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「なんとなく」からはじまるものづくり

シモキタFABコーサク室は、下北沢にある小さな工作室(メイカースペース)です。昨年6月にオープンしてから、機材や工具を少しずつ充実させ、ロボット製作、電子工作、手芸など、試行錯誤しながらさまざまなワークショップやプロジェクトを開催してきました。
コーサク室を運営しながら、ずっとずっと考えていることがあります。「何をつくればいいかわからない」「つくりたいものが何かわからない」場合、コーサク室は無力なんだろうか、と。私たちが提供したいのは、3つのコーサク(工作・交錯・CO-Creation)を共に経験すること。つくる目的やつくるモノがはっきりしていないところからスタートするコーサクがあってもいいはずです。

ロボット製作などに取り組む子どもたちは、サポートする大人や共につくる仲間とのちょっとしたやりとりが刺激になり、表現したい形・動きなどのアイデアが内面からフツフツ湧いてくるようで、気づけば手を動かしています。大人の自分にとってその姿は眩しく羨ましく、真似してやってみようかと思うのですが、「作り方がわからない」「スキルもセンスもない」「忙しいしなぁ、また時間がある時にゆっくり勉強しながら作ろう」と言い訳をして結局やらない。これ、ちょっと思い当たるな、と感じませんか?

でももしかしたら、ものづくりの知識やセンス、時間が不足していることよりも、「つくりたいものが特に思い当たらなかったり、曖昧だったり」しているから「気持ちが乗らない」のかも、と思ったのです。

つくる前に、つくりたい気持ちをふんわりおこす

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何かをつくる人たちを眺め、作品にホレボレし、機材のご案内をし、クリエイターさんとワークショップの相談をし、そんなコーサク室を運営する日々は楽しいです。ここ=コーサク室の日常には「つくれたら楽しそうだなぁ」「ちょっと気になるかも」という気持ちが、ふんわりと、メレンゲのツノが立つみたいな感触で生まれる何かがあるのかな、と思います。
ちなみに、メレンゲは糖の加え方で、仕上がりが違ってくるそうです。また、メレンゲ菓子は、低温でじっくり時間をかけてつくられるそうです。コーサク室でものづくりを楽しむ人や作品、機材と関わりながら過ごす時間は、メレンゲづくりの「糖」の役割をしてくれているのかもしれません。

「好き、楽しい」を、雑談しながら輪郭づける

この「糖」があるコーサク室で、いわば「糖の加え方」を学ぶ場づくりを、近々始めます。題して「コーサク雑談」。雑談しながら、つくりたいものの輪郭を少しずつはっきりさせていき、その人に合った作り方をみつける場です。「作りたいものって、こんな感じ?」「こんな風にしても楽しそう」「このやり方なら、初めてでもできそうかも?」いろんな情報交換しながら、仕事スキルとしてではなくライフスキルを身につける気持ちで、焦らずに。(コーサク雑談については、また別記事でおしらせします)

なんとなく歩く、なんとなく表す

↓この写真は、先日、シモキタのまちをなんとなくあるいていたら、足元の草木に何本も、赤いリボンが結ばれているのを発見したものです。枯れた草木にも結ばれていて「何かの目印なのかな?」と眺めていました。

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なんとなくあるいてみたのは、実は、ものづくりの「(メレンゲ菓子作りのように)低温でじっくり」プロセスを探していたからです。VIVITA ROBOCONなどでもご一緒した新渡戸文化学園 VIVISTOP NITOBEチーフクルー・山内佑輔さんに、「ジェネレーター」という概念を教えていただいたことがきっかけでした。そして、年齢も所属も様々なメンバーで、「なんとなく」を大切にしながら、歩くことと、表現する取り組みをお聞きしたのです。その時ご一緒されたジェネレーターマスターの市川力さんのインタビュー記事には、ジェネレーターについて、次のように表現されていました。

「端的に言うと、どんな対象でも面白がってしまう人、好奇心が極めて高い人がジェネレーターですね。人間はみんな好奇心を持ってるから、その意味では全員ジェネレーター。でも多くの人は好奇心にフタをして、ジェネレーターをやめてるんですね。ジェネレーターは、フタをしないで自分の関心や好奇心を持ってあれこれやってみることを面白がる人です。」
探究コネクトさんのnoteより抜粋)

なんとなく歩きながら、普段は気に留めないようなことに気づき、自分の好奇心のフタを開けていく。好奇心は、ものづくりの原動力だと思います。だから「なんとなくあるく」はまさに、低温でじっくり、ものづくりに取り組んでいくプロセスになるのではないでしょうか。

そこでさっそく、ジェネレーターと一緒にシモキタFABコーサク室のある下北沢のまちを「なんとなくあるく」企画を、4月8日(金)に開催します。市川さん、山内さんも一緒に歩きます。あるいた後は、コーサク室でなんとなくあらわしてみます。春の一日、なんとなく、の感覚を大切に、自分の「感度/観度」をあらわす経験をしに、いらしてください。

↓こちらのnoteでさらに詳しく!

<ジェネレーターと歩く「シモキタFeel度 Walk」体験DAY>
開催日時:4月8日(金)10:30-16:00
集合場所:シモキタFABコーサク室(下北沢駅徒歩4分)
対象:大人
定員:6名
参加費:4,000円(税込・当日現地でお支払いください)
申込方法:Peatix ページからお申込みください


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