小さい飲食店が「お金」よりも「時間」を大切にしなければならないワケ
開店直後はお金>時間を意識する
前回のnoteでは、
『お金だけではなく移動時間や作業工数など、時間に対しても(効率的かどうかの視点を)同じように持つようにしてください。』
という話をしました。この考え方は個人店のようなスモール型飲食店では非常に重要になります。
少ない人数で効率良く飲食店を経営するためには、お金よりも時間を大切にした方がうまくいく場合があるからです。
ただ、一点だけ注意をしてほしいのは、開業してすぐは今回のテーマである時間の効率化について考えない方が良い、という点です。
飲食店は売上がないとあっさり潰れてしまうので、開店直後はとにかく頑張って売上を上げることに注力した方が良いと思います。
そして、ある程度売上が見込めるようになったら、今回のテーマであるお金と時間について考えるようにしましょう。
2つの店舗を例にして効率的な働き方を考えてみる
例えば、開業から半年が経って、ある程度お店の軌道が乗ってきた以下のような2つの店舗があったとします。
A店 昼夜営業/週休1日/営業利益 月70万
B店 夜営業/週休2日/営業利益 月50万
営業利益の額だけでみるとA店の方が20万も多いです。ただ、より詳細に見える化してみるとどうでしょうか。
A店 労働時間 12.5h(9:00~23:00 休憩1.5h)×25日=312.5h
時給換算 70万÷312.5=2240円/h
B店 労働時間 10h(14:00~24:00)×20日=200h
時給換算 50万÷200=2500円/h
このように具体的な数字にしてみると、実はA店よりもB店の方が効率的に働けているということになります。
飲食店で働いたことのある人は「A店のような店舗で働いたことあるし全然余裕です。お金が多い方がいいです。」という人もいるかもしれません。
確かに言っていることは正しいのですが、飲食店を経営するということは、店舗を運営するだけではなく、売上管理、シフト調整、銀行振込、SNS更新、メニュー開発、営業対応、帳簿整理、採用面接など、あらゆる業務をやる必要があります。
こういった作業を休日にやると、週休1日だけでは休む間もなく日が暮れてしまいます。
実は私自身もA店のようなスタイルで経営をしていた時期がありました。確かにお金は溜まるのですが、正直しんどかったです。
友達からは「痩せたねー」って言われましたが、正確にはやつれていただけだと思います。
こちらの記事なんかも参考になりますが、まさにこの通りなのです。
経営者は仕組みを作ることが仕事
ちょうどその頃に、IT系コンサルティング会社で部長をしている常連さんがこんな話をしてくれました。
「長く働いて給料を上げるのは誰でもできるよ。短く働いて時給を上げることを考えなきゃ。」
この言葉を聞いて本当に衝撃を受けました。確かにその通りですよね。長く働いて給料を上げるのはアルバイトの働き方と変わりません。
経営者であれば、短い時間でも今と同等かそれ以上の給料を得られるような仕組みを考えなければいけません。
「経営をもっと効率化しよう!」と考えたのも、実はこのことが大きなきっかけでした。
飲食店は拘束時間も長く、体力的にもしんどい商売です。体を休める時間や自由な時間をしっかり取れるように経営するのが長続きさせるコツだと思いますよ。
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