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きょうの一文5

「ウィスキーを水でわるように/言葉を意味でわるわけにはいかない」(「言葉のない世界」)
(「田村隆一詩集」思潮社 現代詩文庫1  1990年第二十二刷 p.42)

言葉のない世界を望んだ詩人さんは、詩的緘黙に入った時期もあった模様、だが晩年、言葉をすらすらと流して死んだ。洒脱してそうなったのではなく、生き延びてしまった自分をしかたなく受け入れて生活を楽しんだ結果ではなかったか。ぼくはそれで良かったと思うのだ。生き延びるのが先だ。そしてゆっくりと死ねばよい。その悲しみとおかしみを皆で分かち合えば良い。

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