治療における眼鏡単独の有益性に影響を及ぼす要因:PEDIGデータの分析

Factors affecting the benefit of glasses alone in treating childhood amblyopia: an analysis of PEDIG data

Hernández-Andrés RT, Luque MJ, Serrano MÁ, Scally A, Barrett BT. BMC Ophthalmol. 2023 Sep 28;23(1):396. doi: 10.1186/s12886-023-03116-8. PMID: 37770832; PMCID: PMC10540398.


背景:3歳から7歳までの弱視小児において、光学的治療のみによる治療成績の向上に関連する因子を評価する。

方法:Pediatric Eye Disease Investigator Groupのデータベースから、プロトコールが類似した2つの研究、弱視治療研究5(n=152)と13(n=128)から抽出したデータを用いて、弱視眼の視力、眼間視力差、立体視の向上に関連する因子を回帰分析により決定した。入力変数は、弱視の病因(不同視弱視、斜視弱視、混合弱視)、治療コンプライアンス、視力、眼間視力差、立体視、遠見と近見の斜視の大きさ、年齢、ベースライン時の屈折異常とした。

結果:さまざまな臨床的要因を考慮したにもかかわらず、我々のモデルは光学的治療結果の分散のわずかな割合しか説明できなかった。弱視児の光学的治療成功の程度をよりよく予測する因子は、弱視眼の視力、眼間視力差、立体視、治療コンプライアンス、弱視眼の等価球面屈折異常である。弱視の病因は治療結果に大きな影響を与えないが、混合弱視者の視力、斜視(角)、立体視の向上は最も小さく、より長い光学治療期間が必要となる可能性がある。

結論:弱視児の光学的治療成績に影響する因子が明らかになったが、臨床医は個々の患者における光学的治療の利点を正確に予測することはできないだろう。これは、関連する臨床的要因または非臨床的要因(例えば、日常生活の内容や量)が、光学治療の結果に影響するからなのかどうかは、まだ特定されておらず、解明されていないためである。

※コメント
眼鏡のみで視力等の向上は見込めますが、そこに影響する因子は個々によるバイアスが大きいため断定はできない。
不同視と斜視の混合弱視は治療に抵抗し、治療期間が延長することが示唆されるようです。


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