ネットを使って、英語で世界を探索しながら学ぶ方法： 春休みを家ですごすことになった人へ
第一回 英語ニュースで世界を知る：
（写真： 今年3月のスペインのオレンジ）
こんにちは。
私は「世界の共通語としての英語」について研究しながら、都内の大学で英語コミュニケーションを教えています。
今ちょうど、4月の新学期から始まる英語の授業の準備をしています。
これから会う大学の新入生を、頭の中で思い描きながら、
英語の授業の教材を作っています。
それにしても、やっと受験から解放された大学の新入生たちが、
楽しみにしていた国内・海外の旅行をコロナウイルスのためにあきらめ
家でじっとすごすことになり、がっかりだろうと思います。
この春に予定していた旅行は、残念ながら来年に延期するとして、
ぽっかり空いた春の時間に、できれば、これから役立つ英語を、
先どりで学んで欲しいな、と思っています。
今までの受験を意識した英語勉強とは違う、
英語を使ってネット上で世界を旅をするような
英語の学びかたを紹介して、英語の学びにお誘いしたいと思います。
できるだけお金をかけず、世界ですぐに役立つ英語を
楽しんでまなぶ、がモットーです。
新入大学生にかぎらず、英語に興味のある方の
役にたつといいなと思っています。
今は、とりあえず７日分、下にならべたような内容が頭に浮かんでいます。
書いているうちに、アイディアが膨らめば、
もっといろいろ書いてみます。
新大学生に限らず、英語に興味のある方から
ご質問や意見もうかがえれば、やる気が増しますので、
よければ、フィードバックをください。
Day１ 英語で簡単・手軽に世界のニュースを聴く
Day２ オンライン英会話で世界の人と話してみる
Day３ 自分のあこがれの英語ロールモデルを探す
Day４ 世界の最高の教室の学びを自宅で：MOOCを試す
Day５ “Social Distancing” ―世界はどう病疫と闘っているか
Day６ これを機会に発音を見直すトレーニングを始めてみる
Day７ ボキャブラリと実用的・苦痛なしにつきあう方法を身に着ける
Day１：無料で簡単な英語のニュースをたくさん聴く
知られていない、おすすめニュースサイトを紹介
英語を使おうとする時、聴き取りの力が弱いと、
何を言っているかわからず、話すのもとても苦痛です。
英語を使えるようになるのに、リスニングは重要な基礎力です。
英語の音を追いかけ、理解できるようになると、
英語を話すための練習になることはもちろん、
読みや書きの向上にもつながります。
実は、世界の言語教育では、とにかくたくさん聴くことが
何より大事と考えられています。
インプットセオリーとよばれる定説です。
受験のために英語の知識をためてきた人たちは、
いまこそたくさん英語を聴いて、
受験の「英語の知識」を、使える「英語のスキル」にするのに
一番いいタイミングです。
今までの勉強を生かして、英語力を伸ばせるわけです。
受験のために頑張って覚えた英語を忘れてしまう前に、
たくさん英語を聴く練習をしませんか。
聞く素材はいろいろありますが、英語のニュースが
リスニングの練習に一番のおすすめ、王道だと思います。
その理由は：
□世界で何がおきているか英語で理解すると、英語の会話の話題についていける
□ニュースアナウンサーの英語は、標準的で聞きやすい
□同じ内容が繰り返されるので、理解を深めやすい
□一件のニュースが数分程度で、意識を集中しやすい
□使われている英語が固すぎず、柔らかすぎず、応用範囲が広い
ニュースの聴き方としては、
最初は、とりあえず何かをしながら英語ニュース動画を流して
英語に慣れる。英語ニュースの流れがわかってきます。
聞いているうちに、画像などから気になるニュースが見つかると思うので、
今度は、その一つを集中してじっくり聞いて
細かい内容を理解しするように、がんばってみる。
これをずっと続けていると、英語のニュースの中で
意味がわかる部分が段々と増えてきます。
秘訣としては、
聴き取れない部分が多いまだら状態でもこわがらず、
まだらのわかる部分を増やすことに意識を集中します。
受験英語のリスニングでは、
英文のすみずみまで聞きとれる練習をすることが多いので、
わからないところがまだらにあるのが不安になる学生が多いけど、
実社会で英語を使う時は、
わからない部分は常にある、まだらが当たり前です。
英語ニュースサイトには、流しっぱなしのストリーム放送以外に、
短いクリップになっている個別ニュースもあるので、
気になるニュースを、クリップでみつけて、
繰り返し聴くと、さらに英語の聴き取りの訓練になります。
英語字幕を出しながら、読み聴きすると、理解できる部分が
飛躍的に増えます。
Youtubeなどには英語字幕を増やす設定（右下の歯車マーク）があります。
さて、英語でニュースを聞くとなると、CNNやBBCが有名ですが、
これらのニュースは原則有料で、
ライブを流しっぱなしで聞くには有料サービス加入が必要です。
しかも、アメリカ、イギリスのネイティブの英語なので
英語の単語や表現が難しい傾向があります。
そこで、無料で聞けて、英語が比較的簡単で、しかも
クオリティも高くて楽しい英語ニュースとして、
フランスとドイツの公共TVの英語放送をおすすめします。
24時間、無料で見られます。
私も、ほとんど毎日流し聞きしていますが、
フランスやドイツのお国ぶりも見られて、とてもいいです。
フランス語やドイツ語を母語とする人も聞けるように、
やさし目で、聞きやすい英語が使われています。
時々、なかなか聴き取りが難しいほど
フランス語やドイツ語のアクセントが強い人が登場しますが、
それもご愛敬。
世界にはいろんな英語があるし、それでちゃんと意志疎通ができる
とわかって、ノンネイティブには励ましになります。
しかも、今ヨーロッパでは、コロナウィルスが驚くような勢いで広がり、
外出禁止令、すべてのレストランやカフェやパブの営業停止、
国境封鎖など、信じがたい政策がどんどん実施されています。
ヨーロッパでおきている厳しい病疫との戦いを、
リアルタイムの映像情報で見ていると、
歴史的なことがおきているのだな、と感じます。
ひとっこ一人いないヨーロッパの観光地、
アパートの窓で歌って励まし合っている人の様子、
日本でもおなじみ、パニック買いだめ、
政策決定に苦慮するリーダーたち、
この危難を生き延びるため手洗いや自己隔離の方法の紹介。
同じコロナウィルスのニュースでも、日本のニュースとどう同じで、
どう違うか、考えてみるのもいいと思います。
この他に聞きやすくて、質の高い英語TVニュースとしては
こちらはアジアのニュースがわかります。
違う視点から世界を見られて興味深いです。
TV以外のおすすめニュースサイト
24時間聞き流しのストリームはありませんが、
アメリカでは、VOA（Voice Of America）が無料で聞きやすい
ニュース音声クリップを出しています。
2分ぐらいの短いニュースクリップで、外国向けなので
やさしい英語を使っています。
聞きやすいです。
映像がないので、意識を集中しないと雑音になってしまいますが、
リスニングの素材としては、とてもいいと思います。
私は、授業で良く使っています。
VOAでは難しすぎると感じる方には、
とっておきにやさしいニュースサイトとして
英語学習者向け、英語ニュースをおすすめします。
英語の初心者向けからちょっと慣れたレベルまでの英語で、
面白ネタを中心としたニュースを紹介しています。
ちょっと単調なトーンですが、ニュースを読み上げた
音声もついています。
個人サイトなので広告が出ますが、
これだけ頻繁にアップデートしてくれているので、
広告は我慢しないといけないかなと思います
私はこのサイトのニュースを読んで、自分の英語表現で
短くまとめて紹介する練習を授業でよくやります。
こうやって、英語でニュースを追う習慣を身に着けると、
英語が身近になって、英語は世界につながる道具だな、と
実感できると思うのですが、いかがでしょうか。
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