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好奇心から始めた宇宙事業。ミッションは『科学と社会をつなぎ 宇宙を文化圏にする』こと

岡島礼奈(おかじま・れな)さん
株式会社ALE 代表取締役社長/理学博士(天文学)

プロフィール
鳥取県出身。
東京大学大学院理学系研究科天文学専攻にて博士号(理学)を取得。
卒業後、ゴールドマン・サックスへ入社。
2009年 人工流れ星の研究をスタート
2011年 株式会社ALE設立


【お仕事内容】「宇宙を文化圏にする」ための事業を展開

―お仕事内容について教えてください

株式会社ALEを経営しています。
ミッションは「科学を社会につなぎ 宇宙を文化圏にする」を実現すること。

そのための事業が具体的には3つあります。

①人工流れ星等を使ったエンターテインメント
②大気データ(流れ星のデータや人工衛星で取得したデータ)取得測
③宇宙デブリ対策の装置開発
です。


―宇宙デブリを防ぐとはどういうことですか?

人工衛星をデブリ化させないための装置を作っています。

人工衛星が役割を終えた後にと衛星軌道を下げて、大気圏に突入させることで焼却廃棄できるようにする装置です。
具体的には、人工衛星に搭載した装置から展開されるテザーテープ(長い紐)で、大気抵抗やローレンツ力の力で軌道を変えるような仕組みですね。


―今打ち上がっている人工衛星は、別のやり方で軌道を落とす仕組みなのでしょうか?

今我々がアプローチしているのは、これから打ち上げる人工衛星に対してであり、今ある既存宇宙デブリに対してのものではないんです。
今存在しているデブリを捕まえて落とすという方法で問題に取り組んでいる企業は他にもありますが、我々の事業はこれ以上ゴミを出さないようにしていくという試みですね。


―1日のスケジュールについて教えてください。ルーティーンなどもあれば。

日によって違うんですが、朝はAM7:00ぐらいに起きて、子供の朝ご飯を用意したり、英語の勉強をしたり。
AM9:00-AM10:00ぐらいから、リモートワークに入ります。

オフィスに行く場合もありますが、オフィスでは終日会議などコミュニケーションに時間を使うことが多く、気が付いたら1日が終わります。
自分が子供を迎えに行く当番の日は、18:00ぐらいに迎えに行って、家事をします。家事の合間に、携帯でSlackの返事をしています。
夫が迎えに行く当番の日はオフィスに残って作業をしていますね。


―社内/社外の会議の割合はどれくらいでしょうか?出張についても教えてください。

大体半々くらいですね。出張もよくあります。
コロナが起こる前だと、月に1週間海外に行っていることもありました。

海外には、カンファレンス参加、投資家や潜在顧客、事業パートナーや候補に会う目的で行くのですが、最近は全然行けていません。海外とのネットワーキングの機会が激減しています。
既知の相手や紹介でのオンラインMTGなどはあるのですが、偶然の出会いがないですね。

カンファレンス登壇はしていますが、オンラインが中心なのでとにかくネットワーキングがしにくいと感じています。
例えば、パネルディスカッションでしたら、相手の名前がわかって、そこからLinkedinで調べて知り合いになる、ということができます。

オンラインの繋がりは雑談ができないのが残念です。


―潜在顧客という話がありましたが、ALEさんのお客様の国内、海外の割合の割合について教えてください。

実は3つ事業があるのですが、全部分野が違うんですよ。

1つ目がエンターテインメントのサービス業に当たるもので、2つ目がデータを扱う事業。3つ目がデバイス製作なので、製造業みたいになるわけです。

特に営業活動を国外で幅広くやっているのが、1つ目のエンターテインメントの部分ですね。海外の観光庁などの行政機関と話をして、国等の大きい単位のプロジェクトとして話を持って行っています。

3つの事業で事業進捗もそれぞれ違います。

2つ目のデータ事業に関しては、まだ、ビジネスパートナーを探しているという段階です。我々はフランスのインキュベーションセンターに机を一つ借りてオフィスにしているのですが、そこを拠点にネットワークづくりをしたり、アドバイザーさんを通して色々な人と繋がったりしています。

3つ目のデバイス製作に関しては、マーケットが宇宙業界なんですね。宇宙系のカンファレンスや、宇宙系の代理店的なところに話をしています。

全部の事業で状況が違っており、最近は会社も組織らしくなってきたので、わたしが全部やるというわけではありません。それぞれの担当が実務を担って、わたしはどちらかというと必要なときだけ出ていくという感じになっています。 

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【やりがい】共通の想いを持った仲間、チームの成長

―お仕事の中で一番やりがいを感じるのはどんな時でしょうか?

この間、「出る杭に心を打たれるキャンペーン」(※)に選んでいただきました。よなよなエールさんが「よなよなビアファンド」というのをやっているんです。
出る杭的な人に、出る杭を打つのではなく、出る杭を応援しようというプロジェクトなんですね。
(※よなよなビアファンド「出る杭に心を打たれるキャンペーン」

そのインタビュー時に思い出したんですが、小さい頃は宇宙の話で気が合う人が周りにいなかったんですよね。コスモ女子の中には共感される方もいると思うのですが。
会社を立ち上げてしみじみ思ったのが、会社の中に話の合う人しかいないのです。

みんな宇宙が好きで、やりたいことも一緒で、なんかそういう仲間が集まってきているっていうのが、すごいことだなあって思っています。そういう意味でも毎日楽しくて仕方がないなと思います。

あとは、我々は順風満帆に行っている会社でもないんです。

はたから見ると全て順調に見られがちなのですが、いろいろ失敗も経験しています。まず、1つは2020年に本当は流れ星を流しているはずだったのですが、失敗に終わっています。当時はもしかしたら倒産してしまうのでは、と頭をよぎったこともありました。

そんな中でも、仲間達が同じ目標をもってそれぞれの役割を果たして、ちゃんと資金面でも乗り越えて、それでまたなんとか次の挑戦に進めています。

失敗から次のチャレンジへの過程で、みんなが色々な力を発揮したんです。みんながバラバラにならずに、それぞれの持ち場でちゃんとこうやって生き延びられたっていうのがすごくよかったなって思います。やりがいがありますね。

うまくいっている時だけではなくて、ちゃんとピンチの時も乗り越えられるチームになっている。そういうところがうれしいなあと思います。


―チームづくりで大事にされていることがあれば教えてください。

チームづくりはすごい課題なんですけれども……。

実は、数年前にチームビルディングに失敗したことがあるのです。
その時に、ミッション・ビジョン・バリューの明文化に力をいれて取り組みました。結果、わたしたちのミッションに共感してくれる人を採用できることが増え、いいチームになりつつあるなっていうのがまず1つ。

2つ目には、なるべく不満の声が上がってきやすいように、HRのチームが中心となって細かくケアしています。こまめにそれぞれの声を吸い上げるようにしていて、そこで出てきた声をなんとか仕組みで解決出来ないかなという感じで、割とコツコツ改善しています。

ビジョンを明確にしてわかりやすく伝えるという取り組みと、草の根で細かいフォローするという2つを大事にしています。


―ミッション・ビジョン・バリューは、面接で岡島さんがお伝えするのでしょうか?

直接お伝えすることもあります。
あとは、1年ぐらい前にリブランディングして、ホームページをわかりやすく変えました。
その結果、ホームページを見て共感して増えた仲間が2人いるんです。

そのうちの1人は、数年前にALEのホームページを見たときはあまり共感ができなかったそうですが、今回新しいページを見たらALEという会社のミッションを誤解していたことが分かった。

我々が、エンターテインメントだけをやりたい会社ではなくて、科学をやりたい会社であるということを、ちゃんと伝えるようにしたところから採用に繋がっているんですね。

だからもちろん、ALEの事を何も知らないで門をたたく人には説明しますが、HPを見て「あっいいな」と思ってくれる人も多いので、リブランディングやってよかったと思います。

ミッション・ビジョン・バリューを明文化する過程で、デザイン思考の分野で著名な佐宗邦威(さそう くにたけ)さんにコンサルに入ってもらい、「妄想をビジョンに変える」作業をやって、その件が本になっています。

ALEのことを調べたらその本に行き当たって、そこから興味を持ったという人もいたりします。だからやっぱり、ビジョン・ミッション・バリューをわかりやすく出していくことがすごい大事なんだなあと思いました。
参考:佐宗邦威『ひとりの妄想で未来は変わる VISION DRIVEN INNOVATION』(日経BP)

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社内ミーティングの風景


【きっかけ】入社1年目でリーマンショック・・・、そして退職

―創業のきっかけを教えてください。ゴールドマン・サックスに入社された時から起業を意識されていたのでしょうか。

わたしは大学で天文学を専攻していて、流れ星のアイデアも学生時代のものなんですね。
そもそも、なぜこれを事業にしたかったかというと、ミッションやビジョンにも関係するのですが、「科学を社会につなぐ」ことがしたいんです。科学を発展させて、それで人類のサスティナブルな発展に貢献したくて起業を志しました。

そんな中でゴールドマンに入ったのは、お金について学びたかったからです。

研究者に向いていない自分に何が出来るかなと考えたときに、流れ星を事業にすることも、科学の発展と言えるんじゃないかと考えて。
金融の世界に入れば、お金でお金を生んでいる現場がわかるので、何かしら科学の世界にお金を持って行くための、考えやアイデアが出てくるんじゃないかと思いました。

あとは、もし上手くいけば、自分で会社を作るときの資本金を貯められるぞと思っていました。結果的には、貯まらなかったのですが。
入社した年がリーマンショックの年で、外資系なのですぐに部署縮小となって退社することになり、流れ星の研究開発を始めるというスタートでした。


―ゴールドマン・サックスには何年いらっしゃったのですか?

1年です。本当は、2-3年働きたかったんですよ。

そうするとボーナスなどで、お金を貯められるなと思ったんです。
でも、結果として退社することになって、時間が出来たから研究しようというそんなスタートでした。


―研究は具体的にどうやって始められたのですか?

論文は読んでいましたが、自分1人で研究を始めたというよりは、まず大学の先生を探しました。わたしはエンジニアリングの専攻ではないので、わたしの経験や知識だけでは足りなかったんです。
こういうことをやりたいので、一緒にやりませんか?という感じで話をしに行きましたね。


―その行動力は昔から?

昔からだと思いますね、確かに。


―社会人2年目にスタートしたということですよね?

社会人2年目といってもわたし、ドクター(博士課程)取っているので30才ぐらいなんですよ。
だから30才でリーマンショックで、社会人経験が1年しかない状況で放り出されてしまったので、転職活動も全然上手くいかなくて、何十社も書類で落ちていますね。

やっぱり自分、社長向いてるなと思うのが、細かいことを人に頼めるじゃないですか。
それがすごいよかったですね。誰かに決められたことを、きちっとこなすっていうことができないんですよ。むしろはみ出しているのが社長じゃないですか、ある意味。

はみ出して許されてるって事が、職業という意味で、社長でよかったと思っている。
結構周りが大変なパターンですね(笑)。


―岡島さんって、すごく話しやすい社長さんだなと思います。

本当は、会社全体をフラットにしたいんですけどね。
あんまりワンマン社長とかいう性格でもないですし、フラットな組織でみんなが自立的に働いているのがいいなと思っています。


【フルコミットの転機】起業から5年目、ついに本気に

―会社を立ち上げられるために苦労したことはありましたか?

登記するだけなので、会社を立ち上げるのは何の苦労もないんです。
実は、最初の5年ぐらいは、フルコミットしていないんです。
会社組織はあるけど出資も得てないし、流れ星自体がちゃんと事業化できるかも未定な状況だったので、週に1回ぐらい流れ星の活動をしながら、週4日は別のところで業務委託みたいな感じで働いていました。


―コミットしてやり出したのは何かきっかけがあるのですか?

流れ星の粒が明るく光るっていうのが実験室レベルでわかったので、事業化しようと思いました。
そこから、投資家を募ってフルコミットで動き始めました。オフィスを借りて、人も採用して。


―その過程で苦労というのはありますか?投資家さんを募るプロセスとか?

最初のほうは、実は苦労していないんですよ。
ゴールドマンにいた時の上司やお知り合いを紹介していただいて、意外と順調にお金が集まったんですよね。

エンジェル(投資)でこんなに集まるんだっていう金額を集めさせていただいて、その時はそこまでは苦労はなかったです。
やっぱり人が集まりだしてからの方が、苦労が多いですね。

例えるなら、遠くに見えている木があって、そこまで行くのがすごく簡単そうに見えるけれども、近づいてみると道が凸凹していたり、川があったりしてなかなかたどり着けないっていう気分ですね。
近づけば近づくほどいろんな問題が、解像度が上がってくるので大変になります。

「立ち上げの苦労」ってよく言われますが、立ち上げというよりは、それを継続して大きくしていくことの方が苦労が多いんじゃないかなって思いますね。


―人が集まりだしてから、特に大変だったのはどんなところでしょうか?

人工流れ星は、世界初の取り組みなので、まず、人の理解を得るのが難しかったというのがあります。
エンジェル投資は苦労せずに集まったのですが、ベンチャーキャピタルからの出資を得るのはとても苦労しました。

あと、世界初ということで、これは誰が許可するのか?など制度の問題でも苦労しました。前例がなさ過ぎて、みんなでてんやわんやして、色々な法律関係の先生に聞いたりしました。

技術的には、流れ星の粒と放出装置です。実際に、放出装置が完成したと思っていたら動作不良で動かなかったのも、苦労の一つですね。
結果的に失敗は次の糧になるのですが、やはり新しい事をやるときのチャレンジというのは、色々あるなあと思います。


―やりがいでもありつつも、大変な部分でもあるのですね

そうですね。
だから、最近、何事も起きない日があると、何か見逃してるに違いないと思って、不安になるんですよ、逆に。
何か問題が起きているときの方が正気を保てるっていうか。
何も起こっていないと逆に不安になります。笑


【宇宙を好きになったきっかけ】幼少期に見上げた星空。「わたしもアインシュタインのように!」からの紆余曲折

―宇宙が好きになったきっかけはどういうところでしょうか? 

出身が鳥取県なので、星空がきれいなところで育っているんですね。
あとは本ですね。スティーヴン・ホーキング『ホーキング宇宙を語る』(早川書房)とか、アインシュタインの相対性理論のマンガ、ニュートンの宇宙特集とかで、すごく宇宙に興味を持ちました。
どうやって宇宙ができたんだろうとか、そっちに興味があって。
実は星座はわからないんですよね。


―親御さんの影響はありますか?

いや、全然ありません。
(親は)星好きじゃないし、勝手に宇宙に興味を持ったという感じですね。


―いつぐらいから宇宙分野に進もうと思われたのですか?

中学校・高校ぐらいから宇宙に進みたいなと思っていました。
ホーキングとかに憧れて理論物理学者になりたかったのですが、なんか頭がついていかないんですよ。

アインシュタインが16歳の時に一般相対性理論をやっていたので、16歳の時に、せめて一般相対性理論ぐらいは理解出来るようになりたいと思ったのですが、全然理解できないんですよね。だから頭の出来が違うなと思って。

それを学校の先生に悩み相談みたいな感じ聞いたら、
「お前、アインシュタインと自分比べてるの?」
という回答。
先生も、ちょっとひどいって思いません?(笑)


―リフレッシュはどうされていますか?

結構リフレッシュしている方だと思います。
子供と一緒に遊んでいると、本当に気分転換というか、嫌なことを考え続けられないというか、強制的に気分を変えないといけなくなったりします。

子供と一緒に今お茶を習い始めたんですよ。
長男が9歳で次男が5歳なのですが、長男と一緒にお茶を習い始めて。

和菓子目当てで子供がやりたいと言い出して、一緒にやってみたら思いのほかおもしろかった。和菓子って季節によって全然ちがうんですよね。すごいなと思って。

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お子様とSUP中の写真


【仕事と家庭の両立】子育て?自信ありません(笑)

―子育てで大事にされていることはありますか?

全く自信がないな、子育て(笑)。
子供の興味のある分野を邪魔しないようにしようとはしています。
子供の忘れ物とかすごく多いんですよ。
わたしが用意してないから。結構かわいそうな感じですね。(笑)


―旦那さんとのお時間で何か工夫されていることはありますか?

基本、交代交代で迎えに行く日と分けているので、平日会わないですね。
そもそも(夫は)朝起きてこないから、下手したら全然会わない時があります。
たまに朝起きてきて、わたしのリモートの後ろに写りこんだりしていますね。
土日に子供とどこか行くか、みたいなのはありますけどね。


―旦那さんは結構理解がある方なんですね。

多分、比較的あると思います。
やっぱり女性起業家って、離婚率は高い気がしますね。


―旦那さんは普通に会社にお勤めなんですか?

夫も自分の会社をやっていて、割と自由に時間を使っています。
だから、話が合うし理解があるのだと思います。


―どこで知り合われたんですか?

学生時代です。
学生時代もわたし、起業していたんです。
その時に同じオフィスにいた人です、別会社なんですけど。
同じ建物にいる別の会社の人。もう15-6年前になります。


―尊敬する人や目標にする人はいますか?

ひとりのロールモデルというよりは、複数の人のいいところを見ているタイプなんです。

仕事のやり方という意味だと、会社のメンバーのみんなの仕事が参考になります。エンジニアの人は自分が出来ないこと出来てすごいなみたいな。
人の関わり方に関しては、前の会社の上司とかが色々サポートしてくれていて、尊敬出来る感じです。

あと、ALEに投資してくれているホライズンズ・ベンチャーズというファンドがあるんですが、代表がソリーナさんという女性で、彼女のビジョンや人をエンカレッジするところが特に素敵だなと思ってみています。
宇宙やっていると周りに素敵な人が集まってくる感じがします。
たくさんいるんですよね。尊敬出来る人。


―好きな本や映画とかあれば教えてください。

映画だと、特に好きなのが『コンタクト』です。
ジョディーフォスターが天文学者役ですごい天文学っぽい映画で、天文学者は結構見てますね。
好きな本でちょっと前までブームだったのは、劉慈欣『三体』(重慶出版社、早川書房)。

中国のSFなんですけど、おもしろかったです。
あと結構マンガを読んでいて、最近おもしろかったのが、魚豊『チ。―地球の運動について―』(小学館)。

これはコスモ女子のみなさんは好きだと思う。天動説が全盛の時代に地動説を唱えだした人の話です。
あと、稲垣理一郎『Dr.STONE』(集英社)とか好きですよ。
アニメ系は子供がNetflixで観るんですよね。宇宙兄弟から進撃の巨人からなにから、Netflixでエンドレスに流れてます。(笑)。


―「サスティナブル」がキーワードとしてよく出てくると思うのですが、きっかけはあるんですか?

元々鳥取出身で、小さい頃は休み海や山に行き、自然の中の生活をしていました。

動物好きな父はたまにサメを捕まえてきてみせてくれたり、鷲か鷹を捕まえてきて飼っていたことがあったり。
自然の豊かなところにいたので、ずっと前から、地球以外の惑星に生き物がいるとしたらどんなものなんだろう?とか、すごい興味がありました。

最近、共生農法という土壌を回復させながら作物の生産性を上げていくことに取り組んでいる方としゃべっていて、やっぱり生物の多様性は大事だよなと強く思う機会がありました。

我々のリブランディングの1つのテーマでもあるんですが、地球って宇宙空間から観たときにただの一つの点にすぎない、ちっちゃい、薄い、青白い星だっていう考え方がすごい大事だと思っています。

カール・セーガンが、散文みたなのを書いているんですよね。

「ペイル・ブルー・ドットは、これは我々の家だ」とか、
「ただ一つここに生命体があるんだ」とか。
「ここにしか生命がいないというのはすごく奇跡的なことなのに、この上でお金や権力で争ってるのって馬鹿馬鹿しいよね」
そういう感じの散文があるんですよね。

地球って1つしかないもの。
人類というのがちゃんと生き続けることが大事だし、そのためにも生物多様性が保たれていることが大事だし、それが心地よい未来なんではないか?という風に思うんですよね。
サスティナブルというのは、そういう意味で言っていますね。

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海外イベントにて


【宇宙産業の未来】宇宙に興味がない人でも入ってくるマーケットになりつつある

―今後、挑戦してみたいことや今後のビジョンについて聞かせてください。

短期的には、2023年の流れ星を本当に、確実に成功させるっていうことが第一だと思っています。

長期目線だとあるのは、地球の外でビジネスをするっていう方向にいきたいと思っていますね。もっと遠い未来だと、太陽系の外に関する事業なのですが、そういう感じでどんどん、おもしろい未知なところに行ってみたいなと思っています。


―宇宙業界を目指す人へのメッセージをいただけたらなと思います。

宇宙のお仕事という意味でいうと、わたしも小さい頃は、NASAに行くか天文学者しかないと思っていたんですよね。

でも大きなスケールで見ると、人間生活全て、地球の全てのことが宇宙の一部と考えることもできます。だから、逆に何をやっていても、宇宙は今後関係してくるのでは。

バックグラウンドとして宇宙の知識がないといけないと思われがちですが、人間の生活が全部関わってくると考えると、宇宙の知識だけあってもしょうがないと思います。
むしろ、ちゃんと地球で力を発揮出来るような人じゃないと、宇宙でも力を発揮出来ない。地球でも頑張れると宇宙に近いんじゃないかなって思います。

あとは、宇宙に興味のない人が入って来るようになってこその産業だと思いますね。
最近、宇宙系のスタートアップでも、宇宙のバックグラウンドがない方々が入ってきているんですけれども、それってやっぱり産業としてちゃんと認められつつあることの現れだと思うんです。

宇宙に興味のない人が考える事の方が、おもしろかったりしますよね。
わたしたちが、今まで考えなかったアイディアがありますもんね。


―ありがとうございました。


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〇宇宙のお仕事図鑑とは?

このプロジェクトのきっかけは、「宇宙関係の仕事につきたかったけど、宇宙飛行士や天文学者しか知らなかった。」という声がコスモ女子のメンバーからたくさんあがったことでした。
宇宙のお仕事図鑑では、宇宙関連のお仕事をされている方々に取材をした記事を発信していきます。
文系の職種も理系の職種も(文理で区分する必要もないかもしれません)、大きな組織の中でのお仕事から、宇宙ベンチャーや個人でのお仕事まで、「宇宙のお仕事」をこのnoteで発信していきます。

〇コスモ女子とは?

「コスモ女子」は、宇宙業界で活躍したい女性中心のコミュニティです。

宇宙に関する知識を身につける「宇宙の基礎講座」や、宇宙に詳しくなくても楽しめる交流会などのイベントを毎月開催!

コスモ女子から発足した、コスモ女子アマチュア無線クラブが人工衛星を2024年に打ち上げる予定です。

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