「KURAMOTO 日本酒ラベル」
今回、コスモテックがお手伝いをさせて頂いたのは、奈良県の倉本酒造株式会社さまの KURAMOTO[スタンダードライン] というお酒のラベル製造です。
「 日本酒なのに、まるでワイン? 」 そんな、不思議なお酒。
お酒の解説は下記リンク先をご覧ください。
今回のラベルデザインは、アートディレクター・デザイナーの安藤次朗さんが手掛けております。
◎ はじまりは2019年のツイートから
ラベルの印刷加工の設計のはじまりは、2019年9月のコスモテックのTwitterまでさかのぼります。その時のツイートがこちら。
その当時、このツイートに安藤さんが 「 おもしろそう! 」 とお返事を下さいました。実はそれがきっかけとなり、今回のラベルデザインに結びついています。2019年のこのツイート以降、 「 デザインで落とし込めそうなお仕事はないだろうか? 」 と安藤さんは色々思案して下さっていたそうです。
さて、今回の倉本酒造株式会社さまの KURAMOTO[スタンダードライン] のラベルの印刷加工において、安藤さんは上の匠ラベル( コスモテックの WEB STORE 用の梱包ラベル )の設計よりも もう一歩攻めた仕様のデザインを実現させました。
白い紙地のラベルの中央にシルキーエメラルドの箔押しから始まる同心円から広がる白色の波紋と、ラベルの下方には白色の KURAMOTO の文字が見えます。 さらに、写真では大変見えづらくて申し訳ないのですが、よく見ると、その波紋に重なり合う複数の別の白い波紋がうっすらと見えるのです。
◎ ラベルの印刷・加工について
使用している素材はごく普通の上質タックなのですが、白刷りと加工の組み合わせで全然違う素材のように見せております。
【 工程順 】 をご覧頂ければ、なんとなく想像つくかもしれませんが、一つのラベルの中に複数のレイヤーを設けて表現しています。
インパクトが必要な KURAMOTO の文字部分には白インキの印刷を3回盛り、ラベルを見た時に目に飛び込んでくる中央部分から広がるメインの波紋は白インキ2回盛り( 上質タックの上に1回刷り、透明PETの上にさらに1回刷り )など、多重構造仕立て。特にメインの波紋部分はまるでバーコ印刷をしたかのようにインキが盛り上がって見えています。
使用しているインキは白1色のみですが、版数を増やして白が重なり合う部分を作ったり、逆に重ならない部分を作ったり、またそれらが上質タックの上に刷るのか、はたまたPET貼りの上に刷るのかなどで平面のラベルに吸い込まれるような奥行き感を出しています。
◎ 素材や機械のスペックを最大限生かすこと
上質タックというと、シール印刷では定番中の定番のような存在ではありますが、実物のラベルからは上質タックの 「 普通さ 」 を微塵も感じられません。手に取って近くで見てみても、おそらく 「 この材質は一体なんなんだろう!? 」 と思わせ、二度見、三度見してしまう摩訶不思議な佇まいです。
シール印刷機は単にラベル紙に印刷するだけでなく、 「 層を作り出す 」 「 構造を生み出す 」 など、実は工夫次第で非常に幅広くおもしろい表現を生み出すことができるのです。
シール印刷機の特徴を知り、且つ機械のスペックを最大限に活かすこと、そして、素材の特性を理解し印刷設計を組み立てることで表現の幅はまだまだ広がる!という可能性を感じさせてくれる KURAMOTO[スタンダードライン] ラベル。
note の一番最初に書きましたが、「 日本酒だけど、まるでワイン!? 」 そんな不思議なお酒に採用されているラベルもまた、そのお酒にふさわしい不思議な魅力あふれるラベルとなりました。
また、安藤さんは倉本酒造株式会社さまのリニューアルされたホームページのアートディレクションも手掛けられています。こちらにも注目です!
◎ アートディレクター 安藤次朗さんより
【 関連ページ 】
【 連絡先 】
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➡ http://blog.livedoor.jp/cosmotech_no1/
有限会社コスモテック 青木政憲
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TEL:03-5916-8360 / FAX:03-5916-8362
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