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人の話を聞くのが”下手な”人がやってしまう3つの失敗

こんにちは!

こしあんです。

世の中には「上手に話す方法」や「雑談力を上げる方法」などが書かれた本がたくさんありますよね。

この手の本が大量に並べられていると、”もっと自分をうまくアピールしなければいけない”という圧を若干感じたりするのは私だけでしょうか。

今では会社や学校といった場所で自分をアピールする機会が増えてきたのかもしれません。

確かに、誰かに自分の意志を伝えるために「話し方」のスキルも重要だと思いますが、「聞く力」というのもとても大切です。

誰かが一方的に話していても会話は成立しません。
自分が気持ちよく話しているとき、実は「優秀な聞き手」がいるという事を忘れてはいけません。

また、聞く力が高ければ人間関係も円滑になり、人に騙されにくくなったり思いがけないところからスゴイ情報が入ってきたりします。
あの有名なCIAも聞く力が優れている人を採用するとか。

しかし、現在ではこの優秀な聞き手はあまりいないようです。
今回は会話を終わらせてしまう人がやりがちな”3つの特徴”を紹介していきます。



【3つの特徴】

細かい特徴を上げればきりがありませんが、大きく3つあります。
①「思考」は話すことよりも速い
②「ずらす」対応
③アドバイスをする
です。

①「思考」は話すことよりも速い
あなたも誰かと話しているとき、実は「まったく違う事を考えていた」という経験がありませんか?
人の話を聞いているつもりが、いつの間にかあれこれ違う事を考えて、話の内容がうわのそらになってしまう状態です。

たとえば、最近できた”ランチが美味しいお店”の話をしていたのに、会話の中で拾ったワードから、いつの間にか「今日の晩御飯何作ろう?」とか「今朝何食べたっけ?」と別のことを考えていたりします。
「冷蔵庫の中に何が残っていたかな~」なんて考えている間にも、会話はどんどん進んでいきます。

そして「何の話だっけ?」となるわけです。

ちなみに、私たちは1分間に120~150程のワードを話すと言われています。
この時、脳にかかる負担はそんなに大きくありません。
そのため私たちは話を聞きながらでも別のことを考えることができてしまいます。

そして一番問題なのは、あなたが自分の思考をさまよっている間の隙間を、脳が都合の良い様に埋めてしまうことにあります。
話が進めば進むほど嚙み合わなくなり、勘違いが起きることもあります。

多くの人が特に会話中でなくても”何かしら考えている”のではないでしょうか。
「何も考えない」、「無」になるってとても難しいと思いませんか?
ボーとしているときでも「そー言えば、、、。」と何かしら思い出して考え始めます。

この思考を彷徨う時間は人それぞれですが、大なり小なりみんな持っているものです。
そして、気が散っている時ほどこの時間は長くなります。

もう一つ、この気が散る原因にあるのが「次に何を話そうか?」と考えることにあります。
「これを言えばウケるかな?」とか「この話は絶対にしておきたい!」と考えているとき、私たちは人の話を聞いていません。
会話の流れをぶった切って自分の好きな事を話してしまうのはこれが原因だったりします。
そのため、言われた方は「なんで今その話?」となってしまうわけです。

”推し”のことなど話しているとき気を付けなければなりません。

またミネソタ大学教授ラルフ・ニコルスが数千人の学生や起業家を対象に行った調査では、短い講演を聞いた直後でもほとんどの人は内容の半分以上を聞き逃していたといいます。
これは本人たちが”どれくらい真剣に話を聞いていたか”には関係してなかったそうです。

つまり、多くの人が基本的には人の話を聞いていないとも言えます。

優れた聞き手は、余っている処理能力を頭の中の寄り道には使わず、相手の話を理論的にも直感的にも理解するために全力をあげています。
ただ、その人たちでさえずっとその聴き方ができるわけではありません。

瞑想などをしたことがある人はわかると思いますが、「呼吸に集中する」と決めていても、次から次へといろんな思いや考えが浮かんできますよね。
この思考をまた呼吸に戻す訓練をすることで集中力を養ったするのですが、この作業は慣れないうちはとても疲れます。

そして、会話でも同じことが起こっているわけです。
集中して話を聞いたとき「どっと疲れが出た」ことなど無いでしょうか。
人の話を聞くという行為はそれくらいエネルギーを消費するものなんです。

いつも真剣に聞いていたら私たちの身体は疲れきってしまいます。
だから、私たちの脳は思考を彷徨うのかもしれませんね。


②ずらす対応
会話をしているとき、聞き手は大きく2つの対応に別れます。
それは「受け止める対応」「ずらす対応」です。

例えば、「昨日、うちの子を急遽、病院に連れていくことになってね。」
と言われた時、あなたはどのように返事を返すでしょうか。

・ずらす対応の場合
「あー、そう言えばうちの子もこの前ケガをして病院に連れて行ったんだよねー」

・受け止める対応
「それは大変だったね。で、結局どこが悪かったの?」

あなたはどちらの対応が多いでしょうか?

基本的にずらす対応というものは「自分」について話すものです。
その一方で受け止める対応は多くの場合、他者に向けた「質問」になります。
こちらから話していたのに、いつの間にか相手の「苦労話」に話がすり替わっていたら、話を聞いてもらっている感じはしませんよね。

また、質問の仕方にも注意が必要です。
特に自分が求めている答えが返ってくるような質問はよくありません。
「~だと思わない?」とか「~ってそうでしょう。」といったものは、相手の決めつけやあるいは質問した人の意見や期待に合う答えを返すように話を導いています。

「あなたもこう思いますよね!」なんて言われると、モヤモヤした感じを受ける人も多いのではないでしょうか。

また「質問」に関してはこんな話もあります。
「何がきっかけで社会学者になったのですか?」という質問に対し、「決意だったと決めつけているね。”どういう経緯で社会学者になったのですか?”と聞いた方がいい」といったものです。

ちょっと難しいかもしれませんが、最初の質問では何か”きっかけ”があって社会学者になったんだろうという決めつけが隠れています。
また、聞き手によっては理由がなければ社会学者になってはいけないのか?と感じるかもしれません。

ただ、聞くことが専門の職業でもない限りここまで気を配ることは難しいと思います。

なので、一番大切なことは”自分の話にすり替えない”ということですね。


③アドバイスをする
これをやってしまう人は多いのではないでしょうか。
特に「失敗したらどうしよう」とか「○○しちゃって困ってる」といった話を聞いているとき、つい解決策を言ってしまう事がありませんか?

具体的な方法などを聞かれた場合はアドバイスをするのも良いかもしれませんが、基本的に相手は話を聞いて欲しいだけで解決策などほとんどの場合求めていません。

しかし、なぜ「教えてくれ」と言われたわけではないのにアドバイスをしてしまうのか?
親切心からついアドバイスをしてしまうと考えることもできますが、実は違います。

これは「ずらす対応」の別バージョンで、不安になっている人や動揺している人の話を聞いているとき、自分が相手の感情を苦痛に感じてしまうため、その苦痛を少しでも軽くしたり、受けないようにするために、その問題を解決しようとしたり、安心させようと説得するため起こると言われています。

私自身、相手の不安な気持ちを「苦痛」に感じてしまうために、ついアドバイスをしてしまうことがあります。
これにはやはり「早く解決したい」とか「早く楽になりたい」といった気持ちが隠れています。
なので、心の中でいつも「アドバイスはしない」と念じてから話を聞くようにしています。

また、これは親子の会話でも注意しなければいけません。
例えば子供が「学校で嫌なことがあった」と話を切り出したとき、あなたはどんな対応をしますか?

私は親に「そういう嫌な事は誰にでもある、大人になったらもっと嫌なことがある。それを乗り越えるための練習だ」といった返事が返ってきたことがあります。

あなたはこの人に話の続きをするでしょうか?


実は相手の話をきちんと聞くために、聞き手は6つの抑えるべき衝動があると言います。

①「あなたの気持ちが理解できる」という。
②問題の原因を突き止める。
③その問題についてアドバイスを言う。
④相手の心配事を矮小化する。
⑤無理やりポジティブな視点や言葉を使って違う見方をさせようとする。
⑥相手の強さを称賛する。

これらを気をつけながら話を聞くのは忍耐力が必要です。
相手の性格や気質、思考などに一切触れず、ただ話を聞くという行為はある意味自分との闘いでもあります。

聞く力を伸ばすには訓練するしかありません。
逆を言えば、訓練すれば聞く力は伸びるということですね。


【親子関係で聞く力は変わる?】

世の中には話を聞く人が上手い人がいますよね。
あなたも「あの人話しやすかったな~」と感じたことなどないでしょうか。
私たちが”気持ちよく話をした”と感じているとき、それはきちんと話を聞いてくれる人がいるということです。

この「聞く力」を左右するものとして「愛着理論」があげられています。
心理学では”アタッチメント”と呼ばれたりしますが、これは親と子のあいだで形成されるような緊密で情緒的な結びつきのことを言います。

エインズワースという学者がこれを母親との分離再会時の反応によって4つのパターンに分けました。
このパターンによって、大人になってからの精神的な問題や社会適応に違いが出るのではないかと考えられています。

この4つのパターンには回避型、安定型、両価型(アンビバレント型)、混乱型があります。
安定型であれば特に問題はありませんが、残りの3つのパターンの場合、社会との関わり方に違いがでてくるといいます。

①【回避型】
母子分離時の混乱がほとんどなく、親との再会時も無関心で母親が安全基地として機能していないタイプの子どもの特徴です。

回避型の子に多い親の特徴は、子どもに注意をほとんど払ってくれない。
微笑んだり身体的接触が少なく、息が詰まりそうなほど過度に干渉するといったことがあげられます。

このスタイルで育てられた子どもは、相手との距離が近くなりすぎると壁を作ったり、その人間関係から離れたりする傾向があります。
失望したり、相手に圧倒されたりするのを避けるため人の話に耳を傾けられません。

②【両価型(アンビバレント型)】
母子分離時に強い不安や混乱を示し、親との再会時には強く接触を求める一方で、怒りや攻撃を示したりします。

この両価型の親の特徴は、子どもの働きかけに敏感でなく、子どもへの働きかけが母親の気分や都合に合わせたもので、このようにきちんと注意を向けない親を持ってしまうと、人間関係にくよくよと過度に心配するようになったり、他人からの注目や好意を失うのが怖すぎて人の話をきちんと聞くことができません。

③混乱型
このタイプの子は両価型と回避型の両方の特徴があります。
顔を背けて親に接近するなど、不可解な行動パターンや本来は両立しない行動が同時に活性化されたりします。
またその現れ方は不合理で気まぐれです。

このタイプの子どもは抑うつ傾向の強い母親の療育や虐待が推測されます。
このスタイルの場合、親密になるのを恐怖に感じてしまうため、人の話を聞くのが困難です。

ここでは安定型以外のタイプを紹介しました。
あなたに当てはまるものがあったでしょうか?

ただ、一つ誤解のない様に言っておくと誰もが”カチッ”とどこかのタイプに当てはまるわけではありません。
”回避型であっても安定型に近いかもしれない”といった事も考えられます。
私たちはその何処かにいるといった感じです。

そして一番大切なのは生い立ちに人生を左右される必用はないということです。
もし人間関係で上手くいっていないのなら、聞く力を鍛えてみるのも良いかもしれませんね。


今回はここまで。

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最後までお読みいただきありがとうございます。

※この記事は読んだ本をもとに考察し、私の経験したことなども踏まえて書いています。
そのため、参考にした本とは結論が異なる場合があります。
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