双子の星 #43

志賀直哉の「菜の花と小娘」を、宮沢賢治みたいだなとおもいながら読んでいたら、つぎはほんとうに宮沢賢治を読みたくなる。

本棚から『新編 銀河鉄道の夜』を引っ張り出してきて読む。

数年前にも読んで、面白く読めた短篇もあったが、全体的に文字の上滑る散漫な読書だったと記憶している。苦い読書だったなと。

表題作は名作と名高いが、僕には響かないどころか善さの片鱗さえつかまえることができず、ちょっと悔しかった。みんなが良いと云っているなら僕は読まなくていいや、と不断は天邪鬼に嘯いていても、いざ読んでみてさっぱり理解できないのはやっぱり寂しい。

僕にとって宮沢賢治は、気力が充実していないと読めない作家なのかもしれない。

さて今回はどうか。

巻頭は「双子の星」。

神話のようなお話で、ザ・童話というかんじでだ。読みやすい。

これくらいなら僕でもわかるんだよ。読める読める。この調子で読んでいきたい。


何となく『星の王子さま』を思い出して、つぎはそれを読みたくなってくる。

いま連想ゲームみたいにして、読んで思い出す本に片っ端から手を伸ばす、ということを半ば意識的にしてみている。

何冊まで同時に読めるか、いっちょ試してみようじゃねえか。

読みかけているのは、以下の6冊(読みはじめた順)。

  1. 石川桂郎『妻の温泉』(講談社文芸文庫)

  2. 岡野八代『ケアの倫理』(岩波新書)

  3. 志賀直哉『清兵衛と瓢箪・網走まで』(新潮文庫)

  4. 奈倉有里『ロシア文学の教室』(文春新書)

  5. 『セレクション戦争と文学4 女性たちの戦争』(集英社文庫)

  6. 宮沢賢治『新編 銀河鉄道の夜』(新潮文庫)👈New!

10冊くらいまではいけるだろうか、いやここは一週間日替りで一冊ずつ、てことで七冊までにしておこうか、でもそれだとあと一冊しか増やせないなあ、などと考えながらやっている。すごく愉しい。

短篇ならいくらでも広げられそうな気がする。

長篇小説は間があくとわからなくなりそうで、どうしようか思案している。

翻訳小説も入れたいのだけど、頭を使うから混乱しそうでやはり手を出せずにいる。

『星の王子さま』なら、長さも内容もちょうどいいかもしれない。

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