![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/77188271/rectangle_large_type_2_8565b78f96a89e12721c63911fab81e6.jpeg?width=1200)
Photo by
kyatapy
ゾンビ
もう少しで耐えられそう。あと少し。
夜になると襲いかかってくる。毎日毎日同じケモノと闘う。ケモノになるのは私で、メイサはそれを必死で食い止めようとする。
まるで狼男になるのを止めるように、ゾンビになるのを止めるように。
今日もいつものように、夜が始まる辺りから私は自分の脳に刻まれた衝動と闘う。
それに負けたらゾンビになるから。ゾンビになったらけっこう壮絶で、何でも口に詰め込むから鎮めるのがすごく大変なのだ。痛いし苦しいし気持ち悪い。
鎮めた後は、さっきまでの自分が嘘のように静まりかえる。ただもちろん身体は消耗し切っている。
でも子どもは容赦無く戯れてくる。当然だけど。
すごく頑張ってお母さんをやってる。
料理だって本当は作りたくない。食べたくなるから。
食べられるものは限られる。
しかもそれは常に変化していて、昨日食べられたものが今日は食べられなくなっていることもある。タイミングも重要で、あまり遅くなるとパニックになる。
我ながら本当にめんどくさい。
願いが叶うなら人間をやめたい。
生きたいと思っている人と命を代わってあげたい。
こんなこと書いてたらすごいメンヘラみたいだけど、頭はすこぶる冷静なのよ。
まぁ伝わんないだろうけど。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?