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風の記憶、時の雫

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note をはじめてみようと思う。 秋晴れの空を眺めていたら、風がやってきて、 そのときにふと思ったわけです。
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2021年4月の記事一覧

夢は夢

寝ても覚めても夢は夢 夢は幻というけれど それはぼやけた輪郭の夢しか見ていないから 考えて 悩んで 苦しんで 努力して それでも忘れられないくらいに 大切なものだと気づいたら カタチを模索し始めた カタチが見えてきたら それは幻のような夢ではなく 未来の目標になっていった 夢は夢 輪郭を持ち カタチをつくれば未来になる ぼくだけの未来になる それだけは忘れるな

思いをいたす

今日は昭和の日。 令和も3年目となると 昭和は遠くなりにけりの感が強くなります。 と言っても、令和はまだ本気を出していない。 令和という時代を築くその助走期間に ぼくらはいます。 この助走期間は結構厳しいものがある。 それは戦争でもなく、大地震でもなく、 強大な台風でもなく、 その厳しさと怖れは目に見えないものでした。 それは今まで経験したことがないような 時代の変化でした。 この厳しさは平成から時代の転換をする、 何も準備をしてこなかった 大きなツケでもあると思います。

月光浴の力

昨日、ピンクムーンを観た。 月光浴は不思議な力が降り注ぐ気がする。 思うように進まないことが続くと なおさらのように満月の光に救われる。 人生、なんでもすんなりと 計画通りに進むことは滅多にはないと思う。 行き詰まったり、 先が見通せなくなることの方が多い。 突然、環境の変化が訪れることもあり、 計画の変更を余儀なくされることもある。 そんなときに大事なのは、柔軟であること、 臨機応変に対応できる心構えがあることだ。 そして何よりも、プランの変更を 自分の意思で行うとい

沈んだ空

空が沈んでいる 昨日まであれだけ晴れていたのに 覆われた雲で 青空が見えない 乾いた空気の中で 火災が起きた 消防車のサイレンが近くを通り過ぎる それほど遠くはない 今夜は十六夜 昨夜と同じように月明かりが ココロの中に 差し込んでくると思っていた あと1時間ほどで 日が沈む 覆われた雲で夕焼けも見えない 空が沈んだまま夜になる 逢いたい気持ちが募る ココロが求めている 澄み切った空から月光に照らされば 切ない思いも映せたろうに

死んでも運は遺る

今日は父の三回忌法要でした。 命日は30日なのだが、 事情で今日行うことになった。 今のご時世から家族のみで行ったのだけど これはそれでも味わいもあった。 快晴の空、数日前のような暑さもない。 皐月の風を思わせる心地よさが 開け放ったお座敷の向こうから入ってくる。 いつもより早く咲いたツツジも 皐月の日差しを浴びてきれいだ。 父は晴れ男で、運がいい人だったと 常々、母は言う。 亡くなったのも平成最後の年、 葬儀の日も今日のような快晴で、 親戚や父の兄弟も大勢駆けつけてく

地球のため息

どうにも 人間には この惑星は 手にあまるようだ 地球の 資産と能力を 食いつぶしてばかりいる そう思ったかどうだか だれかが ため息をついた 摩天楼の上で 砂漠の端っこで 廃墟の街で 小さな島の上で ため息は 次第に大きくなり 地球を取り囲んだ 宇宙に浮かぶ 青い惑星は ため息混じりの 大気が覆っている いつか 人間をとっかえようと だれかが思っても 仕方がない そうならないように 人間よ 学べよ 人間よ 生きながらえよ

日が長くなった理由

日が長くなった。 日が沈んでから夕闇の美しい空が見え、 やがて夜の帳が下りて 完全に夜の暗さになるまでの時間が長くなった。 それだけ夕暮れの楽しみが長くなるというもの。 春から初夏に向けて、この時間の美しさは どんな言葉をもって形容すればいいのか、 なかなか難しいものだ。 秋の夕暮れの趣とはまた違う。 物悲しささえ漂わせている空とリンクする こころの景色は夕闇迫る空に映し出される。 春にはそれがない。 趣を彩りに変えて移す空は、 こころに力を授けてくれるように 夕風とと

場の力

「場の力」はあります。 「場」には固有の「気」というものが あるように思います。 体の調子が悪い人が、 自分の生まれ育った土地に行くと回復に向かうのも、 場が持つ気と体との相性がいいからなのでしょう。 自分が保っている気との相性がいい場所 で暮らすのはとても大事な事のように思います。 それは生まれた土地でなくてもあると思います。 逆に生まれた土地とは相性が悪いこともあるでしょう。 ぼくらは成長とともに、 自分に合う場所を探してもいるのでしょう。 そうして、人は移り住んでき

この道、あの空

この道は誰かが通る道 あの空は誰かが翔る空 転がる石ころも 傍に生えている草も 邪魔をしているわけでもない この道を道らしくする 浮かぶ雲も 吹いてくる風も 空の広がりを遮りはしない 青の空を空らしくする ぼくが踏みしめた 誰かが後に続いた やがてこの道のように 道らしき道ができていった いつかあの空も 自由に行き交う場所になる 道は最初の人のものではなく 続く人たちに示すもの この道は続く人に開かれた道 あの空は続く人も翔る空

まだ4月なのに

暦の上ではまだ春なのに もう初夏の暑さ 日差しはまぶしく 日向に長くはいられない のどかに晴れた空を見上げながら のんびり屋の雲と対話したいと 思っていたけれど この暑さではそれも難しい 5初夏月に咲き始めていたツツジも もう半分くらいは花開いている 翠は早くも濃くなりかけて 日陰が恋しくなる どうしようもなく 季節の早さについていけなくなる 今年の夏はもっと暑く もっと長く続くような気配がしている なぁ もう少しのんびり行こうや

無垢

この世がまだウブな世界だった頃 魂は無垢の衣をまとっていた 夜空には無数の星々がきらめき その明るさで道が示されてさえいた 無垢の魂はやがて心を持ち 生きの残るために脳で考えるようになった 幾歳月が過ぎウブな世界が欲にまみれ 過剰な鎧をまとうようになった 無垢でなくなった魂は あの世と通じ合うことができなくなった 次第に心も複雑になり脳が肥大化した 夜空の星々も数を減らしていった いつしか人工の星々が地上に現れ この世は様変わりした 今なお生まれ出ずる魂は無垢な

蒼い時

ココロがあおい頃の昔をなつかしむ 手持ちの色数も少ない 不安定なぼくは 黒く塗りつぶすことに恐れをなし 緋く塗ることにも抵抗を感じていた 中間色の世界を描ききれなかった 不安定な振り子は揺れまくる 白い画用紙の上で途方に暮れたぼくは 行き場をなくした世界に 不満だらけの怒りを描きなぐった 晴れないココロが沈んだ日から 教室の外から目を移せば 見慣れた机が規則正しく並んでいた その机にあてがわれた生徒は どこかに不安定さを忘れてきている ココロの彩色が 虹より美しく感じた

生きるための樹

できること やり続けたいこと ただ一つ同じなのは 大きな樹の幹であること その幹を太く強く 延ばしていくために みずみずしく青々とした たくさんの枝葉を必要としている その樹の枝で休んだり 巣作りをする鳥もいるから やせ細った柔な幹だと 風雨に耐えることさえ難しい 根から十分な栄養を摂り 日を浴びて休息をとる まっすぐでなくてもいい 生き続けていることが大事なのだ

雨の日に開く扉

久しぶりに雨らしい雨が降った。 乾燥続きの大地を湿らせ、 空気を洗うように降った。 草木は緑を冴えた色に変え、 花はみずみずしさの色を取り戻した。 人間には休息の一日を与え、 ぼくは横になる。 静かなひと時に 開いた本の活字の隙間に入り込む。 一度訪れた世界なのに新しい。 今世界は閉じようとしている。 本の世界は開かれている。 巡り合わせはいつも機会を待っている。 人間の意思と行動に委ねられている。 向こうからはやってこない。 雨で出かけるのも億劫になる日。 ぼくらには