娘に勉強しなさいと言わなくなった理由

バランスよくお互いを尊重する

娘が小学1年生の頃だったか、路線バスに乗り合わせた女子高生たちが「勉強しようと思ってるところに“勉強しなさい”って言われると、もう絶対やりたくないんだよね」って話すの聞き、娘には勉強しなさいと言ってきませんでした。

誰でも、思い当たりますね。なぜ自分が言われて嫌だったことを言ってしまうのでしょう。出かける時には、つい何時に帰ってくるの?どこへいくの?と聞いてしまいがちですが、私は娘に予定を伝えるので、娘も自ら知らせてくれます。これは、無意識に小さい時からの訓練かもしれません。

帰りが予定の時刻を超えたら、我が家の場合は締め出しです。娘が3歳のとき、山の家の庭で焚火をしていて母と私が部屋へ引き上げず話し込んでいたら娘に締め出されたことがありました。そのとき、ただただ娘に謝り逆に躾けられたようでした。娘は小さかったですが、娘の言い分もあるのです。一方的に娘を下に見るのではなく、バランスよくお互いを尊重し合わなければひとり親家庭の生活はうまくいかないと感じました。”勉強しなさい”は、一方的な言葉です。


なんとなくうまくいく

娘が小学生のときは、漢字や計算の小テストで娘と競いたがるお友達がいました。テストが返却されると「何点だった?」と聞かれます。それが娘の勉強の引き金になり、私が言わなくても何をするべきか考えてテストで点を採ってきました。

中学生の娘は、授業をしっかり聞いてるから家ではしないと言いました。ブリティッシュスクールで、日本人のように勉強にがんじがらめになることもなかったです。手に携帯電話がシールで引っ付いてるかのように手放さない娘に、小言を言わずに済んだのは、私の呼吸が深く、ムッとしたり、イラッとする気持ちを半減できたからでしょう。深い呼吸は、ゆったりとした気持ちになり苛立ちません。勉強しなさいと言ったところで、気持ちよく勉強する子どもはいません。それなら言わなくていいんです。

頭のてっぺんから坐骨を一直線に保って、手のひらを動かしてみましょう。


タナゴ

私が中学高校のときは、英単語を何度もノートに書いて覚えましたが、娘は耳から入った音をアルファベットに起こせるので書いて練習する必要がないそうです。勉強の仕方が違うので、良いのか悪いのか私は娘の役に立てず、勉強しなさいとも言えませんでした。


賢い母は”勉強しなさい”と言わないのか

娘の小学校受験のとき、受験塾の先生がお受験では良妻賢母が好まれますと言われました。もちろん、言葉の意味はわかりますが、私の母が良妻賢母と程遠くその実態がわかりません。一般的な良い母、子どもにとって良い母とはどんな母なのかを今もずっと模索している気がします。

良妻


広告代理店時代に秘書課に所属していた同期の友人は、宛名書きや電話の応対なら模範生でしたが慌てん坊、そして掃除ができないというか掃除をしない人で営業の先輩が社長室を掃除しゴミ捨てを手伝っていました。彼女は、同期で一番早く結婚退職し専業主婦になりました。


ある日、熱を出して動けないと連絡があり食事を作りに行ったことがありました。当時、お嬢さんが小学校1年生で、「あ〜ママは、動けない」と寝転がる母を労り、トースターでお餅を焼いて磯辺焼きを作り、飲み物も用意して腹ごしらえして公文へ出かけていきました。お嬢さんは、友人とは別で掃除でもなんでも自分でするお利口さんでした。今は芸能界で活躍されています。


会社でも家庭でも上手に誰かの手を借りることを、私は彼女に教わりました。自分にも他人にも厳しい私は、病気になるなんて母親失格、誰の手も借りずに娘を育てると強気で可愛げがありませんでした。子どもに弱みを見せることは、意外と大事なことなのです。ここに良妻賢母のヒントがあるように思います。


50歳をとっくのとうに過ぎた友人は、今でも”なんで、なんで”と自分が理解するまで聞き、話に誤魔化しがありません。誰にでも、たとえ小さなことでも”すっごい”と目をまんまるくして両手を広げたオーバーアクションで褒めます。それを純朴と言うのか、気持ちを伝えるとか表現することは大事なことです。私が弱いときは娘が補い、娘が弱いときは私が補う、私たち親子の関係は開けっぴろげで”勉強した?”とかいう言葉がいらなかったかもしれません。


友人に倣い叱咤激励してきた娘は、9月から大学生です。娘が10歳の時にドバイに移住して、仕事を立ち上げ娘の世話もろくにできずに必死に働いてきました。娘とはちょうどいい按配の距離を保ち、私たちの移住は、大成功でした。子どもには”勉強しなさい”と言わない方がいいです。バスで出会った女子高生に心から感謝します。


最後までお読みいただきありがとうございました。

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