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風の記憶、時の雫

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note をはじめてみようと思う。 秋晴れの空を眺めていたら、風がやってきて、 そのときにふと思ったわけです。
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2019年4月の記事一覧

海の響

  私の耳は貝の殻   海の響きをなつかしむ ジャン・コクトーの詩です。訳は堀口大学。 ジャン・コクトーのたった2行の詩が 有名になったのは堀口大学の訳があったから と言われるほど見事な訳詩になっています。 「響き」は、原詩を直訳すると「騒がしい音」、 「なつかしむ」は、原詩を直訳すると「愛する」 になるそうです。 「海の騒がしい音を愛する」とはどういう意味を 表現しているのでしょう。わかりますか? 「海」は「母」の象徴です。 母の胎内にいるときの記憶、 母がこれから生

ソクラテスの苦悩

「肥った豚になるよりは 痩せたソクラテスになれ」 つまり・・・ 「豚はダイエットしても ソクラテスにはなれない」

銀河時空ステーション①

銀河時空ステーションから 地球時間23時以降の出発予定を ご案内いたします。 ・「星めぐりの舟」は23時から  スターゲート第3番ポートから ・「深宇宙探索線」は25時から  スターゲート第1番ポートから ・「時間旅行過去線」は00時から  タイムゲート第5番ホームから ・「花めぐりの馬車」は明朝6時から  シーズンゲート第1番ホームから ご乗車予定のお客様は、 それぞれのゲート前の 待合室にてお待ちください。 なお、明朝6時以降の運行予定は 発車確認が取れ次第、

優しい心

それは言動に責任を持つこと。 それは責任を持たない言動は やさしくないということ。 言葉や言い方がやさしいものであっても 責任を持たないものは「優しい」とは 言えないということ。 あなたが大切に思うひとが 無慈悲な仕打ちを受け 悲しみに打ちのめされているとき、 理不尽な要求を強いられ 生きるのが辛くなるほど苦しんでいるとき、 やさしい言葉に責任がないとしたら やりきれなさに支配される。 やさしい心には責任がともなう。 やさしさをまっとうするための責任がある。 そのために心

「調和」というもの

調和が何かを知るには 自然に接する時間を増やすこと。 自然は調和でできている。 それは宇宙の調和からくるもの。 自然界に不調和はない。 人為的に崩す場合も、 調和が前提にあって、 そこに意図した崩しを入れる。 これが新たな芸術になる。 最初から崩したものは 軸がないので安定しないし、 美的価値は生み難い。 音楽でも和音は調和で、 不協和音はその調和が前提にあって それを崩すところで価値が生まれる。 人間も本来そうなのだろう。

もっと自由に

自由にならない。 全然自由じゃない。なんて 制約や制限をつくっているのは たいてい自分自身なんだ。 自由に憧れながら、 自由であることを怖がっている。 意外とそんなことで縮こまっている。 あーもったいない。 自分を自由にするのは 自分自身なんだ。 自由を選択するのは自分自身。 翼がないから飛べないなんて言い訳だ。 翼があっても飛べない人もいる。 都合のいい理由ぶら下げて ぼくらは自由を窮屈にしている。 あーもったいない。 もっと自由を自由に、 もっと自由を楽しく。 も

「ありがとう」という言の葉

「ありがとう」の語源は「有り難し」。 あることが難しいということ。 それを忘れなければ、 些細なことでも、 そこに在ること、それが起こること、 そこに恩恵が生まれることと思えます。 「ありがとう」の反対語は 「あたりまえ」だから、 あたりまえでないことに対する 感謝の念を抱き伝えることになります。 人として生まれたこと自体が すべての生命体の中でも 奇跡のような有り難い出来事なのだから、 「ありがとう」という言葉が 真言と言われるのはわかりますね。

許容量と寛容度の間で

あと1週間ほどで、平成から令和へ 元号が変わろうとしている今、 社会はどこかおかしな時代のまま移ろう としているのではないかと不安になる。 この胸の内がざわついた感じは今までにない。 これを意識や水準の劣化とする人も 結構いるようだ。 でもそれだけではこのざわつき感は 収まりをみせない。 その大本はどこにあるのかと考えて いくとふたつのあることが頭に浮かぶ。 一つは「身勝手な許容範囲の拡大」、 もう一つは「不寛容さ」だ。 記憶に新しいところでは、2024年に発行 される新

神の縁

善き友人は善き縁を結び、 悪き友人は悪い縁を結びたがる。 善き縁は神様の縁。 悪き縁は厄の縁。 どちらにしても、 心構えひとつで それを選ぶことができる。 それを考えることは 心構えをつくるのに必要だ。 心構えなきところに縁はこない。 善き縁は拡がりをみせる。 悪き縁は囲い込みをみせる。 閉じようとする縁は悪き縁。 開きようとする縁は善き縁。

麦の空

空にまっすぐ立っている麦は 朝日で顔を洗う ぼくの背筋が伸びる ぐんと伸びる しゃきっと伸びる 麦は若い伸び盛り ぼくの前でもっと空に向けて 伸びろと涼しい顔をする ぼくを引っ張り上げるように 空は青を深めている

長閑けし春の海

海が見たいとふいに思った 風を感じたいと身体が反応した しばしクルマで走るとやがて 土曜日の昼下がりの海に会う かすむ青空の下に 長閑にさらさらと日差しは落ち 揺れる波間に ゆらゆらと蜃気楼が立つ 眠気を誘う景色は音もない 潮騒と釣り人の投げ入れる 釣り糸の重りだけだ 誰も邪魔する者はいない ひとは水のある風景に導かれる 澱む水ではなく 流れる水であり 留まる水ではなく 湛える水だ 水は生きている 時間もまた水 ひとは清流を好む 清流はいのちを育み守る 時間を止めるは

溶かした色

ふしぎな風がふいている とがった風もまるくなった 風の吹いてくる方角が変わっただけ さくらの花びらを絞って 空に溶かしたようにかすんでいる色 さくら名残りの色が空に拡がる ふしぎな風がふいて行く 空に溶かした色が降りてくる きみの手元に  ぼくの足元に

春風駘蕩

やまは うみに うたう うみは やまに うたう かぜが それを はしわたしする   のどかな いちにちが のんびりと   だまって ぼくを つつみこむ たいようは そらに ひろがる そらは たいようを いつくしむ ちじょうは それを うけとめる   しずかな いちにちが ゆるやかに   ぼくの きおくに きざまれる 

時代は巡る

時代は巡るとすれば、 それは血の巡りと似ている。 濁ったままの血が巡ることは 新しい時代を病むことになる。 血をきれいにして、 血管も流れやすく 澱みを取らなければいけない。 時代も生き物だ。 生きているからこそ 健康でいることが大事なのだ。 時代が変わったからといって 勝手にきれいになってくれる ものではない。 その時代に向き合い生きるために 自らきれいにすることが大切なのだ。