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ムスリム(イスラム教徒)が活躍する英語の本 ~[英語]多読のための読書ガイド 2022年6月号④~

英語学習誌『多聴多読マガジン』連載記事「多読のための読書ガイド」からのスピンアウト! 多読のプロたちによるおすすめの良書(英語の本)を紹介するコーナーです。

ノンフィクション編 ~2022年6月号~

執筆:伊藤 晶子(日本多読学会会員・公認会計士)

ムスリムのすごい人々

イスラム教徒はアラビア語で「ムスリム」と呼ばれます。ムスリム人口は、キリスト教徒に次ぐ第 2 位、世 界の人口の約 4 分の 1 を占めます。

今号は、入手しやすくやさしく読める LR*、GR* からムスリムの人々の本を 2 冊ご紹介します。

GRGraded Readers: 外国人の英語学習者向けに語彙制限されたリーダー
LRLeveled Readers: 英語圏に住むネイティブの子ども向け学習リーダー

(1) 「近代光学の父」イブン・アルハイサム

1 冊目は、National Geographic Kids Readers から、伝記『Ibn al-Haytham』 です。イブン・アルハイサムは「近代光学の父」と呼ばれる人物。

National Geographic Kids Readers は 自然科学雑誌『ナショナルジオグラフィック』の子ども向けリーダーです。

動物、科学、偉人などなど、多岐にわたるノンフィクション系のトピックを紹介する 
National Geographic Kids Readersアクティビティ素材も充実。

●『Ibn al-Haytham: The Man Who Discovered How We See』(National Geographic Kids Readers Level 3)

●YL: 2.4-2.6
●著者: Libby Romero
●出版社: National Geographic Kids
●総語数: 2,419 語

イブン・アルハイサムは 10 世紀、ムスリム文明の黄金時代に生まれた科学者。

彼は自信過剰で「自分ならナイルの洪水を解決できる」と発言します。

これが当時のエジプトのカリフの耳にはいって、さあ大変。

その後の不遇の時期に、イブン・アルハイサムは光に興味を抱き、 実験によって光の反射や屈折の原理をいくつも証明します。

(2) 19人の著名なイスラム人を簡潔に紹介

2 冊目に紹介するのは、 Penguin Readers の 『Amazing Muslims Who Changed the World』です。

●『Amazing Muslims Who Changed the World』(Penguin Readers Level 3)

●YL: 3.2-3.4
●著者: Burhana Islam
●出版社:Penguin
●総語数: 8,681語

7 世紀頃から現代にいたるまで、19 人の偉大なムスリムが紹介されています。

1 冊目に紹介したイブン・アルハイサムもそのうちのひとり。

男性と女性のエピソードが半々で、 すごいムスリムの女性の話もたくさん読めるのもポイント。

マルコムX、ムハンマド・アリ、マララ・ユフチザイのような著名人、歴史上の人物、日本ではあまり知られていないソマリアのために尽くした医師や、難民からアメリカ下院議員になった女性など。

ひとりの紹介が3~4ページで、すき間読書にも向いています。

私が心惹かれたのは Zheng He(鄭和)の冒険。

ムスリムの次男として生まれた、Zheng He(鄭和)
© Photo by Mary Harrsch

明時代に永楽帝の命を受け南海への大航海を指揮し、キリンを中国へ連れ帰ります。

最近の人物では、BBC の人気料理 コンテスト番組「The Great British Bake Off」で一躍有名になったシェフ Nadiya Hussain

YouTube や Netflix で彼女の気さくな笑顔と素晴らしい料理が観られます。

Nadiya Hussain

『多聴多読マガジン6月号』発売中!

6月号の『多聴多読マガジン』は、「アニメで英語を学ぼう」特集!

自分の推しを英語で語りたい人必見です。

「アニメにあんまり詳しくないけど、英語学習してみたいなあ」という方にも、とっつきやすい作りになっています。

ぜひお手に取ってみてください。試し読みはこちらから!

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