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「 『 東大駒場リサーチキャンパス公開 2024 』 アイテム制作の裏側 」

コスモテックの青木です。

今回、コスモテックは箔押し加工をメインに 『 東大駒場リサーチキャンパス公開 』 のアイテム制作( 封筒・ステッカーなど )をしました。


◉ 東大駒場リサーチキャンパス公開 とは?

東京大学 先端科学技術研究センター と 東京大学 生産技術研究所 の2つの研究所の合同開催によるキャンパス公開です。 2つの研究所で行われている研究をより広く多くの人へ紹介するために一般公開として開催されている年に一度の恒例行事が 『 東大駒場リサーチキャンパス公開 』 です。

普段は立ち入ることの出来ない研究室内部の見学、世界トップクラスの研究者たちによる最新の研究成果などに触れられる貴重な機会となっており、多方面から注目されている大イベントなのです。

東大駒場リサーチキャンパス公開 ホームページ : https://komaba-oh.jp/ 

◉ 封筒に一直線に走るホログラム箔

『 東大駒場リサーチキャンパス公開 』 のインビテーションを同封する東京大学 生産技術研究所の封筒には同研究所のスローガンである 「 もしかする未来の研究所 」 という想いを乗せて、コスモテックの箔押し加工技術がシンプルな箔押し表現の中にぎゅっと凝縮されています。

封筒のベロの端と平行に走る 一本のスマートなホログラムライン


ロゴには黒つやの箔を、そして 封筒のベロ( 封入物をしまう時の のりしろ部分・フタ )には一本の細い直線をホログラム箔で加工しております。

封筒は、封筒の形に仕上がった状態のものに箔押し加工しました。
箔押し加工の手法や原理をうまくデザインに取り入れ、黒つや箔とホログラム箔の2色の箔を一撃で加工しました。

箔押し機の仕組みをデザインに取り入れ
工夫を凝らすことで2色の箔を1回の箔押しで実現


一直線に走るシンプルで力強いホログラムの箔を、未来に走る( 未来の科学に一歩近づく )、近未来への期待になぞらえて、びしっと箔押し!

繊細な直線の箔押し表現を実現させるために、まずは線幅の異なる金属版を数種類 製作し、「 一体どのくらいの幅がちょうどいいのか? 」 「 繊細さを保ちつつ、ホログラム箔の光彩がぐっと伝わりやすい線幅とは? 」 など 箔押し加工の立ち会いを通して細部にわたって検証を行いました。

試作段階で準備した数種の線幅の金属版
たった 0. 数ミリ の違いで与える印象、ホログラム箔の光彩の見え方は変わる
今回の 「 ちょうどいい具合 」 とは何かを探る
箔押し加工立ち会い時の様子


こうしてより精度の高い箔押し表現を実現させました。

◉ スペシャル ステッカーのデザインと印刷加工

ご来場のお客さまが 『 東大駒場リサーチキャンパス公開 』 のスタンプラリーを通してキャンパス内を周遊することで入手できるスペシャルステッカーの制作( デザインと印刷加工 )も、コスモテックにて担当させていただきました。

完成したスペシャルステッカーがこちら
銅版でアバロンセレクト箔 × 彫刻版でピンクゴールド箔


ステッカーは 先端科学技術研究センター と 生産技術研究所 の2つの研究所の合同開催であること、2つの研究所の結びつき・協力を大切にしていることを表現し、お客さまに感じていただけるように、コスモテックがデザインをご提案させていただきました。

加工技術が前面に大きく先行しないよう
仕上がりに馴染むことを意識した印刷加工を展開
今回、ステッカーの箔押し加工に使用する金属版は2つ
写真はその内の1つ note の記事内ではお馴染みの銅版


そして何よりも、 『 東大駒場リサーチキャンパス公開 』 が、ご来場くださるお客さま( 企業・他の研究機関の研究者さま、近隣住民の皆さまや未来の科学者である小中高生 等 )にとって素晴らしい実りある一日になりますように、そして 「 明るい未来 」 を想像して、技術面( 印刷加工 )ではコスモテックの加工技術を随所に盛り込んだデザインに仕上げ、『 宝物 』 になるステッカーを目指して製作・加工に臨ませていただきました。

愛らしいキャラクターたちも組み合わせる印刷色( シルバー )によって
どこか大人びた雰囲気に


ステッカーの背景にはキービジュアルで、親しみやすいポップなキャラクターたちを紋様のようにレイアウトし、色は落ち着いたシルバーを基調として印刷しております。

また、印刷のシルバーをより引き立たせるためにステッカーの表面に つやつやの グロスPET を貼り合わせることで、近未来感漂うシャープな光沢を強調し、ステッカーそのものにも厚みを持たせて物質感・モノ感をしっかり感じ取れるよう工夫しています。

子供から大人までもが 『 宝物 』 として大切に取っておきたくなるように、加工技術をぎゅぎゅっと詰め込んではいても マニアックになり過ぎないように。すべてがちょうどいい具合・いい感じに馴染む雰囲気も大切に設計しました。

ステッカーは一枚一枚手作業で箔押し
2色の箔押しのため工程は2回 2倍の手間暇、時間を要する

KOMABA RESEARCH CAMPUS のタイトル文字

ステッカーの中央に配置した KOMABA RESEARCH CAMPUS の文字は2色の箔押しとエンボス加工( 浮き出し )で表現しました。

2色の箔とエンボス( 浮き出し )を組み合わせることで
ステッカーが立体感を帯び、さらには物質感を増すことに一役買っている
銅版とは別のもう1つの版がこちら 彫刻版
この版を用いて、箔押しとエンボス( 浮き出し )を同時に一撃で行う


駒場リサーチキャンパス公開 2024 のキャッチコピー 「 未来の科学に一歩近づく 」 という前進への思いと、先端科学技術研究センター と 生産技術研究所 の2つの研究所の合同開催を2色の箔のコンビネーションに込めて、もっとも目にとまるステッカーのタイトル文字に加工技術をぎゅっと詰め込みました。

これは校正( テスト・試作 )の 箔色 × 箔色 のパターンリスト
シルバーの印刷 × 箔押し × 箔押し によるパターンの検証
組み合わせる箔色によって仕上がりのイメージが変化する


背景色のシルバーの印刷と2色箔の文字の親和を図るために、校正( テスト )の段階から2色箔の組み合わせパターンを数種類 用意し考察しました。

① 銅版でホログラムシルバー箔 × 彫刻版で黒銀箔
ホログラムシルバーの文字の輪郭部分を黒銀箔が囲み
そして、黒銀箔の部分がぷっくり盛り上がっている
② 銅版で銀箔 × 彫刻版でホログラムシルバー箔
輪郭部分のホログラムシルバー箔がチラッと虹色に偏光
さり気無さを狙った校正のパターン


写真①と②を比較してもわかりますが、KOMABA RESEARCH CAMPUS の文字をホログラムシルバー箔で表現するか、もしくは文字の輪郭部分をホログラムシルバー箔にするのかでも 箔色( 銅版 ) × 箔色( 彫刻版 ) によるステッカーの見え方や与える印象はまるで違います。

校正( テスト・試作 )ではこのようにさまざまな箔押し表現の可能性を考慮に入れ、箔色の組み合わせパターンを作成しました。そして、その中から一つに絞られ 選ばれたのが一番最初にご紹介した写真、完成したスペシャルステッカーの箔色の組み合わせなのです。

◉ 「 未来の科学に一歩近づく 」

2つの大学附置研究所の合同開催によるキャンパス公開のアイテム制作の裏側をご紹介しました。今回、コスモテックが制作過程で大切にしたことは、この記事の前半で登場したキャッチコピー 「 未来の科学に一歩近づく 」 です。

東大駒場リサーチキャンパス公開 』 という開かれた場所を通じて誰もが身近に未来の科学に触れられる機会に、アイテム制作では丁寧に細部にわたって加工技術を盛り込ませていただきました。

ホログラムシルバーの箔の抜け殻
抜けている文字部分はすでにステッカーに箔が押されている箇所


コスモテックで制作の一端を担わせていただき誇りに思います。


【 連絡先 】

ようこそ!行列のできる『箔押し印刷工房』へ
http://blog.livedoor.jp/cosmotech_no1/
有限会社コスモテック 青木政憲
〒174-0041 東京都板橋区舟渡2-3-9
TEL:03-5916-8360 / FAX:03-5916-8362

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