業スーの人気調味料を自作したよ
近所の業務スーパーが閉店した。
今後、どこで姜葱醤を買ったらいいのかわからない。
それを知った時、私は膝から崩れ落ち、頭を抱えて嘆き悲しんだ。あれがなければ、蒸し鶏も茹でキャベツも塩焼きそばも、全部全部物足りない味になってしまう。食材さえあればいいじゃないかって? 他の調味料で代用すればいいじゃないかって? あなたはドラえもんが道具を出さない回に満ち足りた気持ちになりますか。ドラえもんが出ない代わりにうしろの百太郎*で我慢してくださいとか、納得できますか。
そもそも、私は姜葱醤の存在を本場台湾で知ったのだ。台北にある『新農生活』という高級雑貨店があるのだが、そこへ立ち寄った時に発見したのが姜葱醤と鳥魚子醤(からすみソース)だった。鳥魚子醤についてはいずれ別に記事を書くことにして、今日は姜葱醤について延々と語りたい。いや、それだと膨大な文字数になるので、今日のところは【自家製姜葱醤の作り方】を書くことで気持ちを落ち着かせたい。
そう。ないなら作ってしまえばいい。「手に入らぬのなら壊してしまえばいい」のポジティブバージョンだ。
思い立ったら吉日なのだ。例え、閉店前に姜葱醤の特大サイズを購入していたのだとしても、例えまだ使いかけの姜葱醤が冷蔵庫に残っていたのだとしても、今作りたい。業スーがなくなっちゃったから、今作りたい。
自分の中に多少の矛盾を抱えながら、私は軍手ほどの大きさの生姜を手に入れた。姜葱醤は生姜とネギ油のハーモニーが魔法のように食材の力を底上げするスーパー調味料だ。まずはメインの生姜から手に入れないと話が始まらない。
ところで、姜葱醤は ”葱” と記されている調味料なので、材料に葱が入っていると思われがちだが、実は葱は入っていない。むしろ、生の葱を入れると葱の苦味立ってしまっていただけないし、熱した葱を入れれば甘みが立ってしまって完全に違う調味料になってしまう。この姜葱醤の葱は ”葱油” の葱である。葱油はスーパーでも売っているが、町中華のテーブルに置いてあるラー油くらいの大きさしかないので、ここも矛盾するのだがぜひ業務スーパーで大きめのもの(270g)を購入して欲しい。あるいは中華食材などを扱っているスーパーでも手に入るかと思う。
姜葱醤の原材料を見てみると、このように書かれている。
植物油脂、生姜、チキンエキス調味料、香味油(ねぎ)…これら以外は大人の事情で入っている材料だ。十分、家庭で揃えられる材料ではないか。姜葱醤のあの得も言われぬ美味しさは、ひとえにチキンエキス調味料にかかっていると言える。
それでは、魔法の調味料姜葱醤を作ってみようではないか。
ちなみに、この調味料を作るのにはフードプロセッサーがあると大変便利だが、なくても出来る。地味におろし器を使えば可能だ。おろし器を使えば、量も調節でき、使う分だけ作るというのもいいかもしれない。
作り方の下に姜葱醤の活用例も挙げておくので参考にして欲しい。
【姜葱醤の作り方】
準備:フードプロセッサー or おろし器
材料:生姜、ねぎ油、塩、うま味調味料(鶏ガラスープのもと等)
1. 生姜を適当なサイズに切り、フープロに入れてペースト状にする
2. ペースト状になった1.を電子レンジで温める。200wで2分。600wで30秒
3. 温まった2.を冷めるまで放置。放置することで生姜の辛味が減少していく
4. 冷めた3.に塩、うまみ調味料を加えて混ぜる
5. 保存容器を各自のやり方で殺菌し、4.を入れる
6. ねぎ油を5.に注ぐ。途中で少し混ぜ、生姜が油でかぶるくらいが適量
以上だ。あえて、材料の量を書いていないが、味付けの目安としては「しっかりとした味がする」くらいがいいと思う。調味料なので。冷蔵庫で保存し、2週間程度は持つと思う。でも、早めに使い切ったほうがいい。
この姜葱醤で美味しいのは、冒頭にも書いた蒸し鶏、茹でキャベツ、塩焼きそばを始め、椎茸を炙ったりうま煮にしたものに添えても美味しい。実は、カレーに入れても美味しい。『生姜アホカレー』というカレーの名作レシピがあるが、このアホカレーに入れても美味しい。そもそも、カレー粉は生姜や油と相性がいい。肉や野菜を炒める時に姜葱醤を入れて、クミンパウダーとカレー粉を入れて少し味を整えれば手早くインドっぽいカレーが作れる。
私は豚の生姜焼きにもこれを使う。ねぎ油効果でちょっとコクが出る。炊き込みご飯の材料としても立派に役立つ。お米を炊く時に、好きな食材(肉でも野菜でも)と姜葱醤を入れて炊けばいいだけ。私は豚肉とネギと一緒に炊き上げるのが好き。
姜葱醤の可能性は無限大だ。
皆さんのアイディアでどんどんレシピを広げていってほしい。
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