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飲食店経営を効率化するために必要な考え方

経営を効率化するために

前回のnoteでは効率的な店づくりをできたことが5年で飲食店を売却できたコツだという話をしました。

ただ、「そもそも経営の効率化ってどうやるの?」という疑問があるかもしれません。
実はこれってめちゃくちゃ単純で、情報を収集し見える化して費用対効果と実現可能性を比較する、という一言に尽きます。

①情報を収集する
②数値や言葉に置き換える
③費用対効果を考える
④実現可能性を探る

もう少し詳しく説明すると、まずは情報を集めて数値にしたり、言語化したりして見える化します。

見える化すると問題点が浮かび上がり、それを解決するための手段が複数見つかります。その中でどれが一番費用対効果が高く、実現可能かを検討します。
飲食店の効率化とは、この流れを様々なシーンで活用する経営手法だと考えてください。

飲食店を始める人はどちらかというと「なんとなく」や「前からこうだから」、「勘で」というアナログな発想で物事を決めてしまう人が多いと思います。「数字は苦手…。」「パソコンは触りたくない!」という人たちもいるでしょう。

ただ、効率的な飲食店経営を目指す場合は、数字やデータを使って、自分の頭で論理的に考えるという癖をつけてください。


会計業務を見える化する

例えば、freeeというクラウド会計ソフトがあります。インターネットに接続して使うタイプの会計ソフトで、個人的には初心者でも使いやすい会計ソフトだと思います。
この会計ソフトでは、

・開業届の作成
・記帳(売上や費用などの帳簿をつける作業のこと)
・青色申告書/確定申告書の作成

などが、全て「自宅で」、「月額980円」でできます。これらに関わる作業工数や外注費などを見える化すると、

『開業届の作成』
自分でやる:管轄の税務署へ書類を取りに行く→ボールペンで記入→税務署へ提出
外注:5000~10000円(代行サービス)
freee:サイト上で指示通りに入力→プリンターで印刷→税務署へ提出
『記帳作業』
自分でやる:領収書の内容を会計帳簿に転写→複式簿記による整合性のチェック
外注:2~3万円(税理士月額顧問料)
freee:領収書の内容をWeb上で入力(自動で複式簿記化。POSレジや銀行口座と連携できれていれば入力もいらない)
『青色申告書/確定申告書の作成』
自分でやる:帳簿のチェック(専門家でないとかなり難しい)→税務署へ書類を取りにいく→ボールペンで記入→税務署へ提出
外注:5~10万(税理士への決算書作成料)
freee:サイト上で指示通りに入力→プリンターで印刷→税務署へ提出


会計業務を効率化できるか考える

これらの情報をもとに会計事務を効率化できないか考えてみます。

①自分でやる
「全て自分でやれれば費用はほとんどかからないかもしれないが作業工数が多いし不確実性が高い。
複式簿記の知識もないし、税金の負担が軽くなる青色申告はおそらくできない。
そもそも何度も税務署に行くのも嫌だし、ボールペンで手書きなんて面倒。
②外注化
「外注すれば全てやってくれるから楽ではある。
ただ、年間で30万以上の負担は果たして正しいのか。30万の利益は飲食では90万の売上とほぼ等しい。
年1回の申告書作成や領収書の入力作業に、汗水たらして手にした90万の価値があるとはとうてい思えない。
③freee
「入力は面倒ではあるが、簿記の知識はほとんどいらない。
メールや電話サポートもある。それよりも何よりも月額980円は魅力的だ。年間12000円程度の負担で65万の所得控除(約10万の節税効果)ができるのであれば十分に価値がある。
それに、これくらいの作業だったら自分でもなんとかできるだろう」

もちろんこれは私自身を当てはめた効率化の施策です。元税理士の方が飲食店経営を始めるのであれば、自分でやった方がお得だろうし、貯金がたくさんあるのであれば、外注化した方が手間がかからず良いケースもあります。

お伝えしたいのは「自分にとってベストな選択を、客観的なデータを元に自分の頭で考えよう」ということです。


長期的な時間軸で「何が得か」を考える

経営者にとって長期的に見て損か得かの判断ができることは、非常に重要な能力です。目の前に落ちている100円を拾うのではなく、100m先にある1万円を拾えるかどうか。

財布に10円しかないのであれば目の前の100円を拾わざるを得ないケースもありますが、1000円あるのだったら100m先の1万円を拾った方が良いですよね。

飲食店を経営していると様々なシーンで多様な選択を迫られます。その中で、どれが最も効率的で将来のお金になるのかという視点を常に忘れないようにしてください。

また、それはお金だけではなく移動時間や作業工数など、時間に対しても同じように持つようにしてください。その視点を身につけられれば、1店舗でも安定した飲食店経営を続けられると思います。


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