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本質を軽視してはならない

現代社会は、急速なテクノロジー進化、情報の過剰流通、そして瞬間的な満足追求により、多くの場面で本質を見失いがちです。この軽視はソーシャルメディアの普及による表面的な関係性や、教育システムにおけるテストスコアの過重視など、様々な形で現れます。

本質の軽視の一般例

ソーシャルメディア

ソーシャルメディアの普及により、人々は世界中の友人やフォロワーと繋がれるようになりました。しかし、これが生み出すのは、しばしば深いつながりや理解を欠いた、表面的な関係性です。本質的な人間関係の構築には、時間をかけた対話や共有体験が必要ですが、ソーシャルメディアの瞬間的な「いいね」や短いコメントでは、この深みには達しないことが多いです。
私自身、ソーシャルメディアの利点を認めつつも、簡単に関係性が壊れたり、失礼な言葉を受けたりするなど、その負の側面にも直面しています。


教育システム


テストのスコアや成績が学生の成功の尺度として強調される傾向にあります。これにより、学生は点数を取るための学習に集中し、学問の本質的な理解や批判的思考能力の育成がおろそかになる場合があります。
私自身、学生時代にテストのために暗記をした経験がありますが、その知識は長続きせず、「本当に何を学んだのか」と疑問に思うことがあります。

これらの例からわかるように、現代社会では多方面にわたり本質を見失いがちです。さて、ここからが本題です。直近の私が感じた本質の軽視についての事例にいきましょう。

私の事例

私の前職での経験から、本質の重要性についての洞察を得ました。
具体的には従業員と経営層の2つの観点からです。

従業員の例

地方の中小企業で品質管理を担当していた際、従業員が表面上は大切にされているように見えました。OJTをやるとなれば、彼らは丁寧に教えてくれましたし、質問をすれば分かる範囲で丁寧に答えてくれました。時がたつにつれて色々見えてきて、実際には新旧の社員が会社の古い文化に同化し、組織の「コピー」を生成するだけでした。
ここから学んだのは、どの人にも同じことを教えているため、成果も皆同じになるということです。プラスアルファを学ばないこのような状況は、個々の特性や能力の発揮を阻害し、組織全体の革新や進歩が妨げます。コピーしかできないのだから当然です。

経営層の例

表向きには現場と従業員を大切にするという姿勢を見せていましたが、実際は全く違っていました。私は2年間毎日現場で仕事をしていましたが、外部監査等の必要がある場合を除き、一度として彼らを目にすることはありませんでした。これは、言葉だけの姿勢であったことを証明しています。経営陣が利益追求のみに焦点を当て、現場の実情から目を背けていたおかげで、私は本質を見失う危険性を肌で感じられたのです。

本質とは

従業員の例でいえば、標準という視点考えてもコピーを作るところまではいいと思います。本質はその先にあり、担当者の考えや人柄を加えることで初めて次のレベルへと進化させることが可能です。
経営層の例でいえば、現場に出向こうということです。現場で利益を生み出す行為がなされているのだから、そこに経営の答えのすべてがあると言っても過言ではないはずです。

私は、トヨタの副社長が毎朝現場に顔を出しコミュニケーションを取っているという話を聞いたことがあります。正解かどうかは置いておき、こうした姿勢は、障害を乗り越え、組織を成長させるための本質的なアプローチであることは間違いありません。このような取り組みは、決して利益追求だけではないですね。

本質というのは、しばしば地味で、直接お金にならなくて、面倒くさいように見えるかもしれません。ビジネスに限らず、現代社会においてこの本質の重要性を正しく理解し、日々の実践に移せることは、とても、とても、とても価値のあることであり、持続可能な成長と成功への鍵を握っていると私は思います。

皆さんの抱える問題も、まずはその本質を見極め、軽視することなく誠実に対応することが、解決の第一歩なのではないでしょうか。

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