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「2019年12月の青木前田」

2019年を振り返れば、本当に色々ありました。

11月には僕( 青木 )が入社以来、ずっと苦楽を共に二人三脚で歩んできた箔押しの匠 佐藤勇が天国に旅立ってしまい、翌12月にはその佐藤が掲載されている 「 印刷・紙づくりを支えてきた34人の名工の肖像 」 の書籍が出版されました。

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箔押し職人 佐藤勇 として掲載
書籍「 印刷・紙づくりを支えてきた34人の名工の肖像 」


2019年4月に現場のリーダーに就任した前田と、年末最後に話した際、ぴったり同じ意見だったのが、「 色々あったけど、今年は本当に充実していた年だったね 」ということ。

僕がコスモテックに入社し、2005年に立ち上げたブログ 「ようこそ!行列のできる『箔押し印刷工房』へ」は、2020年で開設から15年を迎えます。

コスモテックは昔も今も小さな箔押し屋さんではありますが、Twitter / Facebook 共に、今や一万人を超える方がフォローして下さっているのには、驚きと感動と大きな感謝をおぼえます。

現場リーダー 前田は美大に通っていた学生時代に、僕が更新していたブログを見てコスモテックという会社を知り、紆余曲折を経て今、コスモテックの現場のリーダーとして初めての年末を迎えようとしています。

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2019年4月からコスモテックの現場リーダーの前田


前田にとってのこの一年は、現場での仕事だけでなく、入社以来黙々と続けてきた自主制作の発表( アートブックフェアへの参加 )に漕ぎ着け、更には美大の恩師である立花文穂先生に十年ぶりに自分の作品を届けるなど、今まで抜け落ちていたピースをパズルにはめ込むような作業にも取り組んできました。

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前田が作った自主制作 アートブック1作品目 
その名も『 深海魚 』


この秋、匠 佐藤は天国へ逝ってしまいましたが、僕も前田も時々「 なんだか生きているような感じがする。ひょっこり会社に来そうな気がするね。 」という話をしてます。もしかしたら今も箔押し機の陰から、匠が未熟な僕たちを見守っているからなのかもしれません。

佐藤の背中に教えてもらった、今を必死に生きる・仕事する・楽しむ・共有することを実践してきたことで、年末の今、僕も前田も「 なんて充実していた一年だったのだろう 」と感じています。きっと僕らがこう感じていることを、匠( 佐藤 )は天国で喜んでいるに違いないと思います。

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2019年文具女子博の帰り
夕食を食べながらも話は仕事のことばかり


匠がいなくなってから、12月は特に、平日は早朝から夜遅くまで仕事に没頭しました。週末には青木と前田で様々な個展・展示会などに足を運び、歩きながら、美味しいものを食べながらもずっと仕事の話をして、コスモテックの 「 これから 」 について2人で真剣に話を繰り返しました。

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営業・現場・加工技術の話はもちろんですが、それ以上に「 どう思うのか 」「 どうやって向かい合っていくのか 」をお互い確認していく作業でした。遠慮なく話し合うことで連携を強化し、次の日からまたお互いに仕事に没頭する日々を送ってきました。

日ごろから仕事でお世話になっている仲間たちに会って、楽しい時間を共にすることも出来ました。

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前田が予約を入れた渋谷のお店で、
立花文穂さん・小玉文さん( BULLET Inc. )の4名で食事会


前田が美大の恩師である立花文穂先生と初めてお会いする席をセッティングしてくれたこともありました。

大学時代の前田を垣間見られたこと、恩師である立花先生と、同じく大学で教鞭を取る小玉さんとの講義への熱い思いを感じ取ることが出来たのも嬉しい思い出です。これほどまでに最高の時間はきっとなかなか無いでしょう。

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僕が当日持参した立花文穂さんの「 かたちのみかた 」にサインを頂けたのも格別な思いがありました。 「 かたちのみかた 」には、実は前田の作品がいくつか掲載されており、この扉に配置された作品も前田によるもの。

何も言わずとも、そこにサインをして下さる立花文穂さんはやさしい。

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横浜の夜景を70階から撮影


今や7年の付き合いでもある、増渕さん( 篠原紙工 )と僕と前田の3人で、半日かけて一緒に横浜の街を歩いて、洒落たディナーを食べたこと。

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守田さん自家製の美味しいコーヒー)に、青木・前田揃って
PAPER PARADEの事務所で美味しいコーヒーをご馳走して頂いたこと。


仕事・展示会で今年大変お世話になった守田さん・和田さん( PAPER PARADE )に、青木・前田揃ってPAPER PARADEの事務所で美味しいコーヒーをご馳走して頂いたこと。

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渋谷の焼肉屋さんで打ち上げ兼忘年会

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宇宙人(西谷さん)・結界(安藤さん)・深海魚(青木前田)で
アートブックフェア2019に出店


アートブックフェアでお世話になった西谷さん( 平和紙業 )・アートディレクターの安藤さんと共に、ちょっと遅めのアートブックフェアお疲れ様会兼忘年会として渋谷でうまい焼き肉を食べたこと。


多くの人たちと「 思い 」や「 時間 」を共有させて頂くたびに、学ばせて頂くこと・気づかされることが沢山ありました。

何よりも 『 「 これから 」 先をどうやって楽しんでやろうか! 』 という活力を頂けました。

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また、前田と日曜日に出社することもありました。
仕事に没頭し 「 お客様のために 」「 良いものを届けたい 」という気持ちが燃え上がって、1枚1枚の紙に加工を繰り返しました。

リーダー( 前田 )のそんな姿を間近で見て、「 匠( 佐藤 )ともこういう時期があったなぁ 」 と懐かしく重ね合わせる自分がいたりしました。

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ある箔押し工房の職人からご教授頂いた秘伝の野沢菜漬けを青木が作り、
前田からのリクエストでおすそ分けをタッパーに詰め込んだ時


振り返れば、今年も沢山の人達に支えられている青木と前田がいました。
何よりもみんな前向きで、「 僕らも負けていられないよね 」という気持ちを引き起こされることが多々ありました。

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締めのお蕎麦を一気に食べる前田


仕事納め( 2019年12月27日 )は、匠( 佐藤 )が大好きだった、行きつけのお蕎麦屋さんで、匠を偲びながら美味しいお蕎麦をいただきました。

匠がお世話になったお蕎麦屋さんの方には「 印刷・紙づくりを支えてきた34人の名工の肖像 」の書籍を手渡すことが出来ました。

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2019年の12月には沢山の思いがぎゅっと詰まっていて、きっとこの先も忘れることはないでしょう。

青木と前田で地に足を付け、コスモテックの 「 これから 」 の在り方に思いを馳せ、仕事に向かい合い、仲間たちと会い、一つ一つの時間を共有出来たことはかけがえの無い体験だったと思ってます。


「 今年は本当に充実していた年だったね 」という僕らの言葉と、
「 さて、来年何をしようか 」という未来への期待が、
2019年の最後に溢れている。幸せなことです。

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最近は『 青木前田という名コンビ・凸凹コンビ 』と周りの方々に言われることが増えてきたのですが、その言葉とご期待に応えられるようになっていきたいです。

コスモテックの新しい表現方法・在り方を探り、お客様に寄り添う、等身大の加工屋さん、そして、人であれればと感じております。

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2020年、皆さまにとって素敵な1年でありますように。

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