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文化の読書会

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読んだ本の趣旨を1章ずつ1000字以内で書いていっています。
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#地中海世界

歴史を学んでいく際の視点

これまで7回に渡ってブローデル『地中海世界』の読書会を開催してきた。これを踏まえ、次回は…

〈地域〉という時空間を捉える。F.ブローデル編『地中海世界』摘読(7)「空間と歴史…

安西洋之さん、澤谷由里子さん、北林功さんと一緒に続けてきた〈文化の読書会〉も、いったんブ…

『地中海世界』フェルナン・ブローデル編 - 前半

 地中海世界は、従来の土着文化が、自由、人間性、理性、論理性の人間謳歌のヘレニズム(古代…

『地中海世界』(フェルナン・ブローデル編)の感想

ここまで、「文化の読書会」の末席に加えていただき、皆さんとブローデルの「地中海世界」を読…

ブローデル『地中海世界』の感想

(これまで本書の章ごとに1000字で概要を、250字で「分かったこと」を書いて、毎回読書会をや…

関係性が空間をうみだす。F.ブローデル編『地中海世界』摘読(6)「空間」を読む。

文化の読書会、『地中海世界』摘読第5回です。この読書会の経緯については、第1回のnoteをご覧…

『地中海世界』フェルナン・ブローデル編 - 空間

 前編の最後は、ブローデルの弟子エマールの『空間』。彼は、空間の中に社会的関係を空間化した『町』と、その対比である『田舎』について語る。 人の関係を表した町と人を拒絶する田舎 痩せた土と石が広がる田舎には人影がなく、そこを訪ずれるのは、遊牧者のみ。一方、町は、利害関係者の関係によって同心円の階層状に広がり人が住む。また、町の周りに広がる田園は、町によって創られるという。田園は町の人々の食を満たすために存在し、それが十分であれば自らは増殖しない。田舎と町の境界には、森と畑が広

ブローデル『地中海世界』-空間

人口サイズが小さくても町として成立できたのが地中海世界の特徴である。1000人もいれば産物の…

歴史をかたちづくる要因としての文明、政治、経済。F.ブローデル編『地中海世界』摘読…

文化の読書会、『地中海世界』摘読第5回です。この読書会の経緯については、第1回のnoteをご覧…

『地中海世界』フェルナン・ブローデル - 歴史

 前半のまとめとなる章で、フローデルは安定性の本質について問う。地中海世界は、3つの文化…

都市の誕生。F.ブローデル編『地中海世界』摘読(4)「ローマ」を読む。

文化の読書会、『地中海世界』摘読第2回です。この読書会の経緯については、第1回のnoteをご覧…

交易の夜明け、交易による夜明け。F.ブローデル編『地中海世界』摘読(3)「夜明け」…

文化の読書会、『地中海世界』摘読第2回です。この読書会の経緯については、第1回のnoteをご覧…

「地中海世界」(フェルナン・ブローデル編)−ローマ−

今回で3回目の「文化の読書会」。引き続きこちらの本を読み進めています。今回はいよいよ(国…

「地中海世界」(フェルナン・ブローデル編)−夜明け−

今回で3回目の「文化の読書会」。引き続きこちらの本を読み進めています。 【−夜明け−の要約】 放射性炭素年代測定法によって、歴史が大きく動いた農業の発明が紀元前9000年頃から始まって数千年に渡って家畜、果樹、道具、定住が進んだ。それも平野部からではなく家畜動物・稲科植物が元来生息しており、日当たりおよび水も豊かな高原地帯、つまり三日月地帯から始まった。 紀元前7000年頃にはジェリコなどの原始都市が生まれ、エジプトや低地メソポタミアの各都市を結ぶ交通網、そして各地の特産品