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「clammbon(クラムボン)の箔押し」
こんにちは。現場の前田です。
今回は、2015年にコスモテックのブログでご紹介した、clammbon(クラムボン) の 20th Anniversary 『 tour triology 』 東京公演のライブ会場にて限定販売されたCDのジャケットの箔押し加工について、改めてご紹介します。
clammbon『 tour triology 』 11.6 日本武道館 Trailer
なんと動画の最初と最後に映っているのは
箔押し加工で使用した銅製の金属版!
◉ 今からちょうど7年前
2015年の年末、青木(コスモテック)から、「 前田! 20周年を迎えた clammbon(クラムボン) 初の日本武道館でのライブ限定販売のCDジャケットへの加工をコスモテックでお手伝いさせていただけるよ! 」 と聞いて、その当時の私は驚きと興奮に満ちた気持ちになりました。
CDジャケット制作のお話をいただいてから、clammbon(クラムボン) のボーカル・鍵盤担当の原田郁子さまにはコスモテックにお越しいただき、打ち合わせを行いました。その場で相談しながら仕様や方向性を固め、その後 校正( 加工テスト )を clammbon(クラムボン)へ提出し、本番加工へ… という流れになりました。
音楽アーティストと印刷加工会社が直接やりとりをすること自体がとてもめずらしい出来事で、とても新鮮でした。また、clammbon(クラムボン)の日本武道館ライブにかける意気込みも強く伝わり、シャキッと背筋が伸びる思いがしたのでした。
![画像1](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/90387751/picture_pc_b31b74214dae7a376024033377eeacff.jpg?width=800)
![画像2](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/90387760/picture_pc_3f647c19cb1dc69ee21f855d61f19a8c.jpg?width=800)
コスモテックブログより( 文:青木 )
打ち合わせ内で、発売前のCD収録曲( 曲名は Slight Slight )を聴かせていただきながらイメージを膨らませていき、原田郁子さんとともに 「 これだ! 」 という1種に絞りました。 打ち合わせ後は一度プランをお持ち帰りいただいて、clammbon(クラムボン)メンバーと原田郁子さんでミーティングをされたそうです。
◉ シンプルな仕様で魅せる!
校正( 加工テスト )では、打ち合わせでご提案した紙の中から選ばれた、「 スペシャリティーズ NO.711 」( 紙の名前 )の表裏に箔押し加工を行いました。
「 スペシャリティーズ NO.711 」 は表面がホログラム、その裏面は白地の紙になっており、表面に縦に走る独特のホログラムの光が幻想的で印象に残る紙です。 箔押し加工はCDジャケットの表面のホログラム面に1色、裏面の白地に歌詞を1色加工しました。CDに収録されている曲である 『 Slight Slight 』 のイメージと合っているか、また、文字の可読性などを確認していただくため、校正パターンはバリエーションを多めに提出しました。
clammbon(クラムボン)が最終的に決定した箔色は、表面のホログラムにマットシルバー箔、裏面にマットゴールドの箔でした。
![画像3](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/90389575/picture_pc_ded7272a5c6074d7011146c8199b69d9.jpg?width=800)
表面は光のあたり具合いによって偏光するホログラムの輝きに、マット調のシルバー箔が合わさることで、華やかさの中にも温かみのある落ち着いた雰囲気を感じることができます。
裏面は輝きを抑えたマット調のゴールド箔になるため、可読性を重視しながら、表面の雰囲気や収録されている曲目にも合った色合いとなっています。
◉ 原田郁子さまが加工立ち会い!?
本番加工の際には、clammbon(クラムボン)のボーカル・鍵盤担当の原田郁子さまがライブの準備などでお忙しい中、再びコスモテックへと加工の立ち会いのために駆けつけてくださったことは衝撃的でした!
そして、clammbon(クラムボン)にとって大切な初の日本武道館ライブ限定販売のCDのジャケットを私がご本人の目の前で加工することになろうとは、まるで夢のような思いであり瞬間でした。
![画像4](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/90390758/picture_pc_b91c1dd7cdf3300e8d2b35d21ab60108.jpg?width=800)
少し離れた所から心配そうに見守る箔押しの匠
この頃の私はまだ小型の箔押し機を担当していました
当時まだ加工の立ち会いの経験も少なかった私にとって、お客さまとの直接のやりとりは、それはもう緊張するものでした。 そんな緊張状態にあった私がなんとか立ち会いを乗り切ることができたのは、私が加工しているすぐそばで今は亡き箔押しの匠 佐藤が見守っていてくれたからです。
「 匠がそばで見守ってくれている! 」
と思うと不思議と緊張が和らぎ、落ち着いて加工を進めることができました。また、原田郁子さまは加工現場の様子をずっと熱心にご覧になっていらっしゃったので、緊張したものの、原田さまの様子は私にとってとても嬉しいものでした。
![画像5](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/90391194/picture_pc_793d24219c6e844537d6c82a74acc486.jpg?width=800)
箔押しの匠 佐藤と clammbon(クラムボン)の原田郁子さま
武道館いよいよ明日!
— haradaikuko (@ooo195ooo) November 5, 2015
鳴らすよーーーーーーー pic.twitter.com/o8AOa2BASf
そして、加工立ち会いから約2週間後、今から7年前の11月6日、私はなんと日本武道館にいたのです!
加工をお手伝いさせていただいた 『 Slight Slight 』 が販売される clammbon(クラムボン)の武道館ライブに参戦したのでした! 素晴らしいライブはもちろん、自分で加工したものが会場で販売され、お客さまがうれしそうに購入されている様子を見たことで興奮も感動も倍に感じました。
2015年11月6日、私が足を運んだ日本武道館
clammbon『 tour triology 』 11.6 日本武道館 ライブ映像
CDジャケット制作を通して、『 Slight Slight 』、そして clammbon(クラムボン)のつくる音楽は、私にとってとても大切な思い出の曲になりました。
この時のCDジャケット制作のご縁は、その後の clammbon(クラムボン)『 モメントe.p. 』 シリーズのCDジャケットへの加工にも繋がっていきました。
![画像6](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/90393862/picture_pc_54f8fa960fc9b73e434b9dc99d48cd96.jpg?width=800)
![画像7](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/90393879/picture_pc_ab25ccf6f89c7a1da4ff91ad13b4d270.jpg?width=800)
光栄なことにクレジットとして
コスモテックの名前を掲載いただけているのです
慣れない加工立ち会いでの緊張感、そしてライブ会場で自分が加工で携わったCDジャケットをお客さまが手にとってくださる様子を間近で見ることができたことは、私にとって大切な出来事となり、私の仕事の原動力にもなっています。
ライブまで約2週間というお忙しい中、お打ち合わせや加工立ち会いに足を運んでくださった原田郁子さま、clammbon(クラムボン)のメンバーの皆さま、貴重な体験をさせていただき、ありがとうございました!
◉ 原田郁子さまからのコメント
加工の立ち会いをしてくださった原田郁子さまからいただいたコメントは、下記リンク先 2021年8月7日の note 記事 『 箔押し加工立ち会い 』 のススメ を是非ご覧くださいませ。
【 箔押し加工 】
有限会社コスモテック 現場リーダー 前田瑠璃
〒174-0041 東京都板橋区舟渡2-3-9
TEL:03-5916-8360 / FAX:03-5916-8362
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