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肉体的にも精神的にもダメージを受けてしまう仕事のブラック十か条。

みなさんこんにちは! こしあんです。

6月に入り、だんだんと日常生活を取り戻しつつある人たちも多いとは思いますが、企業の倒産などで少なからず職を失ったという人もいるのではないでしょうか。
就職に対する焦りから「面接が受かれば何でもいいや」と考える人もいるかもしれませんが、この考え方はブラック企業を喜ばせるだけのような気がします。(笑)

今では、「こういう特徴がある会社は心身に悪影響ある」ということもある程度わかってきました。
なので今回は、「できれば避けた方がいい」といわれる会社の特徴のお話です。


【ストレスを受けやすい職場の条件】

シカゴ大学が毎年または隔年で実施している全国規模のランダムサンプリング調査があります。
この総合的社会調査(GSS)のデータから、人々が職場でどのような条件下に置かれているのか推定することができるそうです。
そして、その次にメタ分析を行ない、複数の調査結果を総合して職場のストレス要因への曝露が死亡や疾病の発生に及ぼす影響の度合いを推定しています。

結果として私たちに悪影響を及ぼす10個のストレス要因が浮かんできました。
①解雇された(一時的解雇も含む)

②無保険である(医療保険がない)

③シフト勤務(日中の勤務時間帯ではなく、深夜・早朝勤務がある)で、
かつ1回の勤務時間が長い(10~12時間勤務)

④週当たりの勤務時間(週40時間以上である)

⑤雇用が不安定(複数の人が解雇されたりする)

⑥仕事と家庭の両立が困難

⑦業務内容や労働環境に関して裁量権が乏しい

⑧仕事の要求が厳しい(つねに急かされる)

⑨職場で上司や同僚からのサポートが得られない(ストレスの影響を緩和してくれるような同僚との緊密な人間関係が希薄)

⑩業務や雇用に関する判断が不公平・不誠実な職場

これが主な特徴です。

10個もあるのか!?
と思うかもしれませんが、これらは大きく2つに分けることができます。
それは、「時間的なもの」「職場の環境」です。

時間に関するものだと、シフト制、長時間労働、長時間通勤、ワークライフバランスなどがあげられますし、職場環境であれば、雇用の不安定、ソーシャルサポートがない、仕事のコントロール権がない、組織内に不公平が多いなどがあげられます。

みなさんの職場ではいくつくらい当てはまるでしょうか。
まぁ、ひとつも当てはまらない会社なんてものはないかもしれませんね。




【仕事の時間が私たちに与える影響】

「職場のストレス要因の多くは受動喫煙と同じくらい有害である」なんてことも言われますが、労働時間と私たちの健康には密接な関係があります。

長時間労働及びシフト勤務が健康に及ぼす有害な影響は疫学的に立証されているそうです。
例えば、不特定なタイミングで深夜や早朝に働かなければならないような仕事などは、2014年に2万人の労働者を調べたメタ分析によれば、9~17時で働く人と比べた場合、週に3回以上のペースでシフトワークを行なう人は糖尿病の発生リスクが42%上がり、コレステロール値や血圧も激増していました。
別の研究では、年に50日以上のシフトワークを続けた人は脳機能のスコアが大きく低下していて、この数値を年齢に換算すると同年代の人に比べて平均で6.5歳ほど脳が衰えていたそうです。

そもそも、人間は日の入りとともに睡眠を促すホルモンを分泌し、コンディションを整えるようにできているので、このリズムに逆らって働けばメンタルと身体面に悪影響を及ぼします。

また、長時間労働は睡眠不足や不規則な睡眠パターンにも結び付きます。
みなさんも睡眠不足が健康に良くないことは何となく想像できますよね。
寝不足のときって凡ミスをしたり、気が散りやすかったりするのではないでしょうか。

しかし、この他にも睡眠不足にはさまざまな影響があります。

カナダのケベック州で行われた調査では、慢性的な睡眠不足は脂肪の多い食事や運動不足以上に肥満につながりやすいこともわかっています。
別の研究では、睡眠不足が代謝系に悪影響を及ぼし、コルチゾールが増え炭水化物耐性が低下して肥満リスクが高まるといったことも起こると指摘されています。

ちなみに、みなさんの職場は週40時間を超える労働環境でしょうか?

長時間労働が美化されるような職場もまだ残っているようですが、働き過ぎが身体に悪いことはもはや常識になりつつあります。
しかし、日本は残念なことに「過労死」という言葉も世界で通じるほど働き過ぎています。

人間は週の労働時間が41~48時間になると脳卒中が起きるリスクが10%高まり、週の労働時間が55時間を超すと脳卒中リスクが33%、心疾患リスクが13%、糖尿病リスクが30%高まるそうです。

しかも、このデータの傾向は世界中で一致しています。



【職場環境によるストレス】

アドラーは「あらゆる悩みは対人関係に行き着く」といった言葉を残していますが、職場でのストレス候補に対人関係をあげる人も多いのではないでしょうか。
しかし、私たちは他の理由でも多くの精神的・肉体的ダメージを受けています。
会社が大量に人を雇用したと思ったら、すぐに解雇を始めたり、先輩や上司に仕事上でのサポートを受けられなかったり、難しい仕事を押し付けられる割りには裁量権がなかったりといろいろあると思います。

また、「雇用の不安定」というと、いつクビになるかわからないといったこともありますが、これには急な解雇といったものの他に、断続的にしか仕事がなかったりといった安定感のない働き方も含まれます。
年齢が若いうちはクビになったとしても「次がある」といえる状況もあるかもしれませんが、年齢が上がるにつれて再就職は難しくなります。
そして、たとえ自分がクビにならなくても、次の仕事が見つからない不安がストレスになり、その職場にいればいるほどストレスは増えていきます。

自分の同僚が次々と解雇されていけば、「次は自分か」と考えてしまうのではないでしょうか。

このように、解雇という行為は当人の健康状態を悪化させることはもちろんですが、解雇されていない人にも影響を及ぼしています。

また、医療機関で働く人を対象にした調査では、人員削減やレイオフを行なう場合、減らす仕事以上に人員を減らす傾向が強く、残った人にかかる負担が大きくなり、ストレスが増すこともわかっています。

一部の人は仕事から解放されてストレスが減ったと感じるかもしれませんが、これは経済的に余裕がある人だけではないでしょうか。
大抵の人は、仕事をクビになったことで経済的に不安定になることから、心理的悪影響や行動障害のリスクが高まると言われています。
この行動障害には、薬物、アルコール、自殺なども含まれています。

そして、ソーシャルサポートが受けられるかどうかも重要です。
約30万人を対象に「ソーシャルサポートの有無と死亡率」を調べたメタ分析があります。
これによると、良い同僚や上司に恵まれない人は、そうでないグループと比べて平均50%ほど早く死亡する傾向があることがわかっています。
他の研究でも、ソーシャルサポートがストレス要因や疾病の緩衝効果があることが確認されています。

研究者たちは、「人間は社会とつながりを求めているし、他者の注意や承認、指示を得たいという欲求をもっている生き物なので、ソーシャルサポートによって幸福感や満足感を深めていくのは特別なことではない」と考えています。

しかし、その割にはソーシャルサポートが充実していない会社が多いのはちょっと不思議な感じがしますね。

もちろん、サポートが充実している会社もあります。
Google社では、「自社の生産性が高いチームは何が違うのか?」をリサーチしたところ、最高のチームに必要なのは「心理的安全」だという結論にたどり着きました。
子育てのときもこの心理的安全というものはとても大切ですが、仕事上でも同じことがいえるようです。

人はこの安全が確保されないと、失敗が怖くて動けなかったり、発言をバカにされるかもしれないと考え意見が言えなかったりします。

酷い会社になると失敗した場合、謝罪や後処理をすべて本人にさせるようなところもありますが、このような会社は何のために管理職がいるのか謎でしかありません。
特に、責任のなすりつけ合いがあるような会社ではサポートは期待できないので、サポート体制がどのようになっているのかを確認することはとても大切です。


アメリカの経営学者ボリス・グロイスバーグは「みんな株を買うときは熱心に企業を研究するのに、転職になると急に質問をひかえて情報を集めなくなる」と言っています。
私が知っている人は、目を閉じて求人誌をパラパラとめくり、指をさして止まったところの会社の面接を受けるという強者もいましたが、普通の人は止めておいた方がいいかもしれません(笑)。

さて、冒頭で紹介した10個のストレス要因をすべてクリアするような企業は無いかもしれませんが、自分の中で「ここだけは譲れない」という部分も大切ではないでしょうか。
残業が少ないところを選ぶとか、通勤時間は30分以内といった条件は人それぞれあると思います。
子どものお迎えや親の介護で残業ができないといった人もいることでしょう。
そんなとき、時間に関する条件をうやむやにしてしまうと、結局「ここは自分には合わないな」ということになりかねません。

自分の中の線引きというものをしっかりと意識して、仕事を選ぶことも大切なことだと思います。


今回はここまで

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それではまた次回お会いしましょう。


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