ねるねるねるねの宇宙船
空っぽの胃袋に
こどもの頃に夢にまでみた
たくさんのねるねるねるねを
流し込んだ
あれ、こんな味だったけな
なんて思いながら
歳をとったことを改めて実感する
シュワシュワっと、
胃の中に膨らみ宇宙が広がった
それと同時にどこからか
知らない無線アナウンスが聞こえてくる
気づいたら私は宇宙船に乗っていた
その知らない誰かは、一方的に私に語りかけてくる
「いいですか」
「しっかりつまっていてくださいね」
「右を見て」「今度は反対をみてください」
暗くてよく見えなかったが
みたことのない景色だった
絶叫マシンが好きな私でもびっくりするほどの
忙しさでマシンは動き続ける
天地中央大回転
もう、ここが日本なのか、空なのか、
宇宙なのか、私にはわからなかった
咄嗟に、小さな噯気が
何度も出そうになったが、
なんとかごまかした
気づくと宇宙船は止まり、
あたり一面明るくなり
コックピットから急いで降りると
先ほど渡した診断書が戻ってきた
未知との遭遇はまさに
人間ドックという名の宇宙旅行だった
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