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ことわざから考えるお腹と心の繋がり

ことわざは古来から伝えられてきた先人の知恵を表した言葉です。 私たちの生活で馴染み深いものから、どんなシーンで使ってよいのか分からないものまで沢山のことわざがあります。
その中でも「腹」や「腸」が使われていることわざも数多くあるのをご存じですか?

腹が立つ(怒る。癪[しゃく])にさわる)
腹の虫が治まらない(癪[しゃく]にさわって我慢ができない)
腹をくくる(決心を固める)
腹が据わる(覚悟を決め、何事にも動じなくなること)
腹を割って話す(隠すことなく本心をさらけ出して正直に話すこと)
腹に一物(心に何かたくらみを抱いていること)
腹が黒い(表向きは善人そうだが密かに悪いことを考える性格であること)腸[はらわた]が煮えくり返る(強烈な怒りが込み上げてくるさま)
断腸の思い(非常に悲しくつらい思いの例え。腸がちぎれる程の悲しみ)
           参照:故事ことわざ辞典 (kotowaza-allguide.com)

このようなことわざが沢山あるのは、昔の人たちがお腹を消化の役割を担う臓器の1つだと認識していただけでなく、私たちの心の状態、感情の揺れ動きから影響を受け体調に変化をもたらすものと理解していたからなのかもしれませんね。


脳と腸がお互いに情報のやり取りをして関わり合っていることは以前から知られていました。このような関係を「脳腸相関(brain-gut interaction)」と呼ぶそうです。例えば、緊張すると急にお腹が痛くなることもありますね。これは緊張によるストレス信号が脳から腸に伝わって腹痛が起っているのです。これも一種の脳腸相関と言えます。

最近ではこれに腸内細菌の活動が関わっていることが認知されてきています。人間の腸管内にいる細菌は、私たちの健康に良い影響を及ぼすものを善玉菌、悪影響を及ぼすものを悪玉菌、そして他の細菌の影響を受け強い方に味方する日和見菌の3タイプに分けられ、その数は100兆個、種類は約1000種類にも上るそうです。腸内細菌の中で日和見菌は70パーセントを占めているので、この日和見菌をいかに善玉菌の味方にするかが腸を健康にするポイントなのでしょう。
この多種多様な細菌の生態系が「腸内フローラ」と呼ばれていることをご存じの方も多いと思います。「フローラ」とは花畑のことで、様々な種類の細菌が織りなす腸内の様子が花畑をイメージさせることからついた名称だと言われています。でもたくさんの腸内細菌が一面に広がっている様子からは宇宙も連想できませんか?

腸内フローラが腸の健康に深く関わっていることは前述の通りです。世の中には腸内細菌に良いとされているサプリメントや健康食品も多いですが、脳腸相関を念頭に置いて考えるとストレスを減らすことも善玉菌を優勢にするためには大事なことだと思います。現代はストレス社会と言われていますが、腸内フローラを良好に保つには難しい時代ともいえるのかもしれませんね。
お腹のためにもストレスを減らさなければいけないので、好きな音楽を聴いたり、自然の中に出かけてみたり、自分が心地良くなることをしてリラックスを心掛けたいと思います。

今日はここまで!
最後まで読んでいただきありがとうございました。
また次の記事でお会いしましょう。