288. 7歳未満の小児における恒常性外斜位予防のための間欠性外斜位における過矯正マイナスレンズ療法の役割

Role of Overcorrecting Minus Lens Therapy in Intermittent Exotropia for Prevention of Constant Exotropia in Children Under the Age of 7 Years

Alizadeh Y, Medghalchi A, Soltanipour S, Mohammadi MJ, Soltani-Moghadam R, Behboudi H, Azaripour E, Soleimani A. Int J Prev Med. 2023 Jun 22;14:80. doi: 10.4103/ijpvm.ijpvm_130_22. PMID: 37854980; PMCID: PMC10580209.


背景:過矯正マイナスレンズの基本は、コンプライアンスを誘導し、結果として恒常的な外斜視を防ぐことである。これまでの研究では、早期の手術療法を提唱するものもあれば、オーバーマイナス療法を提案するものもあった。我々の目的は、オーバーマイナスレンズの成功率を評価することである。

方法:この横断的研究は、イラン、ギラン医科大学のアミール・アル・モメニン病院に通院していた7歳以下の間欠性外斜視(intermittent exotropia:IXT)の患者106人を対象に行われた。データは、性別、年齢、調節麻痺下屈折値、オーバーマイナス眼鏡使用前後の偏位量、視力、オーバーマイナス眼鏡の程度、治療期間、回復、経過観察などが収集された。成功率は、外斜視が10⊿未満に減少または外斜位化したことと定義した。

結果:106人の患者が登録され、平均年齢は2.25±0.74歳であった。治療前後の平均外斜視は、それぞれ20.96±8.20⊿と12.16±11.04⊿であり、統計的に有意な差があった(P < 0.002)。平均調節麻痺下屈折値の球面は+1.34±1.07D、乱視は-0.32±0.72Dであった。追跡調査終了時、外斜視は5.6%の患者で増加し、15%の患者では変化がなく、平均偏位量は25.0±6.06⊿であった。

結論:本研究の結果によると、過矯正レンズによるIXT治療は安全な方法であり、外斜視の予防に有効である。

※コメント
処方されたオーバーマイナスレンズの平均は-2.86±0.96D。
恒常性を予防するためにオーバーマイナスレンズを処方するとのことですが、様々な因子が入り混じっているため、過矯正レンズ有効性がどこまであるのかは未定だと思います。低年齢小児への使用というのもkeyかなと。
日本ではあまりメジャーなやり方ではありませんね。

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