116. 国際近視研究所による2023トピックスのダイジェスト
IMI 2023 Digest
Sankaridurg P, Berntsen DA, Bullimore MA, Cho P, Flitcroft I, Gawne TJ, Gifford KL, Jong M, Kang P, Ostrin LA, Santodomingo-Rubido J, Wildsoet C, Wolffsohn JS. Invest Ophthalmol Vis Sci. 2023 May 1;64(6):7. doi: 10.1167/iovs.64.6.7. PMID: 37126356.
近視はダイナミックで急速に変化する分野であり,継続的な研究によって,新規の近視コントロール戦略につながる病因のより良い理解が得られている。2019年,国際近視研究所(International Myopia Institute:IMI)は,関連するトピック一連のホワイトペーパーを発表し,2021年にはダイジェスト版でエビデンスを更新した。ここでは,過去2年間の主要なトピックの知見を要約する。動物モデルを用いた研究では,光の波長と強さが眼の成長にどのように影響するかを引き続き探求し,近視を遅らせるための潜在的な戦略として,新しい薬理学的薬剤と強膜クロスリンキングを検討した。小児では,近視コントロールの早期実施に注目が集まり,premyopiaという言葉が注目されている。ほとんどの研究では,近視が0.5D以下,強度近視が6.0D以下というIMIの定義が用いられているが,強度近視の構造的影響に関する分類や定義にはまだ問題がある。臨床試験では,multiple segments,レンズレット,またはdiffusion opticsを組み込んだ新しい眼鏡レンズの設計が,良好な効果を示すことが実証されている。多焦点ソフトコンタクトレンズとオルソケラトロジーの臨床的考察と効果に影響を与える要因について議論する。アトロピン局所投与は,広く利用できる唯一の薬理学的治療法である。高濃度のアトロピンで観察されるリバウンドは,低濃度や光学的介入では明らかではない。全体として,近視抑制治療は視覚機能への悪影響が少なく,一般的に安全であると思われるが,装着時間の延長や併用療法が成果を最大化する。小児用の光ベースの治療法という新しいカテゴリーには,リスクとベネフィットの分析を可能にする包括的な安全性データが必要である。近視コントロール戦略の成功を考えると,臨床試験にコントロール群を含めることの倫理性は大きく議論されるところである。臨床試験プロトコールに関する IMI の推奨事項が議論されている。
※コメント
IMIからの近視進行等の最新情報です。
新たな眼鏡レンズによる近視コントロールやpre myopiaに対する方向性がトピックスになっています。動向に注目しましょう。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?