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英語の発音を考えてみよう。ゲーム感覚で練習したり、好きな曲を発音の訓練に使ってみたり。

ネットを使って、英語で世界を探索しながら学ぶ方法
春休みを家ですごすことになった人へ

このシリーズの4回目、前の記事はこちらです。

第1回 英語ニュースで世界を知る
第2回 ひと月で効果を実感できるように、オンライン英会話をやってみ
第3回 英語を使って何かを学ぼう:MOOCを使って世界の一流大学の授業を受ける。

英語の発音は、やっかいです。英語で話す時、話しの中身が発音より圧倒的に重要なのは間違いないけれど、発音が「悪い」と損をします。相手が聞き取れなくて、何度も聞き返すので、英語で話すことが嫌になったり、せっかくいい内容の話しをしても、相手が面倒がって注意をはらってくれなかったりします。

私は、全ての人がネイティブの英語を目指すべきとは考えていません。発音の「くせ」が強くても、世界中の人に向かって英語で重要なメッセージを話しているノンネイティブの人が、世界にはたくさんいます。日本人的英語でも、自信をもって英語を話すことが大事だと考えています。私の英語も、日本人英語と自覚しています(笑)。

ただ、英語で話し始める最初のころ、聴きやすくわかりやすい発音をするように、注意を払って練習するのは重要だと思います。あまりにも聴き取りにくい発音だと、英語の会話が成り立ちにくいからです。

今まで英語と言えば読む聴くばかりだった、英語でほとんど話したことがない、あるいは、英語を話すことに強い抵抗感がある人は、一度は、じっくり発音について考え、訓練をしてみることをお勧めします。

具体的な方法

日本語で育った人が英語を話す時の課題は、英語は日本語の音とリズムとは違うことをいつも気にかけ、日本語の音とリズムとしっかり区別して英語を話すことです。日本語から、英語の発音に変えるために最初にやることを2つ勧めます。

まず、英語らしいリズムとアクセントの、メリハリのある英語をめざすことです。もう一つは、日本語の特徴である、言葉の最後に母音をつけることをやめることです。たとえば、コンピューターを英語でいう時、こんぴゅーた(ぁ)という最後の小さい(ぁ)を発音しないように意識することです。

この他に、もちろん、日本語と英語の音の違いを訓練することも大事です。日本語にはRとLの区別がないので、英語でも区別できないのは良く知られた日本語話者の弱点です。ただ、音の違いを発音できるようになるのには、音の聞き分ける力を養う必要があり、変えるのにかなり時間がかります。

そこで、音の違いは中期目標にして、短期的には、リズムやアクセントと、最後の母音をなくすことを、まずやってみます。

リズムとアクセントを、楽しく訓練する方法としては、好きな英語の曲を、とことん聞いて自分で歌えるようになる訓練を勧めます。音楽を使った発音練習の方法は、ずいぶん以前、ワールドラグビーの応援歌を題材に記事にしました。音楽を使った発音練習の方法は、基本的にはシンプルです。

ステップ1 好きな音楽を選び、歌詞を読んで意味を理解する。
ステップ2 リズムに合わせて、英語の歌詞を言ってみる
ステップ3 その曲を、音に意識を集中して徹底的に聞き込み、同じようなイントネーションと同じような音で曲に乗せて歌えるように、何度も、何度も練習する。
ステップ4 自分で、歌手の歌う動画とあわせて歌えるようになったら、楽しく口ずさんだり、カラオケで歌ったりする。

ステップ1と2は、音楽好きなら気軽にできますが、ここで重要なのはステップ3の聞いてマネするを繰り返すことです。このこだわりが、発音の向上につながります。音楽の場合、特にリズムとイントネーションのいい練習になります。この2つがちゃんと出来ないと、曲から外れてしまうのですぐわかります。

好きな曲を真似るだけで発音がうまくなるのか、と信じられない人もいるかもしれません。でも、英語の音楽を徹底的に真似て歌う練習をして、英語の発音を良くした経験談は、多くの人から聞いてきました。イギリスの英語教授法でも、音楽を使った発音の教え方を習いました。何より、好きな音楽を楽しみながらできるのが、魅力です。

もう一つぜひお勧めする発音練習法が、スマホでもできる、発音矯正ソフト、ELSA です。このソフトをおすすめする理由は、4つあります。

□発音の練習を楽しめるゲームのように仕立てている
□練習の英語文例がわかりやすく、実用的に使いまわしがきく
□例文が、単語、文章、慣用句、会話、早口言葉など、いろいろあって、飽きない
□音声学や言語学を応用した科学的な練習になっている

ソフトは単純で、スマホの画面に簡単な英語が表示されるので、それを、自分で発音してみると、その発音の正確さが、「ネイティブ度」として100点満点のスコアで表示されます。スコアが上がるまで、繰り返して練習することができます。お手本の音と、自分の発音を聞きかえせるので、聴き比べて練習することができます。

発音をまちがった部分は、赤字で表示されるので、自分が繰り返して間違う弱点が、どんな音なのかわかります。

私もやっていて、簡単に始められるのに、点数が出るのがおもしろいので、中毒になってくりかえしてしまいます(笑い)。短い単語から始まり、短い文章、そして会話と、段々難しくなるのですが、その練習の作り方に工夫があり感心します。家族と順番に言ってみて誰の点が高いか比較するのも、盛り上がります。

私は、どうせなら『英語の曲で訓練』と『発音ソフトの練習』を並行して、同時にやってみることをお勧めます。

英語の曲を歌って発音の練習をしていても、自分の発音を客観的に評価するのが難しいので、自分の苦手なクセに気付くのは難しいからです。ELSAの点数で客観的に自分の苦手をみつけ、それを意識しながら、自分の好きな曲の練習もすると、相乗効果があると思います。

この他に、発音練習のテキストを使って、英語音の仕組みをきちんと勉強するのも、もちろん重要だと思います。ただ、テキストの勉強を中心にして発音訓練をするのでは、なかなか長続きしない人が多いです。そこで、まずゲームと音楽という楽しい方法で発音に取り組み、苦手な音を出会った時に、テキストや動画で学ぶといいと思っています。

ネット上には、発音の仕組みを教える動画がたくさんあるので、苦手な音は、この動画を使ってを利用するのもおすすめです。YouTubeで「Learn English Pronunciation」と入れて検索すると、百万人以上が見ているレッスンがいくつもあります。

大学で教えていると、発音が悪くて損をしていると感じる学生にたくさん出会います。もうちょっと発音を練習すれば、自信をもって、気持ちよく英語が話せるのに、と思います。

新学期が始まるにあたり、音楽とゲームで発音にこだわってみてください。

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