見出し画像

合理化キツネな私は、それでも生きていく。ー引っ越し記録①ー

こんにちは。コロリです。
InstagramやYouTubeなどで、暮らしにまつわる発信をしています。

一人暮らしが長い私ですが、来年より私の転職が決まったこと、お付き合いしているお相手の賃貸更新が迫っていたことなどの理由が重なって、二人暮らしを本格的に考え動いています。
しかし、引っ越しが決まりそうで決まらない、宙ぶらりんな状態が続いて2週間ほど経ちました。なぜかというと、審査で揉めているから。

大型バイクを所有する彼は、屋根付きのバイク置き場を強く希望していました。そして「大切な物だからそばに置いておきたい」と。私の希望は、床が白がいいとか、備え付けコンロがいいとか、あとは、vlog動画撮影が続けられそうなお部屋がいいなとか、細々としたこと。

たまたま内見させてもらった物件には、玄関前に屋根付きで2畳ほどの駐輪スペースが。内装、立地、家賃も総合的に合格!そして、駐輪スペースを大層気に入った様子の彼を見て、ここに住めたらむしろ良い!と私は直感しました。
「ここに大型バイクも停めていいか?」の確認と交渉を終え、問題なさそうだったため審査に移ったのです。


すっぱい葡萄

管理会社の審査通過も無事通り、オーナー審査に移ったタイミングで、本格的に引っ越しの話し合いを重ねてワクワク過ごしていたのも束の間。
後日、オーナーの回答は「大型バイクの駐車は認められないので近辺のバイク置き場に停めてほしい」でした。

一番大切な条件でした。目の前に出された料理を引っ込められた気分です。憧れの新生活が欲しくて欲しくてたまらなくて、あともう少しで手に入るのに。諦めきれなくてイジケモードの私に比べ、「そうか、じゃあこの物件はやめよう」と躊躇なく言い放った彼。

「私の条件だってあるのに、あなた一つの条件で振り出しに戻すのはフェアじゃない!」「そもそも私はバイクと関係ない!離れていても屋根付きの駐車場を借りればいいじゃないか!」

私は、諦めきれない気持ちと楽しみだったことが白紙になった悲しい気持ちとの折り合いがつけれず、自分を納得させるために怒りの矛先を「彼のバイク」にしてしまいました。

思い通りにならないとき、私は自分の心を守るために何かのせいにして合理化してしまいます。多分みんなそう!
落ち着いた今でさえ、「こんなに言っても了承してくれないオーナーなのだから、きっとそこに住んでも馬が合わない。やめよう。」と矛先を変えています。
イソップ物語の「すっぱい葡萄」を思い出しました。

ある日、キツネは、たわわに実ったおいしそうなぶどうを見つけます。食べようとして跳び上がりますが、ぶどうはみな高いところに実をつけているため、何度跳んでも届かず、結局はあきらめることにしました。
キツネは怒りと悔しさで、「どうせこのぶどうは、絶対すっぱくてまずいに違いない。誰が食べてやるものか。」と捨て台詞を残して去りました。
イソップ寓話「すっぱい葡萄」

本当の私

今の会社で働く自分は「自分らしくない!」と思う、ここにいるのは本当の私ではない!だから転職活動をした。
「自分ではないもの」がなくなると気持ちがよかった。

今度は、理想の暮らしを求めて、彼との新生活を望んだ。他人と生きていくこと、「自分ではないもの」を受け入れることにした。
なのに、思い通りにならなかった時、また私は「自分ではないもの」を手放したくて、自分だけがスッキリしようとしている。

大切な物をそばに置きたい彼に我慢をさせれば、私がほしい新生活が手に入る。本当に?
内装のチェックはそっちのけで、屋外の小さなスペースに目を輝かせる彼を見て、私は嬉しかったのに。本当に欲しいのはお互いが自分らしく生きられる場所!

散々怒りをぶつけた後、しばらくして彼は落ち着いた私をバイクの後部座席に乗せて、外苑前のイチョウ並木に連れて行ってくれました。

秋の空気は冷たくて、風やバイクの振動で振り落とされそうで怖かったけれど通り過ぎていく景色は、私一人だったら絶対に見れなかった。自由なんだ、どこにでも行けるんだ、そう思ったとき、私は自分の発言を悔いました。やつ当たって発散してしまったけれど、一部は自分の中で消化させて、次は二人でブドウをどうやったら上手く取れるか?と今は考えることができます。そうは言っても、また煮え切らないことが起こったら正当化しちゃう私は絶対にいる。その先に反省してやり直すことができる私もいる。

「バイクもひっくるめて彼なんだ」
そんな彼と一緒にいる私が、本当の私になれたら嬉しい。こんなところでつまづいていられない。もっと粘って私たちらしく生きることができる場所と暮らしを探し続けます!

おわり

バイクの騒音は、誰かのTikTokの撮影を邪魔していたと思う


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?