ここが変だよメディアさん(4):今の日経平均は日銀の下支えの賜物。しかもドル建てではまだ安い!

筆者は昨秋、ある日本のシンクタンクのトップからの質問にこう答えた。「日本のGDPはドイツに抜かれて世界第四位になるのは、ドル建てにするから。一方、株価は間もなく畿央最高値を更新するだろうが、これは円建て。ドル建てだとかつての282ドルに対して未だ260ドル程度でしかない。」この方は、今年2月の発表でこれを使って下さった。

日本銀行は2月下現在、1750億円の上場株式等と、37.1兆円の指数連動型上場投資信託受益権を保有している。多くは東証プライムの大手企業の株だ。欧米投資家からは「いつ売るのか」と聞かれるが、「日銀は、株価を上げるために買い始めたのがETFだから、株価を下げるため、または過熱する株高を冷やすため、の理由では売れないだろう」というのが筆者の回答だ。つまり、日本株は中央銀行の根雪のような投資によって下駄をはいているという訳である。反論があれば、是非コメント頂きたい。

次に、なぜ日経平均をドル建てで見ないのか、これもメディアに聞いてみたいところだ。なぜならば、中国からの買いのほか、欧米中東などの海外投資家からの買いで、株が上がっているのだから、(彼らはドル建てで考えるから)、GDPと同じく、ドル建てで考えるべきだろう。ドル建てだとまだまだ過去最高を抜いていないことも重要なポイントだ。なぜなら、もっともっと上がるべきなのが日経平均だからである。

実は、日経平均が過去最高値を抜いていないことと、日本のGDPがドイツに抜かれたこと(つまりドイツに比べて上昇してこなかったこと)とは、関連性があると思う。日本の賃金が上がらないのにも、このあたりにからくりがあると思う。

この本質を次回、解説する。

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