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「こんな未来 予定外さ」 Replicant Resistance 〜少年隊錦織一清フリークへの道

少年隊名義での活動は、2008年のPLAYZONE公演を最後に殆ど行われていなかった。
しかしグループを解散したわけではなくそれぞれ個人で活動を継続しており
錦織さんは表舞台と裏方とマルチで活躍されてゆく中で
近年では表舞台に殆ど出ることがないまま「演出家」として活動されていたのはファンの方の間では知られているだろう。
錦織さんと言えば若い頃からダンスや歌の才能が開花して、グループ内でも早くからその能力が突出していたので
誰もが裏方に徹する現在を予想していなかったのではないだろうか。


パフォーマーとしての錦織さんを観ている限りでは、彼はダンサーに最も必要な
「ビジュアル」「色気」「スタミナ」「身体的表現力・言語力」全てを兼ね備えている、謂わばダンサーが天職のような人だということに気づく。
例えばクラッシックバレエでは台詞がない分「ドキドキしている」といった心理状態を手振りや表情で表現するけれど、錦織さんの踊りは手足の指先までも細かい表現を音やリズムを味方につけたような、身体全身を使って物語る言語力というものがずば抜けているので、歌う時でもミュージカルにしても、場面の描写や感情とか、そういったものがオーディエンスに伝わる時そのエネルギー量が尋常でない。でもそのニッキが、「ジャニーズ(ジャニーズ事務所から初めてデビューした4人グループ)の踊りは本物、全然違う。」というものだから、ニッキを知るにはそこまで遡って研究しないといけないなと思う。


ご本人は元々は体育教師を目指していた。そんなカタギの人生を歩もうとしていた彼の持っているポテンシャルを嗅ぎつけて引き出して最大限に輝かせる事に成功したジャニー喜多川氏のカリスマティックなプロデュース能力には脱帽する。
しかし人間とは本来持っている能力と自分自身が好きなもの、求めているものが必ずしも一致しないもの。
持っている自分本来の能力と好きなことが一致していたらこれほど幸せなことはないけれど、そんなに単純なものでもないのが人生である。
何故ここまで深読みするのか?と言えば
私は占星術が好きで研究していて錦織さんのホロスコープを見てみると
どちらかというと彼は表に出るよりも内ににこもって創作する方が好き、外交的というよりも内向的という傾向があるから。
(ネットで出ている出生図の情報が正しければ)
そうすると今「演出家」として活動されている事がとても腑に落ちるのだ。

実は最近、今更ながら「PLAYZONE'95 King&Joker」という錦織さんが初めて脚本と演出を手掛けた作品を観て、この作品を観る前と後とでは「錦織一清」というアーティストに対する見方が激変するという体験をした。
昔、ブロードウェイミュージカルの作品である「GOLDEN BOY」にソロで主演した時に周りから
「何で(アイドル歌手が)舞台なんかやっているの?」と言われていたように、
やはりジャニーズに対する偏見が当時からあったのだろう。それは今でも残っているようで、「ジャニーズ事務所所属タレントなのに本当に演出しているのか?」と言われる時がよくあると錦織さんが語っていて驚いた事がある。
イヤイヤ、ちゃんとやってるでしょ。何でわざわざ演出にゴースト使う?
ホント失礼な事言う人がいるものだな、と思った。

でもこの「PLAYZONE'95 King&Joker」という作品、
錦織さん単独初の作品だし、一応「ジャニーズ」という看板があるのでそこまで奇を衒ったことはしていないだろうとわかっていたから正直なところ、最初はそれほど大きな期待は寄せていなかった。
しかしこの作品が予想外に凄く面白くて。
これってそれまでの「錦織一清の集大成」であり「ニッキの全て」だよね。
何が面白いのかというと、
ノンフィクションのストーリーと思われる中にフィクションが色んなところに散りばめられている。
「ニッキ、これホンマの話やろ?」
と思わず言いたくなるような。
「これ、ジャニーズ事務所的にはOKなの?」
「よくボスがOKしてくれたな(笑)」と心の中で突っ込んでいた。
まるで出演者のキャラを際立たせる為に書いたようなストーリーで、受け手としても非常に入りやすく、わかりやすい。
ヒガシに踊らせるダンスや言わせる台詞なんか意外性があって妙に面白くて。  とにかくアイロニカルな表現が目についた。
少年隊の他のメンバーと親密な関係があるニッキが作るので、他の脚本家や演出家が描くのとはわけが違う。もっと、よりリアリティがある感じと言えばいいのかな。
ニッキが本気なのか冗談なのか、嘘なのか本当なのか
見えそで見えない際どい絶妙感に萌えた。
あれを観る限り錦織さんは確かに演出家の才能があると言えるだろう。

ところでこの作品を含めいくつか観てゆく中でとても不思議に思った事がある。
錦織さんの「ダンス」と俳優としての「演技」は別物で、
ニッキは踊っている時あれ程饒舌に感情を表現しているのに、演技ではむしろ感情が奥に潜んでいるように見えるのは何故?
芝居はひとりで成り立つものではないから抑えているのだろうか?
それに若い時と近年と、その作品によっても演技がガラリと変わって見えたりする。
意外と周りの影響を受けるタイプなのかしら?
相手の要求をすぐに察して飲み込むタイプだと思うので逆に出来過ぎてしまうのだろうな。

とにかく演者としても演出家としてもとても恵まれた才能をお持ちなので
このようなお方はきっと皆が放っておくわけがない。
筆者もここまでニッキの魅力の虜になるとは思わなかった。
子供の頃を思えばそれは予期せぬ展開だった。

来年からの錦織一清の動向には目が離せない。

「こんな未来 予定外さ。」

ニッキにとって、この未来は予定外?

いつか絶対ニッキにインタビューしてみたい。

(続く)

「少年隊」とは
田原俊彦や近藤真彦のバックダンサーなど、数年間の下積み期間を経て
1985年12月12日『仮面舞踏会』でレコードデビュー。
デビュー時のキャッチフレーズは「日本発、世界行」
デビュー当時のレコードレーベルはワーナー・パイオニア(現ワーナー・ミュージック・ジャパン)全米デビューも予定されていた。

1986年に少年隊主演ミュージカル「PLAYZONE」開幕。
その後2008年までの23年間に渡って、毎年オリジナルのミュージカルを上演していた。
この間少年隊としての音楽活動だけでなく、それぞれ個人での舞台、映画、テレビ番組、ラジオ番組出演など多岐に渡って活動している。
2008年のPLAYZONE公演を最後に、現在までグループとしての活動はほとんど行われていなかったが
2020年9月20日、メンバーである錦織一清と植草克秀が同年を以てジャニーズ事務所を退所することを発表した。
尚、東山紀之は今後も事務所に残って活動をする。グループとしての活動は事実上活動休止ではあるが、同事務所所属のグループとしての「少年隊」という名前は存続する。
2020年12月12日、デビュー35周年の記念として、全シングルベストアルバム 『「少年隊」35th Anniversary BEST』をリリース予定。
完全受注生産限定版では全シングルを含め過去にリリースされた楽曲の新録音版、未CD化の曲も収録。(現在、受注生産限定盤の申し込みは終了しています。)


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