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足病(Podiatry)は日本の医療のジグソーパズルに足りない最後のワンピースだ

「足病学(Podiatry)」という言葉をご存知ですか?アメリカやオーストラリア、ニュ―ジーランドにある、足を専門に診る学問です。足と言う臓器を診察し治療することに特化した医療職。それは歯における歯科医の存在に似ているかも。

今から10年前、僕は将来を夢見る形成外科医でした。自分の将来を決めかね、なにがしかのチャンスを掴むためアメリカに留学したはずが、その留学先では意外な出会いを果たしてしまったのです。それが「足病医(Podiatrist)」でした。
アメリカには医者と歯医者の他に足医者がいます。歯医者が歯しか診ないように足医者は「足」しか診ない医者で、外反母趾から水虫、巻き爪、足の痛みやしびれ、捻挫や骨折まで、足や靴の悩みをすべて診察し、治療する専門家。もともと外反母趾気味で足に興味があった僕は、留学先のボスと並んだオフィスで働く彼らに興味を持ち、話しかけ、知り合いになり、いつしかボスのオフィスより彼らの診察室に入り浸るようになりました。もうすっかり足の虜、足マニアの誕生です。
「足病医」と言われる彼らが歯医者と同じぐらいアメリカにいると聞き、僕は日本でもこれから足の診療が必要な時代が来ると確信しました。人生100年時代、ヒトは歩くことが出来なければ最後まで健康に過ごすことは出来ません。ヒトの身体を一番下で支える土台となる足、その大切さは言うまでもないでしょう。考えてみると「足元を見直す」「二の足を踏む」「足を洗う」「足が出る」など足に関する言葉は多いものの足の重要性はまだいまひとつ日本では理解されていないのではないでしょうか。これからの日本には足を支える医療が必要なのです。アメリカから帰った僕は自分の専門分野を足に定め、日本において足の重要性を訴えていくことをライフワークにしようと決めたのでした。
帰国したのちに5年前から日本初の足の専門病院の立ち上げに関わり、日々足ばかり診るようになりました。外反母趾の手術をし、巻き爪を直し、足の悩みを診察し、毎日毎日足ばかり。足を診るのがライフワーク。でもそれでいい、それがいい。

そして僕は今、足フェチでもあります。女性の美は足にこそあるのです。
ヒールを履いてさっそうと歩く女性は何より美しい。かつてはオフィスでみんなが履いていたハイヒールが今は敬遠されがちだと聞きます。女性の足を痛めつけ、靴ずれを作り、捻挫の元になるハイヒール。しかし、ハイヒールは女性の足を長く見せ、美しい姿勢を作り出す魔法の靴でもあります。ハイヒールを履きこなした女性が街を闊歩する姿のいかに美しいことでしょう。ガラスの靴に足を通しダンスを踊るシンデレラをみて王子は夢見心地であったに違いありません。

とうとう僕は「足の美容外来」を立ち上げ、今度は「美しい足を守るため」の診療をし始めました。脂肪溶解注射や脂肪吸引をして脂肪を減らし、盛り上がったふくらはぎの筋肉をボトックスでボリュームダウン、むくみに対しては運動指導やマッサージを指導しています。ヒールの悩みに対してはインソールを作り、靴のアドバイスをして痛みや靴ずれを予防し、外反母趾を手術で治すことも。すべては女性の足を美しくするために。

このnoteでは足の美容、足の健康に関わる知識を掲載していきます。全ての人が健康な足、美しい足で歩き続ける社会のために。



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