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女性に生まれたってこと

なんで女なんだろう。

そういう疑問みたいなものがあって、常に。

私、幼少期から17歳くらいまでバレエやってて、それでまあ、プロも目指したりとかしてたんですけど、バレエって女の子にとって憧れの習い事みたいな雰囲気あるじゃないですか。
可愛くて、きらきらしてて、男の子にサポートしてもらって踊って、でも自分の見せ場もあって、みたいな。
そのせいか世界的にもバレエダンサーを目指すのって女性が多いんですよね。
なんで女の子なんだろうなあ、を最初に感じたのはその頃だったと思います。

やっている人の割合として女性が多いってことは、女性の方が競争率が高いってことなんですよね。
例えば、男女ペアで踊る集団群舞があったとき、男性と女性同じ数だけ必要なのに、女性の方が多いから、倍率が高いわけです。
幼い私は、男の子だったらもっと簡単にプロになれるのになって思ってました。
男性ダンサーも大変な競争の中を生きているのですけれど、事実として男の子のダンサーの卵はチヤホヤされる傾向にありましたら、当時の私がそう思うのも無理はなかったなと思います。

その次になんで女の子なんだろうとおもったのは、やっぱり生理が来たときですね。
女の人の月経が始まるのはだいたい小学校高学年から中学生くらいといわれていますが、始まると、いろいろなことと戦うわけです。
思ったより経血が多くて制服や寝具、服を汚してしまうこともありますし、最初の頃は周期も安定しなかったので、いきなり来て学校で焦ったりとかしていました。高校生になって生理中の症状が重くなり、腹痛、頭痛、眠気など、生活に支障が出るところまで来ると、いよいよなんでこんななんだ、と怒りすら覚えるようになりました。

こういう事を言うとね、男性にも生理があります!と言われることもしばしばなのですが、まあ、そこに関しては正直私はわかりません。
だって男性になったことないんですもの。
まあそもそも、生理に関しては全然辛くない女性の方、というのもいらっしゃいますから、他人の身体の状況なんてわかるわけないというのが結論なのではないでしょうか。
実際生理が辛くて苦しんでいる女性に一番厳しいのは、生理がしんどくない女性と言う話も聞きます。

少し脱線しましたが、まあそんなこんなで、なんでなんだ〜と思ったりするわけですね。

私がここで言いたいのは、別に生理だからいたわれとか、そういうことではなくてですね。
このいいようのない身体のダイナミズム、逃れようのない毎月来る身体的な変化にあらがえずジタバタしている人間が、この世界に半分とは言わないまでも結構な数いるのに、そっち側の身体性から見た世界をあまり考慮に入れずに、諸々進んできてしまった歴史があるんじゃないかってことなんですね。

さて、ここからは哲学の歴史に関するお話です。
私実は、大学で哲学を専攻しているんですけど。
こんな事言うと、やば、なんか複雑な話してきそう、だる、といろいろな方に言われます。正直、複雑な話をしてだるいときもあります。
しかしですね、今日したい話は、そんなに難しいことじゃありません。

みなさん、哲学者と言われて誰を思い浮かべますか?
ソクラテス?それともカント?ニーチェやデカルトなんていう方もいるかもしれません。
少し詳しい方でしたら、なにかと最近流行りのスピノザやドゥルーズ、日本人の西田幾多郎なんてお答えになるかもしれません。

ではもう一つ質問です。
女性の哲学者は誰か思い浮かびますか?
はて…
こちらも今話題の「虎に翼」のとらちゃんじゃないですが、はて、といいたくなりますよね。
いちばん有名なところでいうと、ハンナ・アーレントという女性哲学者がいますが、その他ですぐ出てくる方はめずらしいのではないでしょうか。
近現代に入ればいないわけではないですし、もちろん現在活躍されている方もいますが、全体として数が圧倒的に少ないのです。

これには様々理由があるとされています。
女には哲学ができないと言われていた時代もあります。
それとやはり、これはどの業界にでも言えることですが、なにごとも最初になす人、いわばファーストペンギンが必要ですよね。
つまり、先達がいないとなかなか頑張っていくのは難しい。
いま女性がいろいろな分野で輝いて働いているのも、ファーストペンギンたる女性たちがいたからですし、これは女性に限らず、男性も含めたいろんな肌の色やジェンダーの人々が、世界の何処かで努力して道を切り開いてきたから、その仕事やその分野が発展してきたわけです。

西洋哲学は、古代ギリシア、紀元前から今に至るまで、ほぼ男性によってつくりあげられてきました。
もっといえば、教養を身につけることができる階級の、知的にも身体的にもある程度優れている男性です。
西洋哲学がそうである、ということは、そこから始まったいろいろな物事、西洋の文化のいろいろなことが、そのような一部の男性から見た世界の見え方でつくられてきたということは明白と言えるのではないでしょうか。

少し暴論に聞こえるかもしれませんが、世界の仕組みや見方について研究していると豪語している学問において、こんな偏りがあるのは良くないんじゃないかな、と思うわけです。

なんで女の子なんだろう、から随分話を進めてきてしまいました。
西洋哲学の話を最後の方していましたが、西洋文化に影響を受け、その思想の影響も大きく受けてきた日本にとっても全く無関係ではない話だと思っています。
これだけグローバル化が進んできた現代において、西洋思想の影響を全く受けてない国がどれだけあるかも疑問ですが…
まあこれから少しずつ考えていかないとですね。
まだまだ長い時間がかかりそうです。

私の生理問題に関しては、ご年配の皆様がなくなるとたのしいわよ〜とおっしゃっているので、それまでなんとか誤魔化しなら付き合っていくしかないですね。
この体に生まれてしまったので。

では、また次回〜

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